ギャラリー01

　現代の日本ではお金と引き換えにいろいろなものが簡単に手に入り、便利で快適な生活を得ることができます。しかし便利さや快適さを追求することで失うものもあります。このような時代だからこそ、自分にとって必要なものは何か、大切にすべきは何かを見極めることが肝心でしょう。

　このギャラリーでは、建て主さんの要望から本当に必要なものを見つけ出し、心豊かな気持ちのよい生活を実現した事例をあげて、家をつくる際の拠り所を探ってみました。

　現代の家づくりにおいて、建物に求められる要件はたくさんあります。
耐震性、耐久性、高気密・高断熱、室内環境、防犯、省エネルギー、環境共生などです。また外観、間取り、内外仕上げや設備機器などに関する要望も多々あります。もっとも、これらは家をつくるための必要条件であっても目的ではなく、心豊かな生活を保証するものではありません。さらに限られた予算の中で、これらすべてを選べるわけではありません。

　そこで家づくりの最初に、建て主さんには、「何のために家をつくるのか」「どんなふうに暮らしたいのか」ということや、「どこまで便利さや快適さが必要なのか」について考えてもらっています。

　ここでは、「建て主さんが初期に出された要望」と「出来上がった家とその生活」を比較しています。各事例ともプランの紹介を控えており、一部のご紹介ではご理解いただけない点も残ることと存じますが、写真とコメントなどによって、「本当に気持ちのよい生活を追求する家々」を少しでも感じていただくことができればと考えています。

（2005年4月の家づくりギャラリー展示より抜粋）

[山武杉の家]　　　　[竪格子の家]