14.「死体を借りて魂返す」の計


『弱いが利用価値のあるものは利用しろ』
 「死体同然で、一見存在価値のないような者でも、利用価値があれば息を吹き込み利用すべきである。」そんな計略です。世の中に役に立たないものはありません、問題はそれを使う人、使い道なのです。死体とは極端な表現ですが、広い世の中には死体同然のもぬけの殻の人生を歩んでいる人もいます、そうした人々を蘇らせる力のあるリーダーが存在するのなら、是非ともこの計略を使って、世の中を良くしてほしいものです。

献帝

 三国志の時代、皇帝の力は有名無実化しており、権力者に操られるだけの存在であった。魏の曹操は、当時みんなに見放されていた時の皇帝「献帝」をかくまい、その威光を利用して自分のやりたい政治を行ったのである。これ以後、各地の群雄たちはこの曹操の「勅令」にいいように操られ、曹操の天下取りを不本意ながら助けることになったのである。


 皇帝を死体といってしまうのは気が引けますが、曹操の思いはきっとそのようなものであったに違いありません。皇帝の保護に財を使い後漢の権威を復活させることで(死体に魂を返すことで)曹操は自分の国をつくることができたのです。名誉職のお飾り重役や、みんなに担ぎ挙げられた名前だけの社長 リーダーなど今の世の中にもこの計略でもて遊ばれている、悲しい人々がいるのではないしょうか?裏に曹操がいるのかもしれませんね。捨てられた電家製品を自分で修理して使うのは、まさにその名の通り「死体に魂を吹き込むの計」ではないでしょうか?とにかくリサイクルな計略ですね。