法話 感謝
感謝とは因(原因)を知る心のこと 日蓮聖人の教え
日蓮上人は「感謝」と言う言葉を”恩”のことばで説いていらっしゃいます。”恩”は因(原因)を知る心のことで、現在の私達が日々無難に暮らせるのは色々な原因が寄り集まってのことです。衣食文化豊かな日本に生まれた国の恩、仏教の教えが広く浸透している法の恩、そして、何より大事な親の恩と、これらの恩に気づき感謝の心を々持つことが仏道であり、修行であり、真の幸福への道であります。
また、3月11日の東日本大震災で、被災された方々は最初に「生きていたこと」に先ず感謝されたそうです。そうして、一月が過ぎて今度は好きなものが食べれる感謝また仮設住宅に入れる感謝と色々な感謝が起きてくるんですね。また、被災されなかった関東の人々は電気が付き水道が出、電車が走る、この当たり前の日常生活を出来ること自体が感謝であると気づかれたことでしょう。
ある学者が、「人の体の中には宇宙がある」と言ったそうです。人の一代を30年と計算して、あなたの親は二人、その前の親は4人、そのまた前の親は8人になります。このように26代前(800年くらい前)までさかのぼれば実に1億3000万人の親があることになります。 人の体には膨大なご先祖のデータがDNAに記録されているわけで、その中には文学の得意な人もいたでしょうし、商売人も、または悪事をした人もおりましたでしょう。それらの中の誰かが最もあなたにご縁があり、現在の状況を作っているのです。現在住んでいる土地も、配偶者も、通っている学校も全ては縁という法則に従って与えられています。
私は若い頃漫画家になりたかったのですが、仏師になって生計を立てております。仏像をご注文下さるお客様、彫刻しなければならない仏像、仏像彫刻工房、そして、こうして法話を説かねばならないのも、皆、ご縁であり偶然ではありません。 私の門下生は100人以上たくさんおります。みなさん、「仏像が彫れて感謝感謝」と喜んでいらして、また、こうした感謝の心がある人が集まってくるのも感謝しているところです。感謝は成仏への道、幸せを呼び集める道ですが、不平不満、疑い、怒りなど煩悩の心が起こっているときは不成仏霊やマイナスのイデオロギーを更に呼び込んで難儀することになります。
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