40億年ほど前には地殻や海が形成されましたが、30億年以上前の海水温は60〜120℃程度もあったと考えられています。このため最も古い生物は“熱耐性”で、酸素がないために“嫌気性”のバクテリアと考えられています。
最初に現れた生物は、前述のように細菌の1種です、最古の生物化石は約35億年前前後のものですが、単細胞の始原細菌は40億年前頃に誕生したともいわれています。その後、わずかな光をもとに光合成をおこなう細菌(光合成細菌)が現れます。
27億年前に現れ、酸素発生型光合成を創めたのはシアノバクテリア(藍藻)で、藻類の祖先でもあります。真核生物にシアノバクテリアが共生する事で真核の光合成生物が生まれたと考えられています。浅い海中では多彩な光環境が実現していますが、海の植物である海藻類は、種類により光合成に利用している波長域が異なります。海藻には、緑藻(アオノリ等)、紅藻(アサクサノリ、テングサ等)、褐藻(コンブ、ヒジキ等)などがありますが、利用している太陽光の波長域が異なります。緑藻は青と赤領域の光を主に吸収します。紅藻は青、緑、赤の光を比較的バランス良く吸収しますが、褐藻は、紅藻と緑藻の中間で轟の吸収が若干低くなっています。従って、水中で最も深くまで届く、青〜轟の利用という観点では、紅藻>褐藻>国狽フ順に効率が良い事になります。従って、これらの藻類の繁殖可能な深さも異なり、緑藻→褐藻→紅藻の順に深い海中でも生息できることになります。このような違いは光合成でもちいられているクロロフィル等の光吸収色素の吸収領域の違いに由来しています。
約4億5000万年〜4億8000万年前(オルドビス紀)に藻類が陸上に進出しました。乾燥と強光等に打ち勝ち、最初に上陸したのは藻の中でも、“香h藻の仲間(シャジク藻類の仲間)と考えられています(もし他の色の植物が上陸して支配権をにぎったとすれば現代は高ナはなく、褐色や紅色の世界になっていた可能性があります。逆に海は後述の2億5000 万年前の大絶滅で国狽フ世界から紅藻類から生まれた渦鞭毛藻やハプト藻、珪藻類を主とした紅色/褐色の世界に変化しました。なお渦鞭毛藻や珪藻類は赤潮を形成する藻として有名です)。この国狽フ仲間は浅い淡水に住み、浅い水域で降り注ぐ紫外線(UV)に対する防御策を発達させたようです。UV照射に対してはフェノール類やフラボノイドなどの太陽光遮断物質を、水分蒸発に対してはクチクラ層を生みだして防止し、体表面にこのような保護層が発達する事で微生物からの防御を行うとともに、身体に水分や栄養分を輸送しかつ身体を支える維管束を成立させる契機を作ったのです。