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HP
-中世時代で大逆転-


「金色の担い手編」

-公判1:逆転の巨像-















HP

西暦14××年×月×日(×)第×××号裁判記録
法務部第三指定封書×××号-××
法王庁機密文書指定××号
「イザベラ王女及びエンリケ王子婚姻取消し裁判」

大聖堂・法廷


ザワ…ザワ…ザワ…

ザワ…ザワ…
裁判長・カンタベリー大司教
「これより聖堂裁判を開廷します。双方よろしいですか?」
告発側・告発人代理
「無論、告発準備整っているわ。」
弁護側・弁護人
「弁護側も準備が整っていま…
………………」
「………」
「…って!ええ!?」
「な…なんで君がここに!?」
「決まっているわ!それは貴方を倒す為よ!」
「お、追いかけてきたの!?時空を越えて!」
「…ふふふ、我が一族に不可能は無いのよ。」
「(そ…そんなアホな)」
「…まぁ実をいうとね。欧州を旅行中に魔女に呼び寄せられてね。弁護をしろって言われたんだけど、私、ほら、ね。宗教問題はノータッチだから、代わりに貴方を推薦したのよ。」
「え…えええ!?」
「じゃあ、じゃあ、私達がここで苦労していたのもみんな…」
「それは自分達のせいでしょ?嫌なら断れば良いんだもの。」
「そ、それはそうだけど…な、なんかムカつくよ!」
「そ、それで何でここに?」
「ああ、それはね。貴方達を推薦した後に暇になって…何でも時空転移魔法って使える時期というのがあるらしくてね。中世史って嫌いじゃなかったし、勉強がてら、この一ヶ月間色々と見て回ったのよ。」
「た、逞しいね(ボソ」
「というか、使える時期なんて聞いたことないけど…単に嫌がらせを受けたんじゃ…(ボソ」
「そして、私の素晴らしい知恵に感服されたカスティーリア王に…ね。今ではお気に入りの一人ってわけ。」
「お、お気に入り?」
「………」
「………」

「はうぁ!!!!!!」
「下卑た想像にはムチを…」
「えっちなのはダメだよ!」
「ご、ごめんなさい。
(王が女に興味無いと知ってても想像してしまうこの悲しさ)」
「でも、よく一ヶ月もいられるね。ここ臭くて…全然ダメだよ。」
「ふふ…田舎暮らしも良いけれど、たまには都会に出てきなさい。世の中にはね…香水という文明の利器があるのよ。」
「香水だって!すぐに買いにいこう!」
「い、いまから公判が開かれるのに、無理だよ。」
「あら、何でしたら、私の香水、幾つか差し上げてもよろしいですわよ。」
「ほ、本当ですか!」
「ええ、どうぞ。ハンガリー製の特注品、きっと気に入りますわ。」
「わーい、本当だ!凄く良い匂いだよ!王女さまのため頑張ろうね!」
「…現金なヤツ。」
…うおっほん。
そろそろ、よろしいですかな?」
「あ、はい。」
「いつでもどうぞ。」
「では第××回聖堂裁判を行います。…では告発人!主文を…」
「はい。」
「…任せたぞ。」
「お任せ下さい。十を数える間に片付けてご覧に入れます。」
「(…こい!)」


弁護側:弁護士 VS弁護人代理:告発側
「裁判長、そして本日お集まりの皆さん!我々の求めているのは実にシンプル!」
「………」
「我々はロス・トロス・デ・ギサンドの和平の契約に基づき…イザベラ王女及びエンリケ王子の婚姻の無効を訴えるものです!」

ザワ…ザワ…
「そしてさらに…結婚を強行したアラゴンに対して金60万枚を要求します!」

おお…
「………」
「静粛に!では、弁護側どうぞ…」
「はい。弁護側は告発側の主張に対して…
全面的にあらそうものです!

…おおおお!
「静粛に!静粛に!」
「頼んだぜ、相棒。思いっきりやってくれ!」
「…良いんですね?」
「ああ、失敗すりゃ下手すりゃ王国は滅亡。死者数千だ。ならここで、一人二人混乱で死んだって構わんさ。」
「(じょ、冗談にしても笑えない。)」
「では、告発側。どうぞ。」
「ふぅ〜バカでアホでマヌケで無知蒙昧。しかも、物事の通りも分からない足らずとは…怒りを通り越して、笑うしかありませんわね。」
「(そ、それは弁論じゃないだろ!)」
「良いですか弁護人。契約には、ちゃんと書き記されています。結婚には「エンリケ王の同意が必要」と…」
「………」
「そして、その契約にはイザベラ王女のサインもあります。つまり、この契約は双方の同意の元に作成されたもの…お理解できまして?」
「………」
「契約とは、神のみなにおいて行われる、神聖にして不可侵なもの。悪魔でさえもが契約書を破ることはない…わかりますね?」
「………」
「つまり、元々裁判すら必要の無いほどハッキリしている問題…いえ、問題ですらありません!既に答えがでているのですから!」

ザワ…ザワ…
「…以上、告発側の主張を終わります。」
「静粛に!ふむ…非の一点も見当たらない主張ですが…改めて聞きます。弁護側は、これに対して反論なさるのですか?」
「もちろんです。彼女の主張は根底から間違えています。」
「根底から?…そうですか、それでは弁護側、どうぞ。」
「…はい。弁護側は告発側に対して…こう主張します。その主張には愛が無い!」

オオオオ!
「静粛に!静粛に!」
「なっ…何をいっているの!?」
「…聞こえなかったのなら、もう一度言いましょう。このような告発をするエンリケ王と、貴方にはが無い!」
「こ、この裁判は契約が正しいかどうかの裁判よ!」
「それが間違えっていると言っているんです!この裁判は「契約が正しい」かどうかではなく、「結婚が有効か無効か」ということを話合っているんですよ!」
「弁護人、続けて下さい…」
「結婚とは…何でしょう?それは愛しき二人が、神のみもとの前で永遠の愛を確かめ…そして家族となる、人生における究極の式典です!」
「…そうだ。そうだとも。」
「愛とは全ての原点にして至高なるもの。かつてキリストも言いました。汝、隣人を愛せよと。愛し合う二人が結婚するのは神の摂理にかなう、自然かつ当然のことなのです!
「…確かに、その通りです。愛とは全ての原点。間違いありません。」
「そ、それは今回のこととは別の話です!」
「愛も語らずして結婚を語るなんて、ナンセンスにもほどがあります!それとムチは痛いから止めて!」
「弁護側の異議を認めます。告発人、下がりなさい。」
「う…あ…」
「…十を数える間に終わるのでは無かったのかね?」
「も…申し訳ありません。」
「(殿下の言われた通り、裁判長の感触は悪くない…相手は…色々とやり難そうだけど、手は抜かないぞ!)」
「では弁護側…続けて下さい。」
「皆さんは、ことの本質を見落としているように思われています。すなわち「結婚とは何か」ということです。」
「…そんなこと、今更講義をうけるまでもあるまい。」
「陛下、発言をお控え下さい。今は弁護側の番です。」
「…ふん!」
「…結婚とは、愛し合う二人が、これからの人生を共有することを誓うものです。人生には、苦しいこともあるでしょう。辛いこともあるでしょう。しかし、神のみもとで永遠の愛を誓った夫婦ならば、その苦難をお互いに支えあい、助け合い、乗り越えることができるのです!」
「ふぅ〜なるほどね、大司教が好きそうなフレーズをガンガン入れて心象を良くする作戦か。」
「凄いでしょ!なんたって理屈じゃないんですから!」
「(き、聞こえているんだけどな)」
「まさしく、その通りです。神の名の元におこなわれた結婚により、二人の愛は、死が二人を分かつまで、永遠に続くことになるでしょう。」
「ならば、分かっていただけると思います…フェルナンド王子はイザベラ王女を愛しています!そしてイザベラ王女もフェルナンド王子を愛しています!」
「これ以上結婚をする明確な理由があるでしょうか!」
「貴方は契約の文言を否定するつもり!」
「否定しているのは文言ではなく…告発人です!」

ドオオオ!
「静粛に!静粛に!」
「な!…何を!?」
「どういうことですか!」
「弁護側は告発側に重大な過失があると主張します!」
「な、なにを…何を言っているの!さっきから貴方の言っている事が…理解できないわ!」
「それは告発人…貴方が本気で人を愛したことがないからですよ。」
「そんなこと…そんなことない!私だって人を愛したことがある!愛したことがあるもん!」
「ならばなぜ、分からないのですか…貴方がたの重大な過ちに…なぜ気がつかないのですか!」
「あ、過ちって…そんな…」
「拒否権を盾に、愛し合う二人の結婚を認めない。つまり、告発側は愛を認めてないと言うこと…」
「それは、愛を広めようとする教会に対しての裏切りであり、キリストの説いた愛を否定することであり、神に対する冒涜に他ならない!」
「ち、違う!違う!違う!」
「裁判長!弁護側はエンリケ王を、教会及び神に対する反逆罪で告発します!」
「な、なんだとぉお!?」

\ ドオオオオオオオオ /
「静粛に!静粛にぃ!」
「こ…こりゃ、驚いた…思いっきりやって良いとは言ったが…まさか母屋の家事を消すのに火薬庫を爆破さえるような真似をするとは思わなかった。」
「たまに自分も爆発に巻き込まれちゃいますけどね。」
「ふざけおって!おい、どけ!」
「あ…きゃ!(ドカ」
「!?」
「ひどい!」
「少しはキレるかと思って側においてやったが、まるで役にたたんやつだ!所詮は女の浅知恵か!」
「…ク…くぅ…」
「………」
「小僧!余、自らが貴様のペテンをひっぺがしてやる!覚悟せい!」
「…望むところです。」
「………」
「…あの」
「…私だって」
「…あ」
「…大丈夫、あの人は頭が良いし、強い人だから…売り言葉に買い言葉だというぐらい分かってるわ。…ね?そっとしてあげて。」
「…う、うん。」

ザワ…ザワ…
「静粛に!静粛に!…エンリケ王、よろしいのですね?」
「無論。…大司教、余も敬虔なるキリスト教徒として、この生を真っ当してきた…それを否定されて、他者に任せる気は無い!」
「弁護側、よろしいですね?」
「もちろん。ご本人の口から聞くのが一番でしょう。」
「分かりました。双方同意のということで裁判を進めましょう…」


弁護側:弁護士 VSエンリケ4世:告発側
「…さて、一旦冷静になって話を整理してみましょう。
まず告発側の主張は「拒否権」の行使を求めたのに対して、その行動には弁護側は愛が足りないと主張した。 」
「はい。」
「それに対して告発側は「拒否権」と「愛」は別物であると主張した… 」
「…しかり。」
「そして、まぁ…一連の告発側の行動に対して、弁護側は「権利を盾に愛する者達の結婚を認めないのは教会と神に対する反逆行為!」と、告発した… 」
「その通りです。」
「馬鹿げている!」
「…ふむ、確かに。先ほどは弁護側の勢いに飲まれて…そのアレでしたが…冷静に考えると…ウソくさい…げふげふ…いや主張的におかしいというかズレているような気もしますね。 」
「その通り!話にならん!」
「それは、これから分かることです。何が真で、何が虚なのか!」
「何なんだ貴様の、その自信は!仮にも王である余が、聖堂内で嘘をついているとでも言うつもりか!」
「嘘はついていらっしゃらないでしょう。ただ…」
「本心を隠しているだけで!」
「!?」

ザワ…ザワ…
「静粛に!静粛に!」
「まぁ…さすがは凄腕…あそこまで言い切るには、きっと物凄い真実を暴いておられるんでしょうね!」
「う〜ん。真実を暴いているというより…根拠の無い自信は世界一だからねぇ。」
「根も葉もない言いがかりは止めろ!」
「それをこれからハッキリさせるのです。意味の無い異議申し立ては止めて頂きたい!」
「弁護側の異議を認めます。エンリケ王、少し落ち着かれよ。」
「…グッ…むぅ!」
「私の主張が…はっきりと言ってしまえばウソくさい、とのご指摘がありました。そこでこの問題に関する最大の焦点を述べさせてもらってもよろしいでしょうか?」
「弁護側の発言を許可します。どうぞ…」
「とどのつまり、この問題の最大の焦点であり、最大の疑問は、二人の結婚をなぜエンリケ王がお認めにならないのか?という一点にあると思われます。」
「…ふむ。続けて下さい。」
「ロス・トロス・デ・ギサンドの条約内容を見ても分かるとおり、イザベラ王女は自由に婚姻相手を選ぶことができるという文言があります。エンリケ王の拒否権…つまり、エンリケ王が婚姻を認めなければ結婚できないというのは付随的なものでしかありません。」
「付随的なものだと!それは違うぞ!」
「何が違うのですか?」
「それはつまり…そう、余は王となった。王とは一族の当主でもある…うむ。一族王家のことを考えて、婚姻政策をするのも、また王であり、一族の当主の役目である!」
「………」
「な、何だその目は!」
「…王となり、一族の当主となったのに、わざわざ「結婚の認定させろと」主張しなければならなかったのですか?…当主といえど意外と力が無いものなのですね。」
「なっ!?」

ザワ…ザワ…ザワ…
「ククク、見ろよ馬鹿ツラさせて…てめぇの力の無さを、てめぇで吐露しちまいやがった…ククク…」
「…嬉しそうだね。」
「言ってなかったけ?おれは根性わりぃんだ。」
「大丈夫。夫婦となったら、私が根性を叩きなおしてあげますから。」
「お、おてやわらかに…。」
「まぁ、付随的かはともかく、なにゆえエンリケ王が嫌がるのか、そこを知らないとこの問題は解決しないと思います。」
「…ふむ。」
「よって弁護側はエンリケ王に対して「なぜ結婚を容認しないのか」についての証言を求めたいと思います!」
「なるほど、つまり結婚を認めない正当な理由があれば、弁護側も納得すると言う訳ですね。エンリケ王も色々と話したいことがおありなようですので、それは構いませんが…しかし、弁護人。貴方はエンリケ王を「教会及び神に対する反逆」で告発なさった。それを忘れてはいませんか?」
「もちろん、忘れてはいません。…エンリケ王の証言をきけば、おのずと全てが明らかになるでしょう。」
「わかりました。エンリケ王…よろしいですね?」
「無論だ!こんな笑劇、即座に終わらせてくれる!」

エンリケ王証言
「弁護人の主張であるが…まったく話しにならぬ。そもそも結婚とは一族と一族を繋ぐものであり、その当主が決めるのは道理であろう!」
「………」
「愛し合う二人が結婚?…ふん!そんなものは政治をせぬ庶民にはあるだろう…だが王族は違う!結婚それ自体が政治なのだ。」
「………」
「どこの国に姫を嫁がせれば友好関係を結べるのか、どこの国の王女と結婚すれば権威が高まるのか…それによって王族のみならず、国家の威信がたかまり、ひいては国家安泰にもつながる。」
「………」
「我々王族や貴族は、個人としての幸福を捨てて、国家と、そして庶民の安寧のために尽くしておるのだ。これは…貴族としての聖なる義務である!」

\ おおおおお! /
「ありがとうございます。陛下の国家と民衆に対する想いは、しっかりと、ここにいる傍聴者諸兄の皆様に伝わったことでしょう。」
「………」
「…では弁護人、告発側の証言に対して、何か質問はありますか?」
「…もちろんあります。いえ、この証言によりエンリケ王、貴方の言葉の裏に隠されていた本心がハッキリしたようですね。」
「なんだと!」
「…エンリケ王、お聞きします。王族結婚は政治…国家利益のためならば個人のもつ愛などは必要ない。だから、イザベラ王女の勝手な結婚は認められない…と、おっしゃったのですよね?」
「さよう。その通りだ。」
「国家利益のためならば、愛などという精神的なものは問題では無い…と、いうことですね?」
「そうだ。」
「つまり、世俗的な問題に、思想や観念などは何ら問題では無いと主張されるのですね!」
「そう申しておるだろう!しつこいぞ弁護人!何度同じ事を…」
「………」
「………」
「き、貴様…何か…謀ったな!」
「謀ったのは…エンリケ王、貴方だ!」
「何だと!?」
「貴方は今!教会との決別宣言をした!」
「な…なにぃぃ!?」

\ ドオオオオオオオオ /
「そ、そんなことは言っていない!デタラメだ!」
「貴方はハッキリと言われた!世俗の問題に思想や観念などは必要ないと!これは教義や神を否定することば…いえ、ハッキリと言いましょう!」

「国内政治に、教会を関与されたくないという発言ではありませんか!」
「ち、違う!」
「…そして、こうも言われた。国家利益のためならば愛を、精神的な部分は必要ないと!すなわち…」

「自己利益のためならば、教会を裏切ることもいとわないと!」
「!!?」

\ ドオオオオオオオオ /

「裁判長、このように教会を否定する王の主張など何一つ認めることはできません!」
「………」
「ちがう!ちがう!そうでは無い!教会を否定など…」

「おかしいと思っていたんですよ…貴方の行動が!」
「こ、行動だと!?」
「今だに…なぜ、イスラム教国のグラナダが存在するのですか?」
「…な、なに?」
「フェルナンド3世がイベリア半島を掃討してから、既に200年…イスラム一色のイベリア半島の人心統治には100年、150年かかったことでしょう。しかし、そろそろ軍を編成し、グラナダを攻めてもよさそうなものではありませんか。」
「ぐ、ぐぅ…そ…そんなことを答える必要は無い!」
「なぜ答える必要がないのか説明して頂きたい!」
「異議を認めます。エンリケ王、理由無き発言拒否は認められませんぞ。」
「…じ、時間も暇も無かったからだ!」
「貴方が王位についてから…今までですか?」
「…ぐっ!」
「…つまんねぇプライド捨てて言っちまえよ。俺は無能だから家臣をまとめるので精一杯…だってな。」
「…答えられないのなら、私が代わりに答えましょうか?」
「…な、なんだと。」
「…カスティーリアとグラナダの間には交流があるそうですね。」
「…な、なんのことだ!」
「…使節団や留学生の交流などは…どうですか?」
「しらん!余はしらんぞ!」
「…一国の主が交流があるのを知らなかったと?」
「…あっ」
「………」

ザワ…ザワ…
「パンドラの箱をあけましたわね…」
「おいおい頼むぜ相棒。エンリケ王を倒しましたがカスティーリアも滅びましたじゃ、笑えないぞ。」
「大丈夫です!ああみえても周りには気をつかうんですから(多分)」
「静粛に!静粛に!」
「だ、大司教!カスティーリアは広いのだ!それにかつてはグラナダは属国同然だった歴史もある。余が知らぬ間に勝手に国境近くの貴族達が交流を行っても不思議でもなんでもない!」

おい、おい、貴族を切り捨てたぞ…あいつ凄い目で国王を見ているな…
…しかし、良いのかね。自分の管理能力の無さを吐露して…
…ザワ…ザワ…ザワ…
「………」
「…ハァ…ハァ…く、何なのだこれは!?なんでこんなにも息苦しいのだ!」
「…違いますよね陛下?」
「…な、なに?」
「…貴方は知っていた。そして…それを認めていた!」
「何を証拠に!」
「状況証拠と貴方の証言が全てをものがたっているんですよ!」
「!?」
「国家利益のためならば、思想も教義も関係ない。とおっしゃりましたね!つまり、戦ってグラナダを陥落させたとしても大した利益にならないと悟った貴方は、イスラムと手を組み、私腹を肥やそうとしたんです!」
「…ち、ちが」
「リアリストの貴方にとって、聖地回復運動など何ら興味をそそるものではなかった。キリスト教を布教など金銭よりもなんら価値の無いものだったからだ!」
「ち、ちがう!どこにそんな証拠があるというのだ!」
「現にグラナダは今も存在している!」

ドオオオオオオオオ
「静粛に!…静粛に!」
「エンリケ王!貴方は卑怯者だ。敵を惑わし、味方を騙し、家臣を切り捨て、そして教会と神をも欺いた!」
「弁護側はエンリケ王に対して「教会と神に対する反逆」を告発するのと同時に、カスティーリア王位の退位及びイザベラ王女への即時継承を求めます!」
「!!!!!!」

\ ドオオオオオオオオ /
\ ドオオオオオオオオオオオ /
「静粛に!静粛に!静粛に!」
「ば、馬鹿な…なぜ、そこでイザベラが出てくるのだ!」
「イザベラ王女はグラナダを滅ぼすからです!そうですよね!」
「え?ええ、もちろんですわ!私が即位した暁にはケチョン、ケチョン、にしてあげます!」
「無論、我がアラゴン王国も支援することをお約束しよう!」

ドオオオオオオオオ
「グラナダは難攻不落の要塞国家だ!お、女如きに…レコンキスタが出来るものか!」
「言葉は正しく用いて下さい!貴方は「やれたのに、しなかった」イザベラ王女は「やれるが、できなかった」です!レコンキスタはイザベラ王女の名の元に完遂することでしょう!」
「なぜ、そう言いきれるのだ!」
「それは…彼女が敬虔なるキリスト教徒だからですよ!」

\ ドオオオオオオオオオオオ /
「………」
「…こ、こんなのは…デタラメだ…間違いだ。私を陥れるワナだ…」

\ ドオオオオオオオオオオオ /
「………」
「…こ、いつは、身分卑しき庶民だ!本来ならば、爵位もなく、王と合いまみれることもかなわぬ!そんなヤツの言う事を…聞くというのかぁ!」
「しかし、事実は事実です。」
「なっ!?」
「私が殺人鬼であろうと…盗人であとうと…事実は変らないんですよ。」
「な…な、な…」
「………」
「………」
「…グ…あが…」
「…過呼吸に陥ってやがる…終わったな。」
「!」「!」「!」「!」
???側:ポルトガル国王アルフォンゾ5世
「これは、これは…遅れてきたと思ったら、随分と面白い状況になっておるようだな。」
「ポルトガル国王アルフォンゾ5世陛下、おな〜り〜」
「(…この人がポルトガル王、アルフォンゾ5世)」
「なにやら熱くなりすぎておるようだ。これではマトモな判断なぞ、できようわけがない。裁判長、一時休廷し、少し場を静めては如何かな?」
「…陛下の言われるとおりです。少しばかり熱くなりすぎたようですね…これより15分間の休廷とします。」
「………」
「…それと、エンリケ王、少しばかりお話があります。別室へお越し下さい。」
「………」
「カスティーリア王は、お疲れのようだな。余も手を貸そう。」
「…よろしくお願いします。では…一時休廷!」

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この物語はフィクションです。
実際の組織及び人物、歴史、事件などにはいっさい関係ありません。