MARKの部屋視覚や色と 動物の行動を話題にします

4.動物の眼・視覚

眼の構造:脊椎動物
 眼球は眼窩内に収まり、毛様体でレンズをつりさげ/囲んでいるが、動物種により構造、部品の働きが異なる。
 
   

単純化すれば、頭の中に眼を入れる凹みである眼窩がありその中に眼球が入っています。
眼の基本構造には、水晶体(レンズ)と網膜、色素上皮層があり、それを栄養補給や老廃物の排出系である脈絡膜が支え、全体を角膜や強膜で保護しているのが我々の眼球です(なお、哺乳類以外の魚類、爬虫類や鳥類などの脊椎動物では、角膜を取り囲む強膜の一部が骨化して“強膜輪”が形成され、眼球を保護する構造をしています)。

 
また強膜は眼球の形を保ち、形を変える要因となる内外の圧力に対抗する役目を果たしています。この強膜は哺乳類では結合組織のみで作られていますが、他の大部分の動物では軟骨や骨で補強されています。さらに、脈絡膜と網膜は外方(水晶体側)で融合し変形します。この融合部は通常水晶体辺縁部で膨れ、毛様体をつくり、ここで水晶体をつり下げています(鳥類や爬虫類では、毛様体が水晶体を環状に取り囲みます)。更にこの融合した層が水晶体表面に平行に伸びる事で虹彩ができているのです。またこの虹彩の内側(網膜)や外側(脈絡膜)の色素により虹彩に色がつく事になるのです。なお虹彩には筋繊維が存在します。鳥類や爬虫類では横紋筋繊維両性類や哺乳類には平滑筋繊維が存在して瞳孔の開口部を開いたり絞ったりしているのです(魚類には虹彩の大きさが一定している種が多い)。従って鳥類や爬虫類では自分の意志で光量を制御できる事になります。これらの特徴については、各動物の種毎に別途紹介したいと思います。
 動物の視覚系では眼の構造や脳の違いにもかかわらず、物体を把握するために、光の強度やその変化量ではなく
明暗のコントラスト(輪郭情報)検出が基本になっています。コントラスト情報で形やエッジを認識し、これに色情報をつけ加える事で環境光が常に変化したり波長域が偏った環境でも対象を同定する事ができるのです。また、コントラストの時間変化で動きの検出をおこなっています。


 無脊椎動物は脊椎動物とは眼の発生の仕方自体も異なっていますが、特に昆虫の複眼については脊椎動物の眼と構造が大きく異なります。


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