page16
暦は
夏を迎えました
雲ひとつない澄みきった空
この青空のもと
また
この季節を迎えられたことに
感謝・・・
竹笛の音が
天空を突き上げます
音色に想いをのせて
2005年
皐月五の日
立夏
その小さな小さな体に
そのちっこいちっこい指先に
ママはどんな想いで
針を刺しているのでしょうか
痛いよね
ことちゃんも痛いよね
ママも痛いよね
ピンクのワンピースは
地下鉄の風の中
揺れていました
そのちっちゃなお手々も
バイバイ〜と
揺れていました
新緑が眩しい
五月の東京です
二千年の時を越え
その柩は
語りかける
転生
生への執着
何のためなのだろう
生きてまた権力を得るため?
神となるため?
柩の中の絵文字を
「畏」と「怖」の感情を抱いて見つめます
自らの
生を
この中に閉じ込めた古の人
その想いは
何処を漂っているのでしょうか
ベルリン至宝展にて
ふと考えました
生まれ変わったら
生まれ変われたら
また女に生まれる?
また同じ人を好きになる?
また同じ仕事に就く?
また南の島のトリコになる?
また碧い海に魅せられる?
また・・・?
でも・・・
もう いらない
注射器も
自己破産した膵臓も
2005年水無月
入梅間近
バンドネオンの音が
スピーカーの奥にゆれています
ヨーロッパの空気を含んだメロディー
官能のラテンの旋律
こころはゆっくりと
世界を周遊します
やわらかなカーテンを引くように
瞼を閉じます
見えてきます
夜間飛行の灯りが・・・
優しい笑顔が・・・
2005年
夏至
今宵はロウソクを燈しますね
南米のワインを開けましょう
クレメールのピアソラを聴きながら・・・
新しい月のスタートは
時間がゆっく流れました
雲の上
空の下
落ちるのを忘れた太陽
午前の宴(笑)
キャンドルのテーブル
カクテル
爽やかな風
紫色の匂い
ファインダーから飛び出てしまう地平線
じゅうたんのパッチワーク
凛呼たる大樹
微笑みの乾杯
滴の想い
2005年文月は
バビッと
でも
スローに
スタートしました