精神障害者を含む全ての市民は、地域に貢献する一員として、生活スタイルの選択において、受容され、支持され、尊敬される権利を持っています。人は、生活を満たす楽しい活動と、学ぶ機会を、また、共通の興味をともにする人と仲間でいる機会を欲しているものです。最近の活動として、おせんべいの販売(社協、市役所、敬心祭)の他に、高尾山ハイキング、ボランティア講座、BBQ、音楽活動、福祉まつり等が行なわれました。このような地域の人々を巻き込んだ、友情、理解、所属感などの回復体験を提供する、様々な交流の活動(プログラム)を増やしていって、地域に貢献していきたいと考えています。
ボランティア講座は、ハートサポートとすずなりと草加物産企画が共催で、住民に開かれた「壁のないプログラム」として、草加市民文化会館で全5回にわたって開かれました。(4回目はハートピアきつれ川施設見学、約45名)
内容として、私が主観的に印象にのこったのは、精神障害者の家族も本人も、好きでなりたくてなったわけではない、好きでこういう状況になったわけではない人達であり、その彼らにとっての最大の資源は、モノやお金よりも、「人と人との関係」であり、ボランティアの普通に楽しく接してくれることが正にこれだということです。最近の理論でも、一人の人以上の、いたみや悲しみなどの気持ちを分かち合ってくれて、良い部分を鏡のように映し返してくれて、理想化できる(モデルとなる)人との、親密な関係の誰か(重要な他者)を持っている人は、ストレスなどへの免疫も高く、また、病気は自分の一部分でしかないという認識も高まるとされています。
ボランティア講座最終回の12月5日は、机を囲んでの実習発表会となり、専門家と市民と家族(当事者)が対等に話し合い、また今回は終了証書の授与もあり、有意義で大成功となりました。やはり誰か指導者が居て指導したりするよりも、専門家、市民、家族&当事者の3者が、対等な関係で自発的に協力し合い、交流する機会がたくさんあって、積み重ねていくことによって相互理解、偏見の除去などにもつながっていくのではないでしょうか。
中村文夫 |