14. 渋谷のライオン

 代休の平日、渋谷のライオンへまた行った。その日は、なぜか入った時からよさそうな雰囲気だった。フィッシャー・ディースカウのCDで、シューベルトのセレナーデなどが演奏されていた。好きな曲だ。
 その後、リクエストタイムになって、ブラームスの交響曲第4番第1楽章、リムスキー・コルサコフ「シェエラザードの第3楽章〜」などのオーケストラ曲が続けて掛かった。
 LPも掛かったが古いせいかひずみっぽい音だった。しかし、とても満足して帰った。そのときも1階の後ろの席で聞いたが、けっこう雰囲気のある音だったな。


15.名曲喫茶ショパン

豊島区高松の名曲喫茶ショパンに行った。

宮本英世さんの店だ。入ったら、ご本人が居て、というよりご本人と奥様とでやっているようだった。「初めて来られましたね。こんな場所だからご近所の人しか来ないんですよ」と迎えられた。とは言うものの、「芳名帳」を見せてもらったら、遠く他県から来ている人も居たよ。

「うちは、おしゃべり喫茶ですよ」「神田にあるショパンは別のお店です。うちよりもっと本格的で、ショパンの曲しか掛けないんですよ」と言っていた。ご近所のおばあさんやおばさんが来てはおしゃべりして帰っていく。
 ご主人といろいろ話していて楽しかった。音のほうはタンノイのスピーカーから古式蒼然とした音が流れてくる。しかし、いい音だ。ハイファイとは言えないだろうが、お店に合っている。柔らかくて安心できる音だった。

 とても、気分転換できた。楽しかった。また行きたい。が、行っていない。

16.また名曲喫茶ライオン

 ライオンの方はその後も何度も行っている。


ライオン日誌1
 せっかく渋谷へ出たのだからと、、名曲喫茶ライオンへ向かった。
 昼になるので、道玄坂小路に入ったところで「とんこつラーメン」を食べた。ライオンに入ったら珍しく(?)ブルックナーの9番をやっていた。珍しく(?)新らしめ・録音の良いCDで、ちゃんと高域も出ている。まったく高音の出ないシステムじゃ無かったのね。レーグナー指揮・ベルリン放送管弦楽団だった。
 次はラフマニノフのピアノコンチェルト2番だったが、これは古い録音(パリ管)で今度は高域が伸びていない。伸びてなくて歪っぽい音だが、不思議なことにさっきのブルックナーより、楽器(ピアノ)がそこで鳴っているような臨場感はある。マルチマイク録音でないからか?
 帰ろうと思ったら、ベルリオーズの幻想が始まった。しかし、メンゲルベルクのACOだ。古〜い。音も綺麗ではない。しかし、やはり臨場感はある感じ。不思議だねえ。
 うーん、このコース、昼ごろライオンで音楽鑑賞、それから実家の手伝い、4時頃帰宅、これは良いかも。
 続いて、実家に届けるおせち料理を買うため、まず東急名店街に向かったが、以前そこのベーカリーの値段が異常に高かった記憶がよみがえり、もしや東急プラザの方が庶民的なのでは?と思ってプラザに向かった。
 地下の東急市場に行ったら、お茶屋さんがあったので贈答用の茶を二つ買った。店員が親切でよかった。
 おかず屋を見て回って「横浜なんとか」という店で隅っこにおいてある7800円のおせち、2100円の煮しめ、2100円のおせちを買ったらずいぶんまけてくれた。大晦日だからかなあ。

ライオン日誌2
 今週もライオンに寄ってから実家へ行った。
 チャイコのバイオリンコンチェルトが終わるところへ入った。
 ラフマニノフ パガニーニの主題による・・・が終わったら、トスカニーニ、NBC交響楽団のベートーヴェン運命が始まった。
 ノイズはあるが、意外と良い音だった。演奏も良い。驚いた。古い録音を見直した。第2楽章が始まったところで時間切れだ。


 オーディオ雑誌的には、名曲喫茶は「名機」を使っていようと音は悪い、というのが定説だった。いろいろな制約があるから。
 また、ライオンの場合、古い録音のCD、LPがよく掛かる。
 常連の人がいるようで、そういう古いレコードをリクエストすることが多いようだ。
 私はアナログ再開時に、あまり古いレコードは敬遠しようと決めていたのだが、フルトヴェングラー、ワルター、トスカニーニなどがけっこう演奏される。
  それらを聞いていると、大音量時に歪んでいたり、大きなノイズが常時入っていたり、すごい音なのだが、妙なことに、ある種のリアリティがある事に気づいた。
 そこで音が鳴っている、そこで演奏しているような実在感だ。
 それに、割と新しいCDがたまに掛かると、そんなに悪い音じゃない事もわかってきた。
 オーケストラもピアノも、古い録音の方が音質は悪いのに実在感(定位感とはちがうだろうな・・・。音が一箇所にまとまって聞こえるから)があるようだ。
 まあ、長岡鉄男によれば、1960年代中期以後のマルチマイク録音によって、ステレオの定位はだめになったという事でもあるし・・・。
 このテーマについては、その後、意外に身近なところから1つの回答を見つけるのであった。
 ところで、ある日ライオンでは、マーラーの5番の第4楽章をバーンスタインの2つの録音と、もっと古い録音(ワルターだったか?)で連続リクエストが入り、鑑賞法を教えてもらってるような気がしたものだったっけ。(2010年12月))

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