心はいつでも最前線
ヴァージニア・ウエスト
まろやか&ダークネス編


-奈落の底の鎮魂記-
第一話・萌ゆる話

愛の魔法は地獄の甘さ
マリン

「こんにちわ魔女一直線のマリンです。
このコーナーは、 恋とか、愛とか、憎しみとか、裏切りとか、悪意とか、
そーゆー私の趣味全開の話をするコーナーです」
「こんにちわ僕はバージニア・ウエストです!
機動歩兵教導大隊学徒隊に所属、通称アイアン・メイデンです。
このコーナーのアシスタントをつとめます。よろしくね」
「本名は東操(ひがし・みさお)ちゃん。
破壊と蹂躙が好きな筋肉バカちゃんです。」
「こらっ!初っ端から何を言っているんですか!」
「マリン正直ものだから、嘘つけないの。ごめんね。」
「…とりあえず、ゲンコツ一発で許してあげますか。」
ドガッ
「いたぁーい。何でも暴力で解決しようとするなんて、軍人なんてオーボーだよ!」
「あはは、同じ女の子に甘えた声だしたって無駄ですよ。」
「…ち、小娘が。」
「僕に言わせれば、テメェこそ小娘だろ?って感じなんですけどね。
とりあえず…何で女の子二人で切り盛りすることになったんですか?」
「簡単に言えば、ヤローを入れると話し難いことが多いから。」
「それはあるかも知れませんね。男の人がいると中々いいづらいこともありますし。」
「女二人だと冗談ですむけど、男を入れると洒落にならなくなることもあるからね!」
「…一体、何の話をするつもりなんですか君は?」
「恋にまつわるハァハァするような話とか。
男女を巡るいんぐりもんぐりな話とか」
「…帰っていいですか?」
「いやぁ〜まってぇ〜貴方がいなくなると困る〜」
「人を解体するような話ならともかく
僕は、そんな話できませんよ?」
「人を解体って…さらりと、凄いこというなぁ…
まあ、その時は別な人を出すから無問題!」
「はぁ…それで今日はどんなおしゃべりをするんですか?」
「…もうちょっと、こーしょうーな言い方しようよ。
会談とか、語り合いとか、討論とか。」
「そういうことは中身を伴ってから言うもんじゃないですか?
ぐだぐだお話するだけなんですし。」
「べらんめぇ!お釈迦様なんて弓矢を見て悟りを開いたんだぞ!」
「そんな何兆分の一の確率でおきるような、
すごい人の一瞬を例にされても…」
「つっぱりすぎず、緩ませすぎず…これが悟りの心意気…」
「…もういいです。」
「ノリがわるいなぁ…今日のお題は「萌え」!
萌えるよ〜萌え萌えだよ〜」
「はぁ、女の子同士で萌えの話ですか。」
「どうしたん?そんな顔してブスだよ?」
「ブスは余計だよ!
…なんと言うか「萌え」って男の人が話すもんじゃないかと思うんだけど?
正直、僕は「萌え」って何だかよくわからないんです。」
「『萌え』とは!笑顔が溢れ出るほど可愛らしく、思わず熱中してしまうことを指すのだよ!」
「それって、赤ちゃんとか、猫ちゃんとか、ですか?」
「そーゆーこと。可愛らしいってのがポイントだね。」
「ん〜、でもそれだと対象が広すぎませんか?」
「ん〜まあ、自分の気持ちを表すものだからねぇ。ま、大きなお友達だと魔女っ娘とか、主に小さい女の子を指して使うことが多いみたいだけど、 自分が可愛いと思ったりしたものでOK!OK!」
「いい加減だなぁ」
「じゃあ、女の子らしく初体験の話とかの方がいい?」
「そ、それはいいです。萌えの話で十分です。」
「でも、こういうのって気になるよね。
初めて男の子と手をつないだとか、キスしたとか…」
「ああ、もう!萌えの話しましょうよ!」
「ちぇ、…意気地なし」
「で、まあ、萌えは何となく分かりましたけど
マリンさんは、どんなものに萌えるんですか?」
「ふふふ…良くぞ聞いてくれた娘っ子!
私の萌えは、ズバリ妊婦なのだよ!」
「…はぁ、妊婦ですか」
「お腹の、あの膨らんだ微妙なライン!
体からかもしだされる母のにほひ!
なにより、ただでさえ可愛い赤ちゃんが胎内にいるという幸せ!」
「…はぁ、」
「妊婦萌え〜!」
「…一つ聞いていいですか?」
「なんじゃらほい?」
「赤ちゃん好きでしょ?」
「好きだよ」
「…いっぱい産みたいと思ってますよね?」
「もちろん!」
「〜ん。それって妊婦『萌え』じゃなくて
妊婦『願望』じゃないですか?」
「生娘えらい!よく分かった!」
「生娘言うな!」
「そーなの。私、結婚したら子供を沢山欲しいと思ってるんだ!」
「子供、好きなんですね。」
「うん!いっぱい、いっぱい、うみたい!」
「…(ちょっと可愛いかも)」
「やっぱり、女の子に生まれたからには、赤ちゃん産まないとねぇ〜」
「つまり羨望を込めて『萌え』なんですね?」
「別にそこまで深く考えてわけじゃないけど、そういうのもあるかもね。」
「う〜ん。萌えるかどうかは分かりませんけど、
温かい気持ちになるのは私も理解できますね。」
「操ちゃんは、何に萌え?」
「僕ですか?僕はもちろんママ萌えです!」
「ほぇ?ママ萌え?マザコンってこと?」
「マザコンって言い方は、あまり好きではないんですけど、
ママ好きを言うのなら、間違いなくそうですね。」
「女の子でマザコンって珍しいね?」
「僕のママって、ちっちゃくて、凄く可愛いんですよ!
子供の頃なんて、お人形さんじゃなくてママを抱いていたぐらいですから」
「ちっちゃいの、ママさん?」
「それはもう!
ママが運転していたら無人車と勘違いされて警邏隊に追われたとか
バックを背中に担いで検問を通ったら、小学生と間違われるとか…」
「そりゃ凄いね。」
「もう伝説のママなんです!ママ萌え〜なんです!」
「そこまで言われると見てみたいね君のママさん。」
「じゃあ呼びましょう!」
「え?いいの?」
「私は、親馬鹿ならぬ子馬鹿だから、ママを自慢したいんです!」
「よっしゃ!それじゃ、話を変更をして、操のママさんを呼ぼう!」
「やっほー!じゃっさっそく呼びましょう!でも…」
「なに?」
「最初から途中で話をかえちゃってもいいんですか?」
「大丈夫!ここでは私が法律だ!」

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