日本的経営の特徴

 西武鉄道虚偽報告、ニッポン放送買収、カネボウ粉飾決算、ライブドア粉飾決算、チョット違うが福島県知事の談合に関わる企業等々、経営者モラルの堕落がクローズアップされる事件が引きもきらない。株式公開会社としての自覚が問われる。個人経営から発展した会社は、表層部分で株主中心主義、透明性、公開性、倫理性、法令遵守、環境保護と様々な社会的責任を負っている。しかし、深層部ではリスク承知で生き残りを掛け、不正であっても経営を決断することもありえる。カネボウは元社長らが会社の倒産を防ぐために、公認会計士と結託して粉飾決算を行っていた。正しい決算をしたのが現在のカネボウの姿である。経営者の経営判断の悪さが業績を悪化させたのが原因である。こんな事態を隠しておいて、何に貢献したのだろうか。損失を飛ばして業績を改竄したのは経営者の保身であった。三菱自動車のリコール隠しも同様である。情けないが、これが経営者の実像なのだろう。経営学では、この問題を企業統治(コーポレイト・ガバナンス)としてとらえている。企業の隠蔽(いんぺい)性向を回避する手段として、株主による監査機能強化、証券市場による監視の強化などの提案がある。 
 2005年2月、ライブドア(正式にはライブドアの子会社ライブドア・パートナーズ)が東京証券取引所の時間外取引によって、ニッポン放送株の約30%を取得し、その後の買い増しで45%を保有し筆頭株主となった。ニッポン放送はフジテレビ株22.5%を持つ大株主である。なぜライブドアはこのような行為にでたのか。それは1000億円の買収資金で、ニッポン放送資産2400億円、フジテレビ資産6300億円の支配権を獲得できるのである。原因は、割安の株価を容認していたニッポン放送、フジテレビの経営者の認識不足だった。結局ライブドアは和解し、400億円を手に入れた。一番馬鹿をみたのはフジテレビ。割り増し配当で金銭面でも100億円の出費、そして提携先のライブドアは粉飾決算で死に体である。よく株主代表訴訟が起きなかったものだ。しかし、株主も配当が増えてほくそえんでいる。2005年3月末の期末配当を、当初予想の1株あたり600円から4,400円に大幅に増やした。M&AMergers and Acquisitions)とは、企業の合併及び買収のこと。

株式会社とは
※ ビック・ビジネスこそが現代の新たな権力の担い手である(ガルブレイス)。現代の生活がいかに大企業に依    存しているか、技術、開発力、広告、宣伝、具体的な製品やサービス、はたまた企業文化からのメセージの提    供者は大企業である。それゆえしっかりした監視が必要である。
※ 株とは、企業に対する資本提供者に出資分の所有権を認めた証書である。株主(シェアホルダー)は、企業の所有者  であり、議決権、利益配当分請求権、残余財産分配請求権、代表訴訟権がある。
資本主義社会では、市場を介して資金源を確保しながら経営活動が行われてきた。資本を細分化した証券にすることは、資本供給者を特定の個人に頼らず誰でも参加できるようにした。その結果株式会社は、大きな企てが可能となり飛躍的発展を可能とした。株式が誰でも入手できる場を提供するのが証券市場である。
 株式会社は資本金の多寡に拘ってきた。その理由は資本金が信用の基礎だったからである。信用力に問われるのは決済にからんでしかるべき支払い能力である。現金払いが最良であるが、払いに猶予を与える手形を利用する場合、信用が決定的に重要であり、担保なしで支払を保証できるのは資本金である。会社をどのくらいの自己信金で経営しているかが重要だった。しかし昨今は自己資金なし「1円株式会社」が容認され、信用の基礎が何処にあるか不明確になってきた。(企業という経済組織は「カネの結合体」である側面と、「ヒトの結合体」でもある側面があり、最近では「ヒト」に視点があたっている。銀行の融資も担保主義から、アイディアや人物に焦点をあてるような変化が表れた。)
企業は投下資本に対して、より大きな利益を求め、投資家へ納得できる配当を行う。
株主(シェアホルダー)
企 業

先進五カ国の経営者アンケート(1990年代初頭)

出典:吉森賢「日米欧の企業経営」放送大学教材、pp.37-39。

経営組織形態

企業経営の形態は、“アメリカ・イギリス”型、“ドイツ・フランス”型、“日本”型に分類できる。その形は、株主、経営者、利害関係者との関係で表されている。企業概念を、@株主との関係を基本とするアメリカ型を一元的企業概念、A株主、利害関係者との関係を基本とするドイツ型を二元的企業概念、B利害関係者との関係を基本とする日本型を多元的企業概念とに三分して実態的特質を研究している。

アメリカ
 株主中心主義が基本である。1919年、フォード自動車の下請けであり株主でもあったダッジ兄弟は、フォードが新工場を建設する際「余剰資金があるなら配当せよ」と訴えた。「フォードとダッジ兄弟の配当紛争」による最高裁判決「企業は株主利益を最優先して組織され経営される」が現在でも継承されている。しかし、底流として多元的企業概念を重視する経営者も多い。
 取締役は株主総会の決議により選任される。取締役会の役割は、経営計画立案と執行の監視および経営執行者の選任と解任である。取締役は主要執行役と社外取締役で構成される。社外取締役は当該企業との利害関係が低いので、客観的な監視が可能と期待されるが、実際は外部取締役は自分の仕事を優先して真剣に監視をしないことが多く、実態は執行役員が取り仕切っている。業績に連動した報酬制度やストック・オプションが普及しているため、短期的業績志向が強く、経理的操作により、業績改竄を誘発する原因との指摘もある。
 従業員との関係では、@ワグナー法(1935年)により企業が組合活動に関与できない。それ以前、「会社組合」といって企業の御用組合が存在したが、それでは組合活動の正常な組織化が阻害されるとして禁止され、労使協調が禁止となった。現在、日本的経営の発展、特にQCサークルは業績、成長に関しては効率的であると評価され導入を頃炉見たが、ワグナー法が障壁となり普及していない。
 雇用に関しては「随意的雇用の原則」すなわち、労働者には「辞職できる自由」があり経営者には「解雇できる自由」の相互性が確立している。
 「銀行支配」はない。銀行が支配的債権者になると貸し出し回収が不利になり、支配的株主になると請求権が劣後になるので、銀行は企業の経営に支配的関与をしない。

CEO ・・・・ 最高経営責任者 ・・・・・ 最終意思決定者、取締役会から選任される。
COO ・・・・ 最高業務執行責任者 ・・・・・ CEOの補佐
PRESIDENT・・社長という言葉は法的根拠に乏しく、便宜上の肩書き。主にCEO、C00、代表取締役に使う社内の役職。

日本の経営機能の役割

○株主総会
 企業の所有者は株主である。株主が一同に集まる集会を株主総会と呼び、経営を委託した取締役会が提案した経営計画や 経営報告を審議する。また取締役を選任・解任する。
○取締役会
 株主総会により会社経営を委託された集団・・・・ 経営計画の立案と執行の監視を行う。執行の責任者を通常「社長」 と呼び、会社の代表権(最高・最終責任者)を持つ代表取締役が兼務することが多い。
○監査役会
 株主の委託により、取締役を監視する。業務の執行や会計の監査を行う。
○公認会計士
 監査役の補佐として、会計監査をおこなう。法令を遵守した会計処理が行われていることを確認する。
○労働組合  ・・・・現在の組織率は20%以下までなってしまった。
 企業内部で組織されることが多い。そのため経営と一体となって企業発展に大きく寄与した。
○メインバンク
 資金提供を行うと同時に、株主であることが多い。株主や形骸化した監査役制度に変わって、経営に対する監視機能(モニ タリング)を果たしている。

利害関係者(ステイクホルダー)
従業員、顧客、関連企業、納入業者、下請企業、金融機関
 経営組織は、「株主価値最大化に貢献する適法性遵守と経営効率向上のための経営モニタリング・システムであり、株主利益を優先して組織し運営する」と定義して、日本的経営の特徴を海外と比較する。
テキスト ボックス:

ドイツ
 19世紀イギリス、フランスから遅れていたドイツでは、産業および企業の発展が国益向上の手段とされた。企業は単なる私的利益手段としてより、国益増大としての公器の地位に置かれた(明治以後の日本も同様)。企業経営に関して、企業の自主性を尊重しつつも透明性を確保するために法制度化されているのが最大の特徴である。労働者階級と企業の一体感を強めるため、労働者を企業の意思決定へ参加させる共同決定法が制定された。この点から、企業は株主より従業員利益を尊重するようになった。その始まりは1834-35年にまで遡ることができる。ドイツの経営者は株主利益の最大化より、利害関係者を公平かつ同等に考慮した共通の利益最大化に努める。
 ドイツ型経営は二層型取締形態である。監視機能(監査役会)と執行機能(執行役会)が法的に明確に分離されている。監査役会は、@執行役を選任・解任、A特定の業務に事前承認権限を設定できることで、経営に影響力を行使できる。三菱自動車再建案に対してダイムラー・クライスラーが拒否したのは、ベンツの監査役会が“NO”を出したからである。
 次に共同決定法(従業員2000人以上)の法的制度(オランダ、デンマーク、ルクセンブルク、ノルウェーでも制定)により、監査役会は株主代表と従業員代表で構成されている。その数は同数であるが、会長は株主代表が就任し投票権が2票付与される。また従業員代表に経営判断を求めることができるかなどの批判がある。執行役会は日本の取締役会と似ており、会長は最高経営責任者(CEOとCOO)の権限がある。ドイツの株式は、寄託株式議決権制度といって、株主が直接議決権を行使せず、その権利を証券会社=銀行へ寄託する制度を採っている。そのため銀行は大株主にならなくても大きな議決権を持つことができ、企業経営に支配的影響を与えることができる。また、各事業所には事業所委員会を設置し、労使双方で協議する体制ができている。企業運営には事業所委員会の方が法の効果としてはあるようだ。このような体制であるため、不況下でも従業員を解雇することは非常に難しい。解雇制限法があり、厳格に運絵されているため、実質的にクビはできない。実行するにも解雇猶予期間長くまた就労期間により期間が異なる。
 ドイツは戦争中の破壊が非常に大きかったため、資本を集中させるために企業解体が行われなかった。管財人が経営に当たっていたが、冷戦の拡大で元の所有者に返還された経緯がある。そのためドイツには同族企業が多い。従業員18万人の自動車部品メーカーボッシュ社は有限会社であり、電気メーカーシーメンス社は220人による同族企業、BMWのクバント家が51%を保有する同族企業である。そして株式公開による創業者利益より、所有者の自律性を重視するため非公開企業も多数ある。

日本的経営の特徴

日 本
 明治32年、ドイツにならった商法が導入したが、昭和25年にアメリカ型へ変革したが監査役制度は残った。
 日本の株式会社において取締役は株主総会の決議により選任される。取締役会はその構成員の中から代表取締役を選任する。取締役会は経営の意思決定をする。代表取締役は業務の執行を行い、日常的経営活動に必要な意思決定を行うとともに、外部に対して会社を代表する。また、業務の指揮、監視にあたり違法行為や過失を未然に防止する。他の取締役も経営執行に従事することができる。日本では、意思決定、業務執行、業務監視の三つの機能が混在している。執行と監視の矛盾を是正するため、監査役会を設置している。これは日本独特の制度であるが、候補者は取締役会が選び株主総会が承認するため、実質的人事権は代表取締役が握っているので、監査役の権限は虚構化しているとの指摘がある。最近ではアメリカ式の経営形態を模倣して、委員会(等)設置会社へ移行している企業が現れている。しかし、それが必ずしも高業績に結びついているとはいえない。
 労働者の立場は、戦後大きく変わった。それまで「社員」とは株主とホワイトカラーの上級管理職を指しており、その他の従業員は「工員」「職工」と呼んで差別されていた。しかし、戦後の労働運動、および経済復興時の労働者確保のために、労働者も企業構成員のメンバーの地位を確立し「社員」と呼ぶようになった。雇用に関しては、法律的にはアメリカ同様「解雇自由の原則」が民法、労働基準法で確立しているが、その適用は厳格である。解雇自由の正当性を認められた判例がなく、実質「使用不可」の状況である。よって企業は、早期退職募集など労働者へ一定の配慮を行って人員調整を行う。

企業価値観

アメリカ型 ・・ 株価重視 →  人材はそのための手段 →  成果主義   →   契約関係
結果思考の経営                                            
貢献なければクビ
                    株価上昇するなら会社売却も可
              ※TOBに対して利害関係者を考慮して拒否することは法的に可能

日本  ・・・  持続的成長  → 潰れない  ・・・・ 結果として株価の上昇
プロセス思考の経営                     
            → 人・もの・金・情報の有効活用

                 人の成長が最も重要 → 人を大事にする → 終身雇用制

 1980年代、日本経済および日本企業に大きな影響を与えたのは「バブルの崩壊」であろう。「バブルの崩壊」以後、日本経済および日本企業の業績は低迷の途を歩みだす。それ以前の1980年代、日本企業は世界の企業を圧倒するほどの強さをみせた。その強さの大きな要因として、「日本型企業システム」「日本的経営」が挙げられた。海外から賞賛される一方で、閉鎖的なシステムと非難もされた。不況を生き抜くためにアメリカ型システムへ移行する企業も出てきているが、無批判的な移行は日本的経営のよい面を抹殺してしまう。日本的経営の本質を再確認する必要がある。
 現代の日本的経営の原点は戦後から始まった。GHQによる占領政策、財閥解体と経営者追放(3600人)は、戦前の企業支配構造、経営風土を一掃するとともに、世代の若い管理職を経営者へ登用した。これはドイツでも見られない世界経済史の中でも稀有な政策であった。これにより日本では資本家のいない資本主義が実現し、専門経営者と従業員の経済的・社会的距離がほとんど消滅した、従業員中心の多元的企業概念が生じた。1990年日経のアンケートでも、社長の支持基盤として重視される主体は、従業員63%、取締役会役員18%、株主11%であった。
 日本的経営の特徴としては、企業内組合があげられる。労働者は企業の中に作られた労働組合に参加するが、そのとき職種は一切関係ない。管理職に就いている者も労働組合出身者であるため、経営者と組合の結びつきが強く労使協調関係が構築された。戦後復興のため経営者と労働者は運命共同体的存在となり、株式会社の重要なメンバーであると意識され、運命共同体の代表者たる社長が経営にあたる考えが定着した。
 バブル以後、長引く業績不振から脱却するために様々な方策が実行された。@不要資産の売却、A株式の持ち合い解消、B不良債権削減のため銀行の持ち株放出、C高齢労働者の解雇、D成果主義の導入等々、これらは日本のよき特徴@銀行によるモニタリング機能、A労使協調、B年功制を消滅させつつある。株式の持合が縮小したとはいえ、依然として旧財閥系において、当該企業の株式を関係企業が保有する量は1社当たり平均1.4%、集団内で保有する当該企業の株式は平均20%と高い数値である。この意味するところは、明確な企業支配者が存在しないことである。お互いの株式を持つことは乗っ取り防止策であって、経営に口出しをしない暗黙の合意が形成されている。よって、日本は専門経営者=委託経営者が企業を支配する構造である。(持ち株解消で、市場へ株が流出してきた。TBSも気がついたら安定株主が34%いかになっていた。楽天に漬け込まれる結果になった。王子製紙・北越製紙事件も原因は同じだろう。
※ 株式の分散が大きいアメリカでは、個人株主は経営に無関心であるため、同様なことはおこる。しかし以下で論じる機  関投資家がモニタリング活動を活発にしている。


○会社は誰のもの ・・・・ 法律的には株主
アメリカ型 ・・・・・ 株主
日本 ・・・・・・・・ 従業員のもの意識が強い。ドイツでも同様である。


○表層部分の関係性
  @ 企業と従業員との関係  → 終身雇用制、年功制(賃金と昇進)、企業内組合
   A 会社と株主との関係  → 株の持ち合い → 乗っ取り防止
   B 企業と企業との関係  → 系列 → 取引の安定 → 相互依存
   C 企業と国家・政府との関係  → 戦後復興に貢献 → 政財官癒着

深層部分の関係性
   ○ 集団主義、人間主義、和
   ○ 全人格的に企業に所属 ・・・・ 終身雇用により生涯の生活が保障される。
   ○ 日本型出世競争 ・・・・ 敗者も終身雇用で生活を保障される。

コーポレイト・ガバナンス

 20世紀に至る前の経営者は、自らの資金を提供し、自らが経営業務に従事し、負債超過の場合は個人資産で弁済する会社支配形態であった。現在でも中小企業は同様な形態である。株式会社は、株主責任が出資分に限定されるためリスクが小さく、小額の出資による投資が可能な形態である。株式会社形態を発展させたのが証券市場である。企業家は、証券市場により多数の個人投資家から、事業規模の拡大資金を集めることが可能となり資本主義の基礎が築かれた。一方、事業拡大に伴って創業者が経営することが能力的に困難になり、経営の専門家に委託するようになった。これが取締役会であり執行役である。このような形態を採用すると、企業を所有する「支配」者と、経営を執行する「経営」者が分離されることになる。経営を委託された者は、たとえ株による持分がなくても、会社の資産を運用する裁量権を行使することにより日常の経営を思うままに行うことができる。
 個人株主は小株主であり、経営に参加する意識がほとんどない。株主総会といっても、全株主が収容できる会場を用意することはない。それは経営に対する意識の現われを経営者も承知しているからである。そのため経営者は建前では、「企業の所有者は株主」すなわち個人株主を所有者として尊重するが、実態は株主支配の行使を排除し、影響を受けないようにしている。(その目的根源は乗っ取り防止策であった。企業同士による株の持ち合い、低い配当、資本金の小ささなどに象徴されている。)個人株主も企業を所有している意識はなく、株価の上昇による売却益を目的としている。

○日本的経営の問題点
A.企業の経営者は、株主総会により選出されるとされているが、実際は取締役会が提案する経営者を追認するだけである。
  よって業績を悪化させない限り、株式会社は取締役会に支配されている。取締役会を監視するため監査役会がある。しか
  し監査役は取締役会で推薦され、株主総会で追認されるだけなので、実態は社長の影響下にあるため、監査機能はまった
  く果たしていない。決算報告書に記載される監査役のコメントは「計算に問題ないし」だけである。

B.資本金の低さに関して問題が提起されている。株式会社の本来の形式は出資金により企業経営を行うことになっているが
  、現代の企業の貸借対照表では総資産と資本金の比率を見ると数%である。ほとんどは資本剰余金、利益剰余金および借
  入金で資産を構築している。本来剰余金は株主へ配当すべきものである。企業に残すのであれば無償増資により資本金へ
  繰り入れることも可能であるが、それを行わないのは株主の権力をそぎ取り経営者の裁量を保持したいからである。


○コーポレイト・ガバナンスは外部からの企業統治と一般的には解釈されている。
 株式会社は自主的に経営するものであり、自主統治、自浄能力を備えていなければならない。存続のためには、安定した業績の確保のみならず、情報公開(デスクロージャー)、透明性、保冷遵守(コンプライアンス)、製造物責任(PL)、環境保護、倫理性を確立しなければならない。アメリカにおいて業績の低迷や企業不祥事による倒産は、株主である年金基金等の機関投資家に重大な損害を与えた。そのため、機関投資家が経営者に対して監視を強化するようになった。アメリカにおける年金基金事業団は法律により、受託者責任が負わされている。信託された資産を最大化する義務がある。よって投資先を注意深く監視し、株主への不利益な経営に関しては圧力をかけることになる。経営方針、執行監視、業績報告、役員の選任と解任などに議決権を行使する。この活動の最大の機関はカリフォルニア州公的退職年金基金のカルパースである。