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どんな風に生きようと、その生き様にはなんらかの色合いが生じる。
鮮やかであるか、淡くあるか、
しろであるか、くろであるか、
どんな光をも通す、透明であるかもしれない。
また、出会うひとによっては、自身の色が変化することもある。
出会ったひとの見事な色に、鮮烈に染めぬかれるのだ。
なににせよひとは、その持てるいろどりに、自身で気づくことはできまい。
きっと平次は、新一とそんな出会いをしたのだろう。
そして、どんなに自分が彼の色に染められ惚れこんでしまっているか、
自身ではまったく気づいていないにちがいない。
――それでこそ、平次。
太陽の近くを浮かぶ雲が陽光を受けて、
真珠貝の内側のように七色にひかり輝くことがある。
ものの数分〜十分ほどのできごとではあるけれど、
その雲には名が付けられ、
彩雲
と呼ばれる。
古代のひとは、
これを慶兆としてそのめでたき雲の出現を国を挙げて慶び、
現代では気象学者が、氷晶(雲のひとつひとつ粒)に当たる光の回折現象だと解説する。
古今いづれにしろ
彩雲というものを知らなければ、人はたぶん、あの輝くさまを一生見ることは無いだろうし、
彩雲となった雲も、自身が七色に光りかがやいたことなど
一生知ることはないのだろう。
――雲はただひたすらに雲である。
平次って、工藤さんに惚れこみ過ぎだと思うんです☆
えぇもぅ、それが好いんです♪
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