製作ナンバー003 オリジナルキャラ第3弾
鮮緑の人妻 『森高 九里子』


〜または彼女は如何にして夫の帰りを待つのを止め胡瓜を愛するようになったのか〜
◆序論
事の発端は製作No.002『雁賀李美』製作中の事である。
「奥さんど〜だいこのナス!」
発端は何気ない(?)一言だった。ところが何か知らん間に話が大きくなって、揚げ句の果てに挨拶代わりに使われる始末。
アレってそんなにインパクトあったのか?
・・・ううむ、ひょっとするとコレは使えるやも知れぬ。
但し一般的にはナスよりキュウリの方が馴染み深いであろう。メイドインなんとかいうゲームではそうだった。きっとそうに違いない。
よし、即断即決。イベント参加に向けたオリジナルフィギュア製作計画をここに発動する。
名付けて『胡瓜が好きなキュウリ夫人』だ。
本物のキューリー夫人さんご免なさい。

この文章を書きながら『下世話なのは恥ずかしい事じゃないのよ』と自分に言い聞かせる。
きっと知り合い諸氏も応援してくれる・・・だろう(汗)。
逃げも隠れもしない。直球勝負である。

とは言うものの、本作の製作日誌はできるだけ簡単に済ませようと思う。
以前から製作日誌に時間を取られすぎとは思っていたのだが、アホな文章書くヒマを全て原型製作に回したいと考えての判断である。
例えるならガロウィンのエネルギーを全てブライストに回すようなモノだ。是即ち合体攻撃トゥインフレア。
『1機が撃つのは小さな火だが、2機で放てば炎となる』(※注)
果たしてどんな出来になる事やら、それは次回の講釈・・・そりゃ西遊記だ。
兎に角、アテにせずお待ちいただきたい。
※注
私の大好きなOVA『冥王計画ゼオライマー』ネタ。
才色兼備の美人パイロット、通称『お姉様』(CV:佐久間レイ)が出来の悪いパートナーと共に巨大ロボットに乗り込んで戦うのだ。
量産兵器ではなく無敵の巨大ロボットを描こうとした『70年代スーパーロボットへのオマージュ』に満ちた作品である。
そしてその試みは成功であったと思う。
個人的には第2話におけるお姉様(CV:佐久間レイ)の入浴シーンが圧巻であった。
・・・・嘘は言ってないぞ、嘘は。
正直にパロディと言わずにオマージュなどと賢しげな言葉に言い換える辺りがウサン臭・・・って誰に言ってるんだ。
今のは俺じゃない。木原マサキの亡霊だ。
・・・・グラサンのコーチ(CV:田中秀幸)もイイ味だしてたなぁ・・・・。
あぁっ、まただ。
◆体の製作【1】
それでは余計な事は書かずに作業手順をサクサク紹介していこう。
まず例によってボディのベースとなる厚さ5ミリ程のファンド板を作る。
この辺は人物の正面図に合わせ、まぁてテキトーに。

左はベースにアーチとゆーか3脚とゆーか、細く伸ばしたファンドを付けた状態。
下2本が肋骨、上1本が胸骨の前端を表している。
右はこの3脚を基準にして、胸骨とお腹のあたりを盛った状態。
・・・何かイカの骨みたいだな。セキセイインコがかじりそうだ。


次に腰骨の下に太モモを付ける。
この状態だと肩が無いのでイマイチ人間に見えない。
原型初心者である私にとっては不安になる一瞬である。
果たしてこれで良いのだろうか?
胴長に見えるがデッサン狂ってないだろうか?
親が見たら何て言うだろうか?etc・・・


不安をうち払うため、以前安価で入手した『とき以下略』の水着ギャルを持ち出し、胸を削ってみる。
ここから先は修羅の道、もう後戻りできぬ。

・・・・おぉ、ちょうど今造ってるイカの骨と同じになった。
男と違って厚い胸板が無いから、おっぱい削るとこんなカンジになるのか・・・。
つまり今の作業行程に間違いは無い。このイカの骨に肩とおっぱいと鎖骨を付ければマトモな娘ッコになるという事だ。
これで勇気百倍である。キリキリ作業を進めよう。
胸を削られた可哀想なマネージャーには、いずれ私が立派なおっぱいを付けてあげよう。
もちろん沙希っぽ・・・もとい、先っぽもアリだ。
各自、今見たのは忘れるよう。

ちなみに気付いた方もおられると思うが、写真の一部に修正が入っている。
これは作業中のモチベーションを保つために作った私だけのおまじないだ。
私はこう見えても、おまじないや可愛いものが大好きなのだ(CV:丹下桜)。
人に見せると効果が無くなるので墨塗りしている。バターで擦っても無駄なのだ。
(若い方には判りにくいネタで相済まぬ)
◆体の製作【2】

腕の向きがなかなか決まらなかったため肩の基部から先は未作成だったのだが、今回は『エピソード0』ってコトでキュウリは使わ・・・もとい、持たずに大人し目のポーズにする事とした。
キュウリが出てくるのはエピソード1以降だな。
Zガンダムだって最初はMkUだったんだから問題あるまい。
え?「エピソード1以降はあるのか」って?
そんな先の事は判らない。
あの「レリックアーマー レガシアム」だってビデオ第1巻しか出なかったではないか。
「妖精姫レーン」しかり、「バーンナップEXESS W」しかりである。
「分裂守護神トゥインクル☆スター」がACT1で終わってしまったのは残念だ。

ポーズ決定に伴い肩パーツを付け、そこから腕を伸ばす。
とりあえず胴体と腕の形が出来てきた。

さて、パッと見で人目を引のは果たして何処か?
少しくらいデッサンが狂っててもポイントを押さえるだけでイイ感じに見えるものだ。
下手だけど目を引くポイントがあるのでアラが目立たない、所謂「ヘタウマ」というヤツだ。 ホントかなぁ・・・。
我流・自己流なので正攻法ではない。手を抜くべき所は抜き、面倒な事はしない。
となると今回のアピールポイントは・・・やはりおっぱいであろう。
満州が日本の生命線であるが如くおっぱいは本作の根幹。『おっぱい無くして九里子なし』である。
大事なのは「むにっ」とした量感と乳輪から乳首にかけてのディテールだ。
乳輪のモールドがハッキリしすぎてたり乳首が大きすぎると冷めたり萎えたり色々大変なので(^_^;)細心の注意が必要だ。
ちなみに顔は『目指すべきもの無し』って事で自分のデザインを100%立体化する事を目指す。
エラソーな言いぐさで恐縮だが、絵描き出身としては顔ぐらいは自分のデザインを100点としたいのだ。

・・・ひょっとしてこれは絵描き出身の造型師が陥るワナではあるまいか。ダイダロスの迷宮ではあるまいか。
チョット不安である。


右手の平が付き、首を右側に傾けた状態。
ご覧の通り両腕も含め、一体成形を前提として造っている。
この辺はあげた氏の影響だな。むやみにパーツを増やさず接合面の処理が必要な箇所を最低限に止める。
私は昔、大学の美術部でエアブラシを使ったスーパーリアルイラストレーションに傾倒した事があったので、マスキングはさほど苦ではないのだ。
逆に接合面の処理は経年変化によるヒビ割れ等、先の事まで考えて作業しなければならないのでハッキリ言って苦痛なのだ。
「自分がイヤな事は人にもさせない」って事で一体整形と相成った次第である。

この時点はでおっぱいは後付けとなる予定であった。
後付けの場合上乳と胸との接合部が問題になるが、たくし上げたキャミソールで接合部を隠すつもりだったのだ。
是即ち『半脱ぎ』なり。
かつて、その助平さに於いては全裸を凌ぐと言われ、時の皇帝より禁じ手とされた半脱ぎである。
(民明書房刊『ヴェルサイユ体制とフェティズムの台頭』より)
裸エプロンや裸ワイシャツ、スケ白水着の愛好者が如何に多いかを見れば、我が国において半脱ぎが市民権を得ている事は明かであろう。あと裸靴下もだな。
但しバスタオルはパス。アレは最近需要と供給のバランスが・・・うぉっと、何でもない。

この「おっぱい後付け&キャミソール方式」には、以下の3個のメリットがあるものと思われる。
 ・上乳と胸の境界はキャミソールで隠せるのでパテ埋め等の処理が不要。
 ・別パーツ化により下乳と腕の間のカゲ付けも楽にできる。
 ・腕に自身のある方は接合部をキレイに消してスッポンポンに改造できる

とまぁ良い事づくめだったのだが、その後パーツ数を減らすため胴体部は全て一体成形に変更となった。
何せ始めての複製となるので、リスクを減らそうと考えての簡略化だ。
もっとも、キャミソールをたくし上げたキャラはいつかやるつもりだ。
そうすればイベントで展示する時に全裸と半脱ぎを1体ずつ並べてお客の目を引く事が可能だからだ。
当然の事ながら、私自身が半脱ぎ好きという事も大きな理由である。


こっちはお尻。
太モモのボリュームが足りない。後で修正しよう。

さて今回、下半身をモモまでとしたのには2つ理由がある。
第1に足先まで造るのが面倒だったから。
第2にシリコン型のサイズがデカくなって、抜きが大変そうだったから。
水着だとビキニラインから分割して型を小さくできるのだが、下半身スッポンポンの場合はそうもいかない。
中にはパンツを途中までずり降ろし、そこを分割ラインとしているキットを見かける。
それも良い方法だし私自身も三度の飯(以下略)なのだが、何せ時間がない。
そこで「それならいっそモモから下は省略してしまえ」となった訳である。
その代わり、ハンズか何処かで見栄えの良い台座を買ってくるとしよう。

・・・・結局、コトブキヤ横浜店でANDREA MINIATURESのベースを買ってきた。
結構イイ感じである。

今回のキャラは『ツリ目、人妻、巨乳、ハの字眉毛』といった自分のシュミを盛り込みつつ、それなりに一般受けを意識してデザインしたつもりだ。
某補完計画の愛情弁当みたいに「シリーズ中、一番笑いを取れるが一番売れない」というパターンが一番怖いので、雑誌グラビアのような控えめなポーズにしたのもそのためである。
奇をてらったポーズにせずとも「張りのあるたわわな乳房が両の腕(かいな)の間で自在に形を変える」というだけで充分魅力的ではあるまいか。
大きなおっぱいが好きなのは覚悟完了男子の本懐、無限のテロメアに刻んだ神の罪、地球人とバッフ・クランの乗り越えられぬ業なのだ。ユーザー諸氏も判ってくれるだろう。
◆顔の製作【1】
さて顔。
幼さの残る顔ながら大人っぽさを出すためにやや細目とし、髪はショートの横分けにしてデコを出す。
何はともあれデコだ。デコ万歳。ビバ・デコ。
私は三度の飯(以下略)。
耳は隠して、その代わり前向きのハネを左右の頬あたりに付ける。耳の造型が面倒なんて事は無い。本当だ。
このため前髪および左右のハネは別パーツとなった。
一体成形にしてモールドで済ますって手も考えたんだが、まぁ技術の蓄積も兼ねて別パーツでやってみよう。



左の型紙状態だとちょっと目が大きかったので、盛り上げの時点でやや細目に修正した。
下は鼻と口が概ね出来た状態。アングルが少々アオリ気味なので変な感じである。

さてここまではできたが、顔と後ろ頭を1パーツにして大丈夫だろうか? 気泡は溜まらないだろうか? 逆テーパーにはならないだろうか?サンドイッチ型にした方が良いのではないだろうか?
ここが思案の・・・・って素人の思案にも限界があるので、2005年5月に開催されたWHF有明にて『雨の日晴の日』のトーン氏、『Brilliant Cut』の5からっと氏、『煩悩亭』のK氏よりご指導いただく。
三人寄れば・・・・それ意味違う(^_^;)。
結果、首から下を1パーツとし、頭と前髪を含め3パーツ構成と決定した。
話が逸れるが、『首から下』ってのは仲々艶っぽい言い方で嫌いじゃない。いや、むしろ好きと言っても良いだろう。
「俺はお前の首から下に用があるんだよ」 「やっぱり私のカダラが目当てだったのね〜」みたいな。
それはさておき、専門家の意見はいつ聞いても良い物だ。御三方のご協力に感謝する事しきりである。

盛り削りにおける失敗については「失敗は成功の元、失敗して上手くなる」と割り切れるのだが、型取りや複製での失敗はシリコンやレジンが無駄になる上に「何で上手くいかなかったのか」が判りずらい。
あまつさえ金銭的な損害がエラい事になってしまう。つまり失敗しても何も良い事は無い訳だ。
但し『教えて君』にならぬよう気を付けねばならぬ所もツラい所だが。
◆体の製作【3】
今回、手のひらは両方とも体に密着した一体成形なので、指を付けるのもラクチンだ。
カダラを濡らして・・・・もとい、指の取り付け部分に水を付けてから細く伸ばしたファンドをひっつけ、ヘラで体に固定しながら太さを調整していく。
何つっても「指が折れる心配をしなくて済む」ってのが良い。こんなに良いとは思わなかった。嗚呼、俺の人生バラ色だ。
・・・と、今は放置されているスク水娘を見ながら思ったり思わなかったり。

指を突け終わったら、太モモの内側やら何やらを成形するため右脚を付け根から切断。
分割作業に際し『Brilliant Cut』の5からっと氏と『煩悩亭』のK氏より、分割面の軸通しについてご教授いただいた。ありがたい事である。
そうでなければ軸穴がユルユルになって作業に支障を来したであろう。
如何に人妻と言えどユルいのは嫌だ。『私は絶対に拒絶する』(byガルフォース)。

分割が無事終わったので内側の作業に入る。
まずは内モモのボリュームアップ。
スレンダーな体型ではあっても、やはり内モモに「プルン」とした柔らかい肉が付いているのは良いモノである。
それが人妻なら尚の事だ。「お願い、キスマークは付けないでへェ〜」みたいな・・・そこで笑わぬように。

それからお尻の整形にかかる。
お尻の肉と太モモの境界あたりを重点的にやっつけよう。
この辺は他のキットや写真集を参考に「締まり過ぎず」 「小さ過ぎず」 「タレ過ぎず」のスローガンの元に作業を進める。
是即ち『三不過思想』である。納期が遅れたら労働キャンプ送りだ。
色々やってる内に、現在のスキルにしては『まぁこんなモンかな』と言える程度のお尻になった。
良きかな、良きかな。
◆カダラの製作【4】
最後に何やらの成形。
この部分は写真系の資料がなかなか揃わない。
とゆーか開いた状態のはあるのだが、閉じた状態のは仲々見つからないのだ。
以前、笑福亭鶴光がオールナイトニッポンで「お姉ちゃん、縦長何センチ〜?」という品性下劣なネタをやっていたが、今になってようやく理解できた。
彼も大変だったんだなぁ。
バカな事言ってる間にも時間は過ぎていく。ここは一つ、写真資料を探すのを中止して手持ちのガレキを参考にするのが良かろう。
原型師の方々だって何の資料も無しで造ってる訳ではあるまい。
参考になるの恐らくはアレとアレとアレだな・・・ウン。

あと弟に相談。
「兄貴、日本人の成人女性の場合、ココとココの間隔は平均2.5〜3センチだ」
愚弟ながらこういう事に関しては頼りになる。何の話か判らなくても質問とかしないように。
その上で自分なりの解釈(笑)を加えて・・・。
主役は目立てヤスリとPカッター、そして少々の勇気。
ううむ、流石に画像を乗せる訳にはいかぬか。

そんなこんなで下半身が出来たので、分割した太モモを元に戻す。
「切られた脚をアルター化させただと!?」
遊んでいる場合ではないが・・・まぁ、放映後4年経ってもネタにされるアニメが現在でも作られてるというのは良い事である。
こんな私でも「昔のアニメは良かった」とばかり言ってるノスタル爺さんにななりたくないのだ。
◆サフ吹き
さていよいよサフ吹きと複製だが、面倒なので画像をいくつか載せるだけにしておこう。
煮詰まってデジカメを使う余裕が失せたといのは内緒だ。
まずは頭部。パテ盛りの部分が残っているが気にしないように。
ちなみに前髪は上下逆になっている。


それからカダラである。相変わらず一部に修正が入っている。

◆複製作業【1】

いよいよ複製作業である。複製と言うと
『ルパンVS複製人間、世界史を塗り替えるのはどっちだ!?』
という某アニメ映画(笑)のTVコマーシャルでのキャッチフレーズを思い出す。
同時上映は『ナイル殺人事件』だ。
CMで流れてた「♪ミステリ〜・ナァ〜イル」とかいう歌が好きだったのだが、劇中では最後まで使われずガッカリした記憶がある。
当時はCM用に作られたハデっぽい歌に引かれて映画館へ行ったが劇中では流れずガッカリ、サントラ買っても入っておらず2度ガッカリという事が何度かあったものだ。
『コンボイ』しかり、『ワイルド・ギース』しかりである。

それはそれとして粘土埋めに移る。BGMは往事を忍んでボニー・Mの『怪僧ラスプーチン』にノーランズの『セクシー・ミュージック』ジンギスカンの『めざせモスクワ』でキマリだ。
粘土埋めと回路設計はネットその他で色々調べて所謂アンダーゲート方式に決定。
アンダーコースではない、決して間違えたり辞書で調べたりんせぬように。
型枠はボークスのブロックを使用。
ブロックというとガキの頃、キツくハメると取れなくなるというトラウマがあったのだがボークスのは硬すぎず緩過ぎずナイス(死語)である。
まぁこの辺は私の解説を読んでも役には立たないので、もっと詳しく説明してる人のサイトを見に行く事をお勧めする。
それを言ってしまうとミもフタも無いのだが(^_^;)。

◆複製作業【2】
シリコン流しに入る。使ったのはウェーブBJのSG-020
事前に色々人から聞いていたのだが、やっぱ初めての時は緊張するものだ。
アノ時もそうだった・・・・いや、シリコン流しとは関係ないな。
まず缶からポリカップに移し、暫く放置して気泡を抜く。
しかる後に硬化剤を適量入れて混ぜ合わせる。
最初は100円ショップで買った調理用のヘラを使っていたのだが、シリコンを混ぜるのにがこれ程力が要るとは思わなかった。
途中からアクリル定規に変更し、更に途中から定規の角をヤスリで丸めた。
(ポリカップの底が丸いので、角張ったままだと混ぜムラになるのだ)
これで結構イイ感じになった。以降はポリカップ&アクリル定規で行こう。ナンチャッテ。

混ぜ合わせたシリコンはいきなりドバッと流さずに、細い糸状にして型を覆うように垂らしていくとシリコン内の気泡が糸状になった時点で割れてくれる・・・・そうだ。
概ね型を覆った後は残ったシリコンをドバッと流し込み、エアブラシを使って気泡を排除していく。
最初の内は後から後から気泡が浮いてくるので「これで本当に大丈夫なのか?」などとビビっていたが、慣れてくると気泡割りが結構面白くなる。
あと途中から、原型表面に筆で塗りつけるというのも試してみた。これも結構良いようだ。

シリコンが硬化したらブロック枠はそのままでバックアップ用の石膏を流す。

最初に流した石膏は水との配分間違えたため下側だけ妙に厚くなってしまったが気にしない。
シオマネキングだってガンガ・ルブだって左右非対称なのだ。
あ、こいつの場合は前後非対称か。んじゃ両面怪獣ダブリオンだな。
いや、ダブリオンは前後対象だったっけ? んじゃ機械獣ドグラとマグラだ。
前後で分離するから丁度良かろう。


型もいちおう綺麗にできたし、問題あるまい。
・・・ええと、BF団のアイアンパワーは上下分離だから違うし、キングジョーとガルボ・ジックは(以下延々と続く)。
◆複製作業【3】
キャスト注入口となるメインの湯道は100円ショップで買ったマドラーを使用。加工しやすい上に太さも丁度良かったのだ。
離型剤はユウビ造形のUB−108を使用。シリコン系の離型剤より高価だが高性能で、塗装前の洗浄もし易いとの事。
どこで聞いたか失念したが、注入前には奥まった箇所に筆でアルテコの魔法の粉をまぶす。こうすると気泡が溜まらずに湯と一緒に流れやすくなるのだ。
あとで詳しい人に聞いたらシッカロールでも良いとの事。スゴイ贅沢な事やってたんだなぁ(^_^;)。

石膏バックアップ部分には「こっちが前」 「左に傾けて注型」 「右に傾けてここを叩く」とか注意書きを書き込んである。ついでに顔も描いておこう。
こんなのがゴムで縛られてる所を知らない人が見たら、変な物に見えるかも知れない。

左奧にあるタミヤのスペアボトルはファンドを小分けにしておくためのもの。
仕事場で昼休みに作業する時などに重宝するのだ。

さてレジンはウェーブのアイボリー(ノンキシレン)を使用。
ホームセンターで買ったデジタルはかりを使って重さを測る。
余ったレジンは無駄にせぬよう某ソフビ女子高生12人衆の内、未成作の9体を用意。
レジンの余りを脚部に流し込んで固めてしまおうというのだ。
これで脚部に強度を持たせる事ができ、レジンも無駄にはならない。
一石二鳥と言う訳だ。
・・・・アレを12体揃える方が無駄とか言わぬように。結構塗装の練習とかになるのだ。

注型したら注意書きに従って石膏部分を叩き、途中で引っかかった気泡を上に逃がす。
叩くのはゼブラのマッキーを使用。細い方を持って太い方で叩くと力が要らないのだ。
マッキーと言っても女子校でプラレス部に所属している訳ではない。
柔王丸VSチェリーボンバー・・・・確か作監はいのまたむつみだったっけ。もう一度見たいものである。

話が逸れたが、注型したら湯道を造る時に使ったマドラーを注入口から押し込む。結構キツキツなので水鉄砲の容量で湯逃げ付近に溜まった気泡が外に流れて来るのだ。
マドラーを引き抜く時には湯逃げから空気を吸い込まぬよう、湯逃げ部分に余ったキャストを数滴垂らしておく。
これで約15分ほど放置し、いよいよ取り出しである。


果たせるかな、多少のバリはあるものの気泡もなくキレイに抜けた。
懸案だった乳首と鼻先にも気泡は認められず、これがアルテコの力というものか。
兎に角成功した胸・・・・もとい、旨を某コミュニティサイト(バレバレ)でお世話になった方々にご報告し、量産を開始する。


♪ハイホー・ハイホー・さぁ働けよ〜
前髪は歪みを防ぐため、熱い内に頭部にハメてから冷却する。
それから抜き加減を見て途中で型を改修し、右肩から上へ繋がる空気抜きを作ったりした。
・・・・ひょっとしてこれが『抜いてる途中で型を修正する』と言うヤツか。
ううむ、何だが原型師らしくなってきたわい(*^_^*)


かくして私の原型製作初体験は成功裏に終了したのである。
ここで改めてご協力いただいた方々に御礼を申し上げたい。
ちなみにガレキイベントが成功裏に終わったか否かは別の話である。


『森高久里子』 完成品画像はこちら