35.「連環」の計


『幾人もの思惑を繋ぎ合わせて弱体化させる』
 「連環」とは繋ぎ合わせるという意味。A B C D・・・といったものを繋ぎ合わせることで同士討ちや混乱を誘う計略です。繋ぎ合わせるものはほとんどの場合、人の心、そして大抵は個々の欲望です。つまり「幾人もの人間の欲望を操作し、繋ぎ合わせることで勝利を得る」というものです。

連合軍の最期

 董卓を討つために全国から集まった董卓追討連合軍。董卓はこれを内部からかく乱させる作戦に出た。各地の諸侯はそれぞれ野望を持っている。それを官位や懐柔策で操作し、同士討ちを誘発させたのである。袁紹に位を与え、公孫賛との仲を裂いたり、孫堅と袁紹を争わせたりして、連合軍の自然解体と同士討ちを狙ったのである。董卓の目論見通り連合軍は個々の野望を出し解体してしまう。董卓はこれによって連合軍を解散させ、しばらくの間、自身の身の安泰をはかれたのである。


 董卓はこの後、自身が王允の美女を使った「連環の計」にかかり、身を滅ぼしてしまいます。この連環の計の方が有名ですが、わかりやすい例として上の例を取り上げました。三国志にはこの他にも赤壁で舟を鎖で繋ぎ合わせた連環の計がありますね。つまりはAとBを繋ぎ合わせ、それにより勝利を得る計略をこう呼ぶのです。欲望の強い人間が集まるところにこの計略を利用すれば、組織を崩壊に導くことが容易にできることでしょう。