陸上植物は、アミノ酸の原料となる窒素やATPに必要なリンを土壌や空中から調達する必要があります。これらは土壌中では水に溶けた形で存在しておらず、植物は自前では調達が困難です。このため、植物は陸上に上陸してすぐに菌類との協力関係を作りあげました。現在ではシダやコケ類を始め、なんと陸上植物の8割以上が菌類と共生しているのです。昔は水田にマメ科植物であるレンゲを植えていました。水田を耕す時に、レンゲも一緒に土に戻す事で、根などにある窒素成分を土に戻していました。
イ)
窒素固定:マメ科植物と根粒菌の共生
菌類は植物に病気をもたらすものもあり、共生菌類とそれ以外とを植物は厳しく見分わける必要があります。このために化学物質を用いてお互いを認識しています。昔の密貿易では“割り符”というものが使われ、互いの取引相手を認識していましたが、このようなシステムが作られているのです。それもマメ科植物が出現した6500万年もまえから..。
認識時、まずマメ科植物からシグナル物質が分泌されます。これには「フラボノイド」が使われています。 これを根粒菌が感知すると、根粒菌はシグナル物質を作りはじめます。この物質を“ノッド・ファクター”と呼びます。これはリポキサンオリゴ糖という物質で糖と脂肪酸からできています。また根粒菌はその種類により独特の分子構造をもつノッドファクターを開発しています。マメ科植物はこのノッドファクターをうけとると、分子構造の違いから共生相手か否かを判断します。正しい相手であれば根毛が根粒菌をとりこんで、適正数まで根粒を形成します。
ロ)
リン(P)の吸収:アーバスキュラー菌根菌
この菌と植物との関係は4億年前から続いています。アブラナ科やルピナス科の