製作ナンバー001 オリジナルキャラ第1弾
重機動ブルセラ 『雁賀 留美』


「君さぁ、女の子の体に興味・・・ある?」
モチロンあるんだけど・・・君、メガネ掛けてないの?」
「・・・さよなら、あっち行って」
◆序論
体を洗う時・・・もとい、キャラ絵を描く時、どこから描くか?
高校3年の冬、大学の推薦入試に受かったため2〜3月の受験シーズンにヒマを持て余していた私は、高校時代の友人の影響もありマンガ絵(死語)を書き始めていた。その頃は上手く描けずによく人に聞いたものである。
(じゃあ今は上手いのかというツッコミは黙殺)
答えは人によって鼻だったり口だったり輪郭だったり・・・。結局あまり参考にならなかった。
そんな中、K士舘大の学生でプロ漫画家のアシスタントをやっている方から興味深いお話をいただいた。
曰く「フリーハンドで真円を描く練習をせよ」「原稿を斜めにせず、どの角度からでも破綻のない線を引けるようになれ」「眉、鼻、耳、口を立体的に捉えよ」「上手く描けたと思っても1日間をおくとアラが見えてくる」ect・・・。
それらは以降、私の絵描きとしての座右の銘となった。もっとも根が怠け者なのであまり役に立っていないが。

話が逸れたが今回のお題は「フィギュアの顔を作る時にどこから作るか?」である。
造形初心者として技術の向上が必要である事はもちろんだが、製作開始時のモチベーションを保ち続ける事も大きな意味を持つと思う。
以前の私はファンドの塊を見て「これに削り盛りしていけばフィギュアになるんだ」とはなかなか想像できなかった。
そのためある程度形が出るまでモチベーションが維持できずに挫折していたのである。
だが顔なりパイオツ(死語)なり「それなりに見れる部分」が1箇所でもあれば、完成形をアタマの中に描く事ができる。そしてそれに向かって努力しようという気になる。
という事で実際の作業に入る。
前述の通り、まずは顔をある程度まで作り込む事にする。
ファンド使いの方の中には1発で頬とデコの出っ張り、目の窪み、鼻筋、後頭部まで形を出す人もいるが、私の場合は経験やセンスに左右されにくい(と判断した)方法を試してみる事にしよう。
◆顔の製作【1】
まずファンドをコネコネして碁石状のパーツを作り、乾燥したらシャーペンで十字のアタリを入れて目の輪郭を書き込む。

うむ、絵描きっぽい(笑)。
この方法は「鼻を作ってから左右の目を作るより、左右の目を作ってから両者の中間部分に鼻を付けた方が対称にしやすいのでは?」という考えによるものである。
・・・書いててウルトラセブンの変身シーンを思い出してしまった。
この作業にあたって『雨の日晴の日』の製作記事を参考にさせていただいた。
使っている素材こそ違うが、資料性の高いノウハウを公開されている主催者のトーン氏に感謝である。

次に目の部分を水で濡らし、柔らかくなったらスパチュラで目の輪郭線のモールドを入れていく。

今回はその後、ハセガワトライツールの細ノミを使って眼球部分を若干、彫り込んでみた。
目の部分ができたらアゴや頭頂部にファンドを追加していき、人間の正面顔っぽい形にしていく。
輪郭を左右対称にするため、作業はグリッド付き下敷きの上で行う。
◆顔の製作【2】
正面顔の輪郭出しと同時に額と頬の盛り上げを行う。

この作業により最初に作った目の部分が「顔の一番奥まった場所」となる。
ホリの深さを考えてファンドを盛っていく。これで横顔の印象が決まるので横からのチェックも入念に行う。
覚書
今回は持ち手を付けずに作業を行ったのだが、少しでも濡れた手でパーツを保持すると表面がベタついてしまう。
このため首の位置に持ち手を付け後頭部を盛りつけた。
持ち手を付けるのはもっと早い行程でやるようにしよう。
◆顔の製作【3】
後頭部が乾いたら軽く表面をならして鼻を付ける。

鼻は単体で存在するのではなく眉間から伸びる鼻筋と唇までの一部分として捉える。
鼻筋のラインを丸くするか鋭角的にするかは人それぞれ。
◆顔の製作【4】
元のファンド塊が碁石状なので、眼球も緩やかな球形になった。
以前『brilliant cut』の5カラット氏より「眼球は平面より球形の方が良い」というのを教わったため、結果オーライと言ったところか。
確かに球形は眼球の方がいろんな角度から見た時に絵になりやすい。江ノ島神社の八方睨みの亀みたいなモンだろうか。
・・・いや、多分違うと思う。


ここまで作って気付いたのだが、何と眼球が奥まりすぎているではないか。
参考となるキットをそばに置いてやれば良かったのだがすっかり忘れていた。
ソフビの『センチメン以下略』で湊川あまは氏が原型を手がけたフィギュアがあったので引っ張り出して比べてみる。
(2体入りセットを1箱500円で売ってたので、塗装練習用に買ってきたのだ。当然12人揃えてある。中には2セット買ったのもあるんだりゅん)
そんな事を言ってる場合ではない。やはりホリが深すぎた。
目の部分を埋め立てて平面っぽくしなければなるまい。

覚書
最初にファンドの塊を作る時「スプーンに盛る」というのはどうだろうか?
100円ショップで計量スプーンやらティースプーンを買ってきて、細い針金をタテに接着する。
その上にファンドを盛って顔の下地を作れば針金の跡が顔の中心線になってくれる。
スプーンならサイズは色々だし、適度にカーブしてるし、簡単に左右対称にできるし・・・今度試してみよう。うひょ
◆体の製作【1】
顔の製作で躓いた現実から逃避するため、体の方を集中的に作り始める。
最初は新作で作ろうと思ったのだが、ちょうど顔のサイズに合う作りかけの骨組みがあったもので流用する。

かつて水着の女の子として作り始めていたもので、仕事が忙しくなってそのまま放置していたものである。
これにペタペタと肉付けをしていく。
山田風太郎著『江戸忍法帳』の「忍法肉鎧」といった所であろうか。

しかしその内、いったん分割しないとこれ以上作業できない事に気付いた。
複製するにせよワンオフにせよ、分割については全くの素人である・・・いや、他の事もだが。
そこで考えたのだが、上半身を半袖セーラー、下半身をスッポンポンにすれば胴体とソデ口をブッタ切るだけで済む。
かくして「水着娘」は総統命令1919号により「セーラー半脱ぎ娘」としての製作を続行する事が決定されたのである。
(誰だ、セーラー服反逆同盟とか言ってるのは・・・・あ、俺か)
これを安直とは言わない。完成させるためにはニーソックスでも何でもやる。
・・・いや、別にニーソが嫌いなわけではない。むしろ大好きである・・・そんな目で俺を見るな。
◆体の製作【2】
パーツの分割はタミヤのノコギリで行った。アルミ線の部分は細いとは言えちょっと面倒。
後の事を考えて断面にアルミ線が顔を出さないよう、できるだけ引き抜くかカットするよう注意しよう。
それから両足が同じような形ってのもアレなので、右足を正座っぽく修正する。
重心も右に移るだろうか。そうなると体の角度にも影響が出るかも知れない。

ニッパーで彼女の足の付け根(艶めかしい言い方で赤面してしまう)から切断し、ヒザの部分も切断。思い切りが肝心である。
アルミ線を引き抜き、モモのふくらはぎと干渉する部分を削り込む。然る後にヒザ部分を接着した。

今のところハイソ(上流階級ではなくハイソックスの略)の予定だが、場合によっては前述の通りニーソになるかも知れない。
いずれにしても、つま先は気合いを入れて作る。
聞いた話だが世の中には「トゥフェチ」と呼ばれる人がいるらしい。
何でもアミタイツとかが好きな「足フェチ」とは微妙に違うらしく、裸足のつま先や足指の形が判るソックスとか、そういった物に固執するとの事である。
私も将来イベントデヴューを目論む者として、こういったユーザー層をおろそかにはできない。
つま先の造形には充分こだわろう。
別に好きでつま先にこだわっている訳ではない。本当だ。
◆体の製作【3】
上半身にセーラー服を盛りつけていく内に、横から見た時のバランスがおかしいような気がしてきた。
前屈みの姿勢なのでセーラーは背中にフィットし、逆に前側は私の頭が入るくらいダブダブになるはずなのだが・・・。
こらこら、そこで引かないように。

参考資料として、以前3体1000円で購入した『ときめ以下略』のキットを持ち出す。
このキット、片足が太モモの途中から分割されてるなどやや時代を感じさせるのだが、上半身はセーラーで下半身がパンツ一丁となっており、今回の資料としては最適なのである。
とりあえず水泳娘を仮組みしてみる。
当然のことながらスカートは無しだ。あってたまるものか。
「へぇ〜女の子ってこんな風になってるんだぁ」などと言いながら小一時間観察した結果、セーラーの裾が地面と平行になっている事に気付いた。
私のフィギュアは前屈みなのだから裾も前側に傾くはずなので早速修正。

右が修正後。この修正により以前より背中が見えるようになる。良い事である。
水泳娘のキットは家族に見つからないよう、ツールボックスに隠・・・じゃなくて、しまう。
インドア趣味の持ち主としてはこの辺の気配りも大切である。
◆体の製作【4】
セーラーの前側を作るに先走・・・じゃなくて先立ち、とりあえずラインの目安となるよう胸を付ける。
胸、すなわちおっぱいである。
前屈みの姿勢なのであまり強調される訳ではないが、ダブダブの服で胸のラインが判るというのは良いモノである。
♪盛って〜盛って〜盛〜り付〜け〜てぇ〜(怪傑ズバット)。
でも胸の先っぽは付けない。
ご不満の方もおられると思うが、濡れシャツならともかくセーラーの上から先っぽの形が判るというのも不自然な気がするからだ。
それにわざわざ先っぽを付けなくても、少し下にもっと良いものが・・・いや、止めよう。

一応胸の形になったのでZライトで強制乾燥する。
胸がライトの熱でジリジリ加熱されていく様を見ると、以前ビデオで見た『不良番長 口からでまかせ』を思い出す。
主人公と対立する町の愚連隊「ジャンボ団」(笑)が主人公の情婦(だったかな?)を縛り上げ、ガスバーナーをちらつかせながらこう言うのだ。
「おっぱい丸焼きじゃ〜!!」
低俗・俗悪映画と言われる由縁である。ビバ70年代。
トルコがトルコであった時代の映画である。判らない人はお父さんに聞こう。

そうこうしている内におっぱいが程良く焼き上がったので、まだ暖かい内にセーラーを盛りつけていく。
私を変態だと思ってるだろう。
◆体の製作【5】
♪せぇ〜らぁ〜服を〜脱〜が〜さ〜ないでぇ〜
おニャン娘倶楽部である。夕焼けニャンニャンである。・・・脱がせてどーすると言うのだ。
この娘の製作記は久々の更新なので少々ハイになっている。
いつもハイな訳では無い。

さて、『第1次セーラー盛り』が概ね終了。
後でカラーの大きさ調整とシワを整えて袖の部分も付けよう。
セーラー盛りと言ってもセーラー服の女子○生に刺身を盛る訳ではない。
「それじゃあボクは〜この大トロを貰おっちゃおうかなぁ〜 お〜っとこんな所にイクラが一粒」なんて。
あぁ、やってみたい。
贅沢は言わない。セーラーしゃぶしゃぶでもOKだ。
セーラーしゃぶしゃぶと言ってもセーラー服の以下略。
あぁ、やってみたい。

※ここでいう『大トロ』については山上たつひこ著「がきデカ」を見ていないと判らないのだが、ご存じない方は文脈から類推していただきたい。
いずれにしても非常に下品なネタであるため、これ以上の解説は差し控えたいと思う。


さて今回のセーラー服は半袖である。白である。夏服である。ソックスの色は未定だが。
さしずめ「常夏娘」といった所だろうか・・・言ってて恥ずかしいが。
色々妄想が膨らみ次のステップに進む原動力となる。
是即ち『妄想パワー』である。
ここで矢口と吉澤が「妄想パワー?」と合いの手を入れてくれると最高なのだが。もちろん飯田でもOKだ。
「は〜いそれでは妄想パワーを使って、このヤカンを持ち上げてみま〜す」
おかしいなぁ・・・10年前は出来たんだけど。
モ娘好きの方、大変申し訳ない。

いかんいかん、危うく画像を入れ忘れる所だった。
下半身のボリューム不足が露呈したので、そっちの修正も必要だな・・・。
続く