製作ナンバー002 オリジナルキャラ第2弾
重機動ロリ 『雁賀 李美』


「お兄ちゃ〜ん、気持ちいいよぉ」
「どぉーれ、お兄ちゃんも気持ちよくして貰お〜かぃ(若本調)」
「・・・お兄ちゃん、変だよ」
◆序論
女の子のカラダは不思議でいっぱいである。
だってあんな大きな・・・いや、いい。
前にも書いたが、過去に私が自作フィギュア製作を何度か挫折した原因の多くは「ホントに完成するんだろうか?」という疑念を持ちつつ先が見えない作業を続ける内にモチベーションが下がって、結局投げ出してしまうというものだった。
そーいえば『L誌』では原型製作についての記事は載せないのだろうか?
ともかく今回は001とは方向性を変えて「短期間で見れる形にする」事を目指して製作する。
電撃戦、ブリッツクリークである。
製作に先立ち『煩悩亭』のK氏より「単なる棒ではなく胸骨や尾骨を模したパーツで骨組みを作った方が完成時のイメージを掴みやすい」という助言をいただいた。
K氏の情報に感謝しつつ、計画を立てる。

001と比べ、骨組みとなるパーツのカサが増えた分最初の乾燥時間は増えるが、逆にその後の盛りつけに必要な時間は節約できるだろう。
何より乳や尻を早い時期に形にして、完成状態を妄想もとい、想像できるというメリットは大きなものである。
以前は少しづつ盛って乾燥させていたのだが、今回は嬌声・・・じゃなかった、強制乾燥を行いつつガンガン盛っていく。
購入したものの、その破壊的な熱量のため蛍光灯のスタンドに取って代わられていたZライトの出番である。
ダイソーで購入したまな板の上にアルミホイルを敷き、その上にパーツを乗せて焼く。焼く。焼く。
実験では結構イイ感じである。
思った事
今まで様々なサイトの製作記時を見たり直接お話を伺ったりして、原型製作だけでなくキットの製作方法についても色々勉強させていただいた。
例えば「インダストリアルクレイからのポリパテ変換」「経年変化による接合面のヒビ割れとその対策」「練り消しゴムを使ったマスキング」など役に立つノウハウを教えていただき、大変感謝している。
しかるに昨今のガレキ雑誌では「気泡の少ない最新キットをサフレスで塗る」という記事ばかりでちょっと食傷気味だ。
その内ユーザーは造りやすいメーカー品しか買わなくなるんではなかろうか?
そんなにサフレスが良いものなら90年代のボーメ氏作品(素肌の太モモから豪快に分割されてるようなヤツ)をサフレスで作って見せる位の気概を見せて欲しいものである。
創刊当初に連載されていたあげた氏のノウハウ記事の方が参考になると思うのは私だけではないと思うのだが・・・。
◆体の製作【1】
今回の「短期決戦」計画のためにデザインしたキャラがコレ。

作業効率を考えシンプルな立ちポーズとした。若干ロリが入っているが私の趣味なので気にしないように。
サイズはやや小さめで1/8〜1/10といった所か。
下絵を透明なリーフレットに挟んで(下敷きでも良いのだが)、その上で同サイズになるようファンドをコネコネする。
ボディ部分は1パーツ。最初の作業で正面から見たボディラインがある程度判別できる形にまで持っていく。

乾燥途中で背中と地面の間にシャーペンでも差し込んで、体の反りをつけるとしよう。
女の子の部分(笑)はあらかじめハイレグ水着のビキニラインのような形にし、太股部分も最初から完成状態に近い太さにしておく。

製作にあたり『まぐろはうす』さんのHPに掲載されている製作日誌を参考にさせていただいた。
ファンドを使った原型製作の他、分割面の処理から複製まで有用な情報を公開されているHP管理人の古田ロボ氏に感謝である。
体の製作【2】
さて乾燥後のパーツの接合だが、骨組みを作ってポーズを取らせる方法だと接合部にアルミ線を埋め込む必要がある。
ポリパテ造形の場合、アルミを埋め込むのを嫌う人はポリパテと瞬着を混ぜてパーツ同士を接着したりしているようだ。
どうしよう。ゼリー状瞬着でも使うか?
いや、軽くでも固定できれば、後は緩めのファンドを接合部に盛って固定できるからパーツ同士の結合もファンドで行うとしよう。
少量のファンドを接合部に塗ってパーツを接合し、手に持って固定したままZライトにかざす。
・・・手が熱い。汗を拭いたい、鼻の頭が痒い。蚊が飛んでる。CDが終わってしまった。
などと思っている内にどうにか乾燥した。
そしたら自立するにようつま先を付けて再度強制乾燥する。先にトイレに行っておこう。
後は損害を恐れず突き進む。細かい修正は後回しである。
体の製作【3】
ポーズに合わせて胴体パーツから首とから腕の接合部を伸ばしておいたのが効を奏したようで、肩の筋肉と鎖骨、大胸筋の位置関係が何となく見えてきた。
「見える、見えるぞ」
細い骨組みに盛りつけながら造った001よりこちらの方が性に合っているようだ。
同様に骨組み状態から太モモを太く作っておいたお陰で、1回目の盛りつけで腰骨とお尻の形を出すことができた。

顔の製作【1】
顔の造形に入る。
体と同様、元絵に合わせて顔の輪郭を作る。
今回は001の失敗を繰り返さないよう眼球の彫り込みはオミットし、頬や額に盛りつけるファンドも厚塗りにならないよう心がけた。
前回と比べるとロリっぽいキャラなので『我道軒』のマイウェイ氏の作品を参考にさせていただく。
・・・あまりロリロリ言って氏の機嫌を損ねぬよう気を付けよう。
体の製作【4】
当然のことながら、いわゆるアニメ頭身&アニメ顔のキャラは必ずしも現実の女性と同じではない。
例えば毛が生え・・・じゃなくて、足が長いとか頭身が高いとかである。
従ってリアルタイプのフィギュアでも無い限り「現実の女性と違う」というだけの理由でNGにはならない。
とは言え、骨格やら人物デッサンを勉強する必要が無い、という訳ではない。
かく言う私も大学で美術部に所属していたはずなのだが、マトモに人物デッサンをやった事は無い。
そこで美少女フィギュアの製作に役立ちそうな資料をピックアップしてみた。

『アニメーション技法』 湖川友謙著・創芸社刊
『はじめての人物画レッスン帳』
増井孝洋著・MdN刊
『女性の描き方』
岩崎宏著・MdN刊
『からだの描き方』 
マンガ技法研究会編・グラフィック社刊
『ファッションイラストレーション』 
熊谷小次郎著・グラフィック社刊

とまぁ、こんな所であろうか。
持ってる本、昔読んだ本、貰った本、図書館で買ってもらった(笑)本など様々である。
「首をひねった時のシワは女性を描く場合には省略した方が美しい」みたいな、普通の美術書には書いていない事が載ってて面白い。
手とか足の描き方についても判りやすい説明が載ってるし。
今回参考にしたのは右手を挙げた際の右パイ(笑)の位置、ヒザ〜足首までのライン、肩胛骨である。
リアルっぽくなりすぎないよう、適当に情報を間引きして省略すべき所は省略しよう。
こう見えても間引きは得意なのだ。昨晩もビデオを見ながら数億匹の・・・いや、何でもない。


ちなみにネット上では「快描教室」という本を薦めている人も多いのだが、私は読んだ事無いのでノーコメント。
しかし鍋島の猫騒動みたいなタイトルだな。
・・・ソレは「怪猫」だ。誰か突っ込んでくれ。
体の製作【5】
掲示板にて『我道軒』のマイウェイ氏より「手は先に作った方がバランスを取りやすい」というご指摘をいただいた。早速のご意見に感謝である。
・・・とか言いながら、実は手の事をすっかり忘れていた。

問題は手であり手が問題なのである。
毛ではない、字面が似ているが間違えぬように。
そもそもこの娘の場合は毛はまだ・・・えぇい、そんなコトを言ってる場合ではない。
針金を芯にして指を造るか、それとも塊から削り出すか?
素材はファンドをか、それともエポパテか? 考え出すと頭が痛い。

ええと、よく考えてみよう。
右手は開いて左手は握っている。コレは間違いない。
それでは右手は指を揃えて陽光を遮っているのか? それとも手のひらを太陽に♪かざしているのか?
前者なら指は揃っているし、後者なら指と指の間が開いている。
・・・う〜ん、開いてる方が見栄えはイイだろうなぁ。工作はメンドそうだけど。
とりあえず完成状態の頭を首に乗っけるまで保留にしよう。後は現場の判断というヤツだ。
赤垣玄播ではない。いや、子供の頃『笛吹童子』が好きだったのだ。
・・・という訳でマイウェイ殿、更に先送りになりました。
面目ない(^_^;)。
顔の製作【2】
今回左目はウインクして閉じている。
閉じた瞼は後でエポパテか溶きパテで再現するとして今のところディテールは施さない。
上まぶたや眉毛はディテール付けた方が良いのか、このスケールだと微妙だなぁ・・・。
口はシャーペンでアタリを付けて、ハセガワトライツールの細ノミで彫り込む。
ちなみに最初に頭のベースを造る時にファンドのコネが甘かったり盛りつける時にテキトーやってると、頭の内部に「す」が入る事がある。
そうすると彫り込んでいる最中ポッカリ空洞が現れたりするので注意が必要だ。
そんな時は慌てず騒がず、軽い冗談でも言いながら緩めのファンドで穴を埋めていくとしよう。
「いや〜ん、空気が入っちゃう〜」
・・・いや、そうでも言ってないと退屈なのだ。
唇はとりあえず保留としよう。このスケールの開き口だったら必要ないかも知れない。
ついでに耳の基部をつけてみた。デカいな・・・少し削ろう。
あと口の中のディテールはどうしよう。
あげた氏や宮川氏あたりの作品が参考になるやならざるや、と言った所である。


開口作業に失敗すると『口裂け女』状態になってしまうのだが、今回は何とか事無きを得た。
口裂け女は1970年代末頃に全国で猛威を振るった都市伝説である。
学校で普段はツンケン(死語)している女の子が、夕方暗くなると「途中まで一緒に帰ろう」などと言ってきて、私も悪い気はしなかったものである。
そう言えば今年の夏頃、初めて「ツンデレ」という言葉を知った。
何せロープレはFFX、ギャルゲーはTLS、エロゲーは痕で時間が止まっているので最近のゲームは良く解らん。SLGとアクション系はそれなりに遊んでるのだが。
R−TYPEとかグラディウスとか・・・年寄りって言うな。
まぁ、おかげでイベントで無駄遣いせずに済んでいるわけだ。
アニメはプリ・・・いや、秘密だ。
◆顔の製作【3】
大胸・・・じゃなかった、概ね耳の位置が決まったので髪の毛を造ろう。
やっぱイメージイラスト通りショートカット+プールキャップが適当であろうか。
プールキャップの資料を探してみよう。
えーと、C誌やW誌ではプールキャップってのは無いんだよな〜。
だいいちモデルの年齢も高すぎてつまらん。
編集の奴ら、販売部数に胡座をかいて大事なことを何も判っちゃいないんだ。
(注:現在はモデルの年齢制限があるのでこの批判は適切ではない)
止むを得ん、我が家の『ひみつ資料』を探してみよう。
年頃の男の子ならひみつ資料の一つや二つ持っていて当然である。
♪絞って〜ボクのレモンを〜貴女の〜好きなだけ〜(byスネークマンショー)
などと歌っている間に・・・見つかった。プールキャップの写真もチリバツ(死語)だ。
年齢も○学○年〜×学×年くらいであろうか。今回の資料としてはもってこいである。
本コーナーにしては珍しく伏せ字であるあたりがひみつ資料だ。コレを家族に見られるわけにはいかない。
私に万一の事があった時は内密に処分するよう弟に頼んでいるあたり、やはりひみつ資料なのだ。

それはまぁそれとして
プールキャップ仕様にするため、耳を大まかに削り込む。デザインナイフNTドレッサーが大活躍。
会社に瓶詰めファンドとスパチュラを持って行き、昼休みに細々とした修正を行う。
以前『煩悩亭』のK氏より「会社でのお絵描き」についてご質問をいただいたが、要はお絵描きだろうがフィギュアだろうが他人の目に付かなければOKなのである。といっても仕事中にはやらないが(笑)。
日中、太陽光の下での作業は心地よいものである。
ポリパテはニオイがキツいのでこうは行くまい。
・・・ウソです、ポリパテ派の人ゴメンナサイ。

髪をちょこっと出そうと思い、デコとこめかみ辺りに少量のファンドを盛りつけソレっぽく形を出す。
一体成形バンザイ。


後は揉み上げ・・・じゃなかった、もみ上げも付ける。
もう少し進んだら胴体パーツとの接合部を確認しながら後頭部〜うなじを作り、然る後にプールキャップを盛りつけていくとしよう。
思った事
『宇宙戦艦ヤマト』のデフォルメモデルをご存じだろうか。
「斜め前から見た時にアニメと同じに見えるよう、艦種が肥大化したキット」である。
例えるならザイダベック号。 知らない人は・・・えーと、困ったなぁ(汗)。
キットが発売された当時、私は「何だコレ、横から見たらスゲーカッコわりーじゃん(横須賀弁)と言って見向きもしなかった。
(キットは確か展示スタンドに背景ボードが付いてて、後ろからは見えない仕様だったように思うのだが)

しかし大人になった(笑)今にして思えばパースのついた絵を立体化するための苦心の跡が見て取れるキットであった。
京都の寺なんか「庭を眺める時はこの位置に座れ」とかエラソーな事言ってるし、WWFのプロレスラーである≪マッチョマン≫ランディ・サベージは右腕が太く見える角度からしか写真を撮らせないという。
どんな角度から見ても破綻のない立体というのは理想だが、残念な事に絵はウソをつく。
全く破綻させずに造るってのはどこかに無理がかかるのではないだろうか。特に髪型とか。
・・・う〜ん、顔が左右対称にならない事の言い訳にはならぬか(A^_^;)。
◆事件
「兄貴の考えは間違っている」
事の発端は前髪の盛りつけ中に弟を呼び、感想を聞いた時の事だった。
弟の意見を要約すると
『C誌やW誌でプールキャップが出てこないのはモデルの年齢層だけでなくプールキャップの需要自体が少ないからではないか。もしそうだとしたらフィギュアにプールキャップをかぶらせる事自体、一般受けという観点から見るとマイナスに他ならない』
という事である。

ふむぅ・・・。
確かに、弟の言うことにも一理ある。
もしプールキャップの需要が少ないとしたら・・・。
ゲームキャラや有名作家のイラストを立体化するならともかく、オリジナルのキャラでプールキャップというのはユーザーを限定してしまう事になる。
例え自分では満足できる出来であっても売れ・・・もとい、見てもらえなければ意味がない。
果たして本当ににプールキャップはマイナーなのだろうか?
かつて世のオタクを2分した『ユリ&ケイ論争』が思い出される。
いや別に『ラン&ソネット論争』でも良いのだが。

しかし弱ったなぁ、何かこのまま進めるのが怖くなってきた。
試しにYahoo!で『スク水』『プールキャップ』等の単語を入れて検索してみよう。
・・・・・・・・
・・・・・
・・・
結果は惨憺たるものであった。
『プールキャップ』で検索したらプールキャップ好きのサイトが多数引っかかると思っていたのだが全然ダメダメ。
嗚呼。世の人々にとってはプールキャップは興味の対象とはなり得ないのか!?

でも今から髪の毛アリにして大丈夫だろうか?
体とのバランスが崩れて二刀流怪獣ギラギンド(byスペクトルマン)やブラックホース(by人造人間キカイダー)みたいになるのはゴメンだ。

・・・結論は先送り。

◆顔の製作【4】
我が盟友、『みたらし団GO!!』の雅舞罹−L氏より助言をいただき、作業の進捗を妨げていたプールキャップ問題に終止符が打たれた。
流石は我が竹馬の友、かつて極寒あるいは熱波の東銀座−晴海間を共に行軍した間柄である。
この場を借りてお礼を申し上げたい。
そう、優先されるべきは我が理想。時代はその後についてくるのだ。
大事なのは『己の為すべきを為す』である。

早速、頭部に軽くヤスリがけしてキャップを盛りつける。

第1次盛りつけ終了。
縫い目の部分で少々角張ったイメージが良いかも知れない。
後はキャップのゴム部分のピッチリ感を再現できれば良いのだが・・・。
いずれ髪との境界部を全体的に削り込むとしよう。

『己の為すべき〜』のくだりで『奥さんど〜だいこのナス』から始まる一連のネタが浮かんだのだが、此処を見ているのは男性ばかりではない事が判明したので今回はそーゆーのはナシ。次回に持ち越しである。
誤解されている方が多いようだが私はナイーブなのだ。
ウに濁点を付ける程ではないが。
WHF後記
去る12月12日、WHF有明11が開催された。
いつものように『brilliant cut』『我道軒』『煩悩亭』『大A帝国紙工作部』の皆さんと楽しい時間を過ごすことができた。
どれくらい楽しいかと言うと
「人生で二番目」位であろうか。
一番は何かという質問にはお答え出来かねる。プライベートな問題なのだ。
それにしてもガレキイベントにはそれなりに(笑)前から行っていたのだが、自作に足を突っ込んでからは参加ディーラーの方に質問させていただく機会が増えたとつくづく感じる。
コミケとかの同人誌イベントではデザインやストーリーについて作家さんと話す事はあっても、Howtoについて話す事はあまり無かった。
それに比べて立体物は素材から制作方法、塗装方法まで十人十色という世界だ。
話を聞けば聞いただけ発見があるというのが面白い。

あと今回の一番の収穫は、製作途中の原型が見れた事である。
特に各パーツにアルミ棒を仕込んでいるため、時々組み上げて全体のバランス確認ができるように造られているのが良く判った。
あちこちのHPで公開されている製作記事を見てもそこまで初心者向けの解説は無いからなぁ。
よし、早速各パーツを組めるよう処置しよう。
ドリル、ドリル、ドリルは何処じゃ。
◆体の製作【6】
皆ぁ〜なさんお待ちかね〜・・・でもないか。体の製作である。
ここしばらく顔の製作ばっかりだったので、此処をご覧の方の中に「体の方はどーなってるのかなぁ〜? 胸は大きくなったかなぁ〜?」などと考えている人がいるかも知れない。
そうだ、きっといる。

・・・話が進まないな。閑話休題だ。
作業の効率化を図るため分割を行う。
まずはデザインナイフを使って左腕をスク水の肩のラインから分割しよう。
うむ、概ねキレイに切れた。
『断じて行えば鬼娘も裂けちゃう〜』の格言通りだっちゃ。版元がヤバいので一人ツッコミは無し。
てゆーかツッコミを入れる事を禁ず(byうしおととら)。

さてここで、WHFの教訓により仮組みの重要性を再認識した私は李美たんに対し果敢なるドリル攻撃を敢行。
「ドリル!ドリル!ドリルゥ〜スペシャル〜!!」(byギルティ・ギア)
30分余にわたる苦闘の末、14p程の小さな身体に直径2oのアルミ棒が2本も入るようにしてやったのだ。うはははは。
その作業風景はここでは載せないので各自ご想像いただきたい。
・・・あ、正しくは「ピンバイス」ね。

○学生のクセに46時中、2本も入れっぱなしである。
こんな女に誰がした・・・あ、俺か。

現在手のひらは別作業となっているが、さっさと仮組みして腕の長さだけでも確定したいものだ。
脚の分割については考慮中。
分割するとなると片脚だけを付け根から切断する事になるだろうが、どの時点で分割すれば良いのだろうか?
とりあえず現時点で自立しているので保留とし、太モモの内側を整形するあたりで必要に応じて分割しよう。

脚の分割で思い出したのだが、PS2の『侍』というゲームで、町娘(ヒロイン)が牛裂きにされる所を助けるというイベントがあった。
あの頃の私は「時間内に敵をやっつけないとホントに裂けちゃうのかなぁ」と思い、ドキドキしながら敵を倒さずに逃げ回ったものだ。
但し、30分を過ぎたあたりで空しくなって止めた。無駄な時間の使い方とはこういうのを言うのである。
あと牛裂きといえば何と言っても永井豪の『イヤハヤ南友』であろう。
子供の頃、アレを見ながら家の柱に・・・話を戻そう。

分割により邪魔な左腕が無くなったので、今まで作業できなかったお尻のラインを仕上げる事にする。

画像では判りにくいが、削るべき箇所と盛るべき箇所にアタリが付けてあるのだ。

暫く作業できなかったウサを晴らすべく、ここはひとつ景気のいい歌でも歌いながら作業を進めよう。
「♪お尻〜お尻〜お尻を磨け〜、 いいぞ〜いいぞ〜ツルツルだ〜」(by鉄人28号・正太郎マーチ)
程良く酒も入り、ノリの良い歌舞音曲に作業もはかどろういうものだ。
リン・ミンメイもビックリである。

ここで一つ思う事があり、作業が一時停滞した。
スク水にするという事は、このお尻のワレメを塞がなくてはならないという事だ。
手前ミソながら、ここまで出来たワレメを塞ぐ塞ぐのは勿体なくはないか?
スッポンポンで造っても良いのではないか?
しかしそれは一時の気の迷いであった。
第一、プールキャップにスッポンポンというのは美しくない。美学に反する。
それに今まで応援して下さった皆さんに顔向けができぬ。
それでは私の男が立たん!(byアバデデ・グリマデ)

・・・という事で自己完結。
決意が揺らがぬよう、スク水のクイコミを削り込んでおこう。
もし万一気持ちが揺らぐ事があっても、このクイコミを見れば道を誤る事はない。
水着のシワは、適当な市販キットでも参考に盛りつけるとしよう。
何か丁度良い資料は・・・と、
『とき以下略』の運動部マネージャー水着バージョンがあった。
ワンピースだしスケールも概ね同程度なので参考に・・・あ、忘れてた。
水着削ったんだっけ。・・・まぁいいや(汗)。

今度は『前の部分』にもファンドをモリモリっと・・・あ、盛り過ぎた。
いくら盛りが良いのが好きといっても、これはヤリスギだ。まるであるハズの無いモノが入ってるように見えてしまう。
止むを得ん、少し削ろう。
「♪前も〜前も〜ツルツルだ〜」
・・・変な勘ぐりは止めていただこう。原型はツルツルでスベスベの方が良いに決まっているのだ。
時節柄、こういうネタは避けた方が良いのだろうか・・・。

注釈

此処での他ディーラーさんの呼び方であるが、ディーラー名と個人名を併記する場合には
『○○工房の××氏』、ディーラー名のみを書く場合には『○○工房さん』という記述で統一している。
このためディーラー名に「さん付け」する場合とそうでない場合が発生するが、上記の基準によるものなのでご了承いただきたい。
些末な事かもしれないが私は生来、真面目なのだ。
ウソではない。
ご近所でもよく「真面目な人ほど」とか「真面目な人に限って」とか言われている。

さて、ここいらで本格的にイベントに参加するための「型抜き&量産を前提としたフィギュア原型」の企画がスタートする。
身内でもごく一部しか知らないその名は・・・今は『人妻』である事だけ明かしておこう。
名前を言うとバレバレなのだ。
◆体の製作【7】
足を造る。足だ。
私事で申し訳ないが、あれは中学2年の修学旅行だった。
私の行ってた中学は学年14クラスのマンモス校だったため学年揃っての旅行ができず、時間差で旅行に行ったものだ。
行き先は木曽・馬込。ここではホテルではなく1クラスごとに民宿1軒を借り切って泊まっていた。
そして、その晩私は見たのだ。
夜のレクレーションに遅れてきた一人のクラスメートを。
彼女は風呂上がりで学校指定のジャージを着ていた。そして素足だった。
プールの授業は男女別なので、この時初めて間近で見たクラスメートの素足。
それはいつも見慣れた父親のゴツくて毛深い足とは違い(父さんゴメン)、母親の外反母趾で踵が角質化した足とも違った(母さんゴメン)。
手の中に収まるくらい小さくて白くて、指先と踵に少し朱がさしている足。甲に血管が浮き出てない(ここ重要)スベスベの足。
純朴だった私は・・・まぁ色々と困ったものだ。
なお彼女はトレードマークである三つ編みも解いていたのだが、それはまた別のお話である。

ちなみに私の次のデカルチャー(もはや死語)は、それから4年ほど後に行った高校の卒業遠足。
いつも足首までの短いソックス(当時はルーズソックスなど無かったのだ)だったクラスメートがスススス、ストッキングを履いてきた時の事である。
何を動転しているのだ、俺。

話をガレキに戻そう。
私が影響を受けたガレキの素足と言えば、あげたゆきお氏が手がけた『ビーナスの誕生』(発売元リミックス)が最右翼である。
片脚体重でもう一方の脚はヒザを軽く曲げて親指側を接地している。このため1/8スケールでありながら小指だけが微妙に分かれているのだ。
これはエッチだ。あまりにもエッチだ。エッチ時空発生だ。
・・・何が3倍になるんだか。宇宙刑事知らない人には申し訳ない。
当時はアダルトフィギュアと言うと『サ○エさん』のように指が尖ったものばかりだった時代である。
原型自作など思いもよらなかった私でさえ、あげた氏の高い工作技術とツボを心得た造型センスに感銘を受けたものだ。
ちなみに言うと、この『ビーナスの誕生』は我が人生における「スジ入りフィギュア初体験」でもあった。と、軽く触れておこう。
更にちなみに言うと、「スジ入り漫画初体験」が阿乱レイ氏の『いつまでもどこまでも』であった事も付け加えておこう。
初版本なのでバッチリだ。いろいろと。

・・・いつもながら前置きが長くて申し訳ない。
自立させるため足先は既にソレっぽい形にはなっていたので、まず適切なサイズになるまで周囲を削っていく。
重心が両足均等な点は私のような初心者向けとしては丁度良かろう。
以前述べた資料を見ながら足を構成する各部品の位置関係を考えつつ、リアルになりすぎない程度に造っていく。
くるぶしの位置なんかは適宜、シャーペンでアタリを描き込んでおくと作業しやすいだろう。

足の裏のディテールは立ちポーズなのでオミットし、土踏まずを軽く削り込む位にとどめておく事にした。
致し方ない。このパッションは留美姉さんを造る時に思う存分ぶつけるとしよう。
思う存分、だ。

夏場に通勤電車の中で観察したサンダル娘のつま先が記憶から消えない内にキリキリ作業を進める。
しかし一つ二つの事象だけで、人を簡単にトゥフェチなどと決めつけてはいけないのだ。

初期状態である。
一応自立するようになってるので、多少は作業も楽である。



そんなこんなで、あちこち削り盛りした状態。
小指の付け根のシワというか凹みは必要であろう。
写真では判り難いが、くるぶしも付けてある。
◆体の製作【8】
手を造る。手だ。
足と同様、いやそれ以上にセンスの要る仕事である。
色々な資料を見る。人様が造ったフィギュアも見る。当然自分の手も見る。
人の手も見る。
「母さ〜ん、ちょっとこんなポーズを・・・」いや、恥ずかしいので止めよう。
そして作業の指針となる絵を描いてみる。こんなだ。

原型と元イラストを見ながら手のサイズを決め、薄く伸ばしたファンド板からベースとなる『指を除いた手のひらの部分』を切り出す。
原寸サイズの2面図(っぽいイラスト)を描いておくと、こういう時に便利だ。

赤い線が可動部。
可動部には切り込みを入れて適当な角度に曲げ、図のような手となる事を目指す。

前回の轍を踏まぬよう、あらかじめ手のベースにファンド棒を取り付けて作業用の持ち手とする。
こんな事もあろうかと、持ち手専用のファンド棒を造っておいたのだ。
「俺様のファンド棒はどうよ?瞬着を使うまでもないわ」
・・・などと言い終わらぬ内にサクッと強制乾燥終了。
ファンドはこの辺の取り回しがラクチンなので好きだ。

丁度WHFで『Brilliant Cut』の5カラット氏より「糸鉛で指の芯を造ってパテを盛っていく」というテクを教えていただいた。多謝、多謝。
確かに鉛なら真鍮やアルミより簡単に切削できる。
早速釣り具の上州屋で0.5oの糸鉛を買ってきて、右手のベースに瞬着で固定する。
ウチの李美たんはまだ子供なので0.5oくらいが丁度良かろう。言葉通りの意味だ。
相手は鉛、固定さえしてしまえば後はやりたい放題,し放題である。

左が糸鉛を接着した状態、右が指を盛りつけた状態

右手は開手だが左手は握手なので、最初から握った状態に盛りつけて削りで指の形を出していく。

強度が弱い場合はエポパテで作り直すかも知れないが、今はファンド造形一直線。
『引かぬ媚びぬ省みぬ』の精神で(by聖帝サウザー)今日もファンドをコネるのだ。
・・・指が6本あったらヤだなぁ。
原先生ゴメンナサイ。
続く