ハ)頭足類
イカ同士は[良い目]で、互いに認識し、連絡し合うようです。ホタルイカの発光なども仲間同志のシグナルと思われます。もっとも発光の一番の目的は、自分が現在いるところの照度と発光の強さを同調させて自分の身を隠すこと、また強力閃光で捕食相手の目くらましをすることですが、ホタルイカ類のごく近似種同志でも発光器の配列、種類の組み合わせや数が異なるので、同種認識のシグナルであることがうなずけます。 体色変化によるボディランゲージも目を通じての通信手段と考えられています。しかしイカの目は色を識別できず、明暗のコントラストを認識していると考えられています。またイカ・タコでは単純図形の認識ができる事が確認され、水平・垂直の2つの要素をもとに図形の認識をおこなっているようです。またタコでは触覚でも対象を区別できる事が分かっています。
ニ)魚類
海洋の表層から中層で生活するイワシ、アジ、マグロなどの大多数の魚は稚魚期以降のほとんどを群れで過ごします。群れでは、魚同士の距離はほぼ体長の程度が標準で、この距離を視覚と測線感覚で計り、保っています。またシマアジは視覚により同種個体を認識しますが、同種がいない場合には形や色が似ている種類の群れを見つけてそこに加わり、かつこの群れの魚体に合わせて体色や模様を変化させます。
また魚類でも視覚を餌や繁殖に利用する事にも用いられています。グッピーでは紫外色が配偶者選択に役立てられており、またプランクトンなどの餌を探すのにも紫外光が使われています。プランクトンを餌とする魚の多くは、紫外線を視覚で捉えることができ、紫外線が当たった動物性プランクトンは黒く見え、水中で目立つとの事です。
またスズメダイなど珊瑚礁の浅い海で生息し群れをなす仲間ではUVの反射光が仲間とのコミュニケーションに使われているようです。