HMV9.音源1

 長岡鉄男ファンだった私はオーディオ再開と同時に近所の図書館で「長岡鉄男のレコード漫談・正・続」を借りてむさぼり読んだ。
“正”の最後にパニアグア「ギリシャ古代の音楽」が紹介されていて「高感度なスピーカーでないと、外から入ってくる小鳥の声は聞こえない」とあった。これもCDを図書館で借りてきた。FE−167システムでは、聞こえないようだった。DR150ヘッドフォンでは聞こえた、聞こえた。なるほどねえ。で、投資後のスピーカーではどうか。2週間かけて中小音量でエージングしておいて、家人のいない留守を狙って大音量再生。あ、聞こえる。外から小鳥の声がする!ああー、CDに入ってる音じゃなくて、部屋の外の鳥の声のように聞こえる。これかあー。やっぱりヘッドフォンじゃ“音場”はむずかしいよねえ。

 投資後のスピーカーの音だが、情報量は増えた感じ。低音は骨っぽくなった感じ。高域はツィーターのコンデンサーを2μFにしたため、少しハイ上がり気味。しかもフルレンジとツィーターの距離が結構ある(自作派としては無念・出来合いのキャビネットを使い、その上にツィーター用サブキャビネットを載せているのでね)ため、点音源でない感じが強くなってしまった。しかし、高域の音質は、よりすっきりした感じ。キャビネットの問題は、いずれ定年後に時間をとってきっちり自作しようと考えている次第。

HMV10.音源2

 家人のいない間にスピーカを鳴らす作戦では、10数年ぶりにベートーヴェン第9を聞くことに決めていた。昔、第9を聞くときは耳が聞こえなくなったベートーヴェンとか、シラーの歓喜に寄す、とかをかなり意識して聞いていたが、そういうことは意識せず、オーケストラの音楽としてだけ聴こうと考えた。

 で、秘蔵のカルロ・マリア・ジュリーニ指揮,LSOのLPを出して来た。いまや、ジュリーニ・ベルリンフィルのCDも持っているのだが、やっぱりアナログでしょう!というわけだ。

 ところが、このLP、スクラッチノイズがひどすぎた。そうだ、これも音楽を聴かなくなったきっかけだったかあ〜と思い、途中から同じ奏者のCDにチェンジ!(ちなみにCDプレーヤーは古いテクニクスですが、当時はベストバイパーツになったもの)無難な美音に変わった!うん、きれいな音になった。しかし、さっきまでのスクラッチノイズのせいで何がなんだかわからなくなった。

 その後、HMVに注文しておいた外盤のクレンペラー指揮、フィルハーモニアのライブ版第9(CD)が届いた。外盤取り寄せに時間がかかったようだ。Amazonならもっと早く安く国内版が入手できたようだが、やっぱり長岡ファンとしては外盤ですよ。
 これは最近発見された音源で、ネットの一部では
優秀録音との評価が出ている。録音は古いが、年代からして非マルチマイク録音のはず。もともと、長岡鉄男氏は「クレンペラーのものは、演奏・録音ともに優れたものが多いが」と評価しているので優秀録音だとしても驚くにはあたらない。長岡氏は「ベートーヴェン第9に優秀録音盤なんて無いんじゃないか」とも書いているが、氏に聞いてもらいたかった気がする。

合掌。

 年末という時節柄、子供への教育的配慮もあってか、第9をスピーカーで聞くことを許された私は、思う存分クレンペラーの第9を楽しんだ。録音もいい。演奏もいい。しかし、第4楽章になると音量が下がったような気が・・。でも第9って考えてみたら録音するには大変な曲じゃないのか?あれだけ大勢の楽器と合唱とソロだもん。いずれにしろ、年末に第9をスピーカーで聞くのは我が家の定番行事にしたい。何と言っても子供の教育的効果を配慮しなければ(?)

11.V15Vチューンナップ

 友人から譲り受け、スタイラスをVN35HEに交換したV15Vは、もともとのDENONのヘッドシェルにセットされていた。ヘナヘナの感じなのでテクニカのマグネシウムシェルを石丸電気本店の改装閉店セールで買ってつけたが、穴の位置が合わず、オーバーハングが合わない!そういうオキテなのか、このシェルは!

 せっかくV15Vなのだから、ボディが良く見えるデザインのシェルがいいな。それにジャズ向きの金属的なデザインがいい。軽量で、しっかりした構造のものが良いだろう。何がよいかな?と思っていたタイミングで長岡鉄男のオーディオ・コーナー 特別企画 音が変わる!ヘッドシェルの工作の記事をネット上に見つけた!ありがとう。(コピーはこちら)
 現役時代に読んだ記事で、D−7も持っていたっけ。この記事を読んで、どうせなら、金属っぽい音がいいなと思って製品をネットで当たっていたら、あった、あった。オルトフォンの
SH-4S。3000円しない安物だが、比較的軽いし、アルミの単純な板でV15Vのボディに合いそう。
 早速購入し、ネックの90度に曲がった部分はエポキシ系接着剤で補強した。これなら、少なくともハードな音にはなるんじゃないか?ついでに、スタイラスボディの空洞に接着剤を入れて埋め、可動式のスタイラスガードも接着剤で固め、不要な振動の防止を図った。

シェル で、アームに取り付けると、あれ?けっこう重いのね、このシェル。9.4グラムって軽いほうだと思ったんだけど。DENONのがもっと軽かったのか?さて、音のほうはどうなったか。予想以上にハード系の音になった。低音ではたとえば「ドスーン」が「ドスンッ」って感じ。高域はあまり変わってないような。特別金属的な音にはならなかった。いずれにしろ、質は上がったようだ。このチューンナップのため、しばらくの間はV15Vだけを使う時期が続いたのだ。(2009年12月)


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