ピースゴロック

当研究所で開発しているスゴロクゲームです。

ピースゴロックとは?

ピースゴロックは、スゴロク型の気軽に遊べびながら、他者を尊重し、共存して生きる知恵を学ぶことができる材ゲームです。 子どもたちが充分に話し合い、お互いの理解を深め、人類の未来に貢献できる基本的な知識と身体的な経験を育成するためピースコミュニケーション研究所(以下、PCI)で開発中です。 このスゴロクゲームは、通常の学校での授業の他、特別活動の学校行事(林間学校・臨海学校)、子ども向けのイベント、学習塾の教室などでも利用できるよう約45 分(通常の授業時間)ほどの所要時間で、 ゲームが終了する仕様となっています。 一つのゲームは、4 ~ 6 名のメンバーで行われ、順位を競いますが、もちろんこの順位は楽しく遊ぶための仕掛けであり、主眼はこのゲームを行うことを通じ、子ども達の心の成長を促すことにあります。 どうしたら他者と仲良く暮らせるか、どうしたら争いを収められるか。このような問いを自分自身の問題として考えるきっかけを与えるための教材が、このピースゴロックです。

「ピースゴロック」の4つの特長
 ~学ぶ・遊ぶ・コミュニケートする(共に生きる)・気づく~

ピースゴロックで学ぶ

ピースゴロックの各コマのト書きには、学問的に裏づけられた平和な世界を構築するために子どもたちに知っておいてほしい知識あるいは、現代社会の悲しい現況報告、また人類が共存して生きていくための知恵やかけがえのない地球環境保護の大切さなどを簡潔にあらわした格言・情報が、掲載されています。 ゲーム参加者は、これらの記述の意味を、今後育成されるピースゴロック指導員の指導のもと、他の参加者とともに理解度を深めながら、ゲームを進行していきます。

ピースゴロックで楽しみながら、遊ぶ

サイコロの出目に運命を左右されるスリルや他のメンバーとの競争に、ピースゴロックの楽しさはあります。 しかし、ここで注意を払ってもらいたい点が、ピースゴロックでは、同じシートを囲んでいる他のメンバーを蹴落とし、自分だけが早くゴールに到達すれば、 真の勝者となれるわけではありませんピースゴロックは個人ゲームであると同時にチームゲームでもあるからです。 通常、ピースゴロックでは、同じシートを4~ 6 名の参加者で囲みます。 もし、ピースゴロックを取り入れた授業を行うクラスの人数の総計が30名なら、30名÷4~ 6 名で一つの教室で5 ~7のシートで設けられることになります。 この5~7のシート間で、チームゲームは行われます。 ピースゴロックでは、すべてのゲーム参加者は、各シートでもっとも速くゴールに到達できるよう頑張る(個人戦) と 同時に、自分が入ったチームが他のチームに勝てるよう同じシートの他のメンバーをサポートする(チーム戦) という工夫が必要となります。 個人の頑張りと、チーム全体のレベルアップへの貢献、この二つの要素は何かに似ているとお思いになりませんか? 企業や団体、ひいては社会全体が向上するためのエッセンスが、ピースゴロックの楽しさの秘密となっているのです。

ピースゴロックで、コミュニケートする <共に生きる >

ピースゴロックの特徴は、通常のコマの他に、参加者同士の討論を誘発するコマ(=「コミュニケーション機会」)が設けられている点にあります。 「コミュニケーション機会」にトップの参加者が到達すると、カードを引き、話し合いのテーマが決められます。 そのテーマに沿って、参加者同士で討論が行われ、その結論をファシリテーター(ピースゴロック指導員・後述)に報告。 ファシリテーターは、報告に対し、いくつかの質問をし、テーマに関する理解度や討論の状況を判断し、当否を決定(ジャッジメントタイム)して、ゲームを進行させます。 「コミュニケーション機会」は子ども達にテーマへの関心をもってもらうための少数派の意見を尊重する態度を身につけてもらうための 他人の意見に耳を傾ける傾聴スキルを学んでもらうための解決策を導く討論方法を学んでもらうための他者(ピースゴロック指導員)に結論をプレゼンテーションする表現能力を養うための‥‥‥ つまり、他者とコミュニケートし、お互いを尊重し共に生きるためのスキルを学ぶ場です。

<“学び”から“気づき”へ> ピースゴロックが目指す新しい教育の方法

ゲームの運営に関わるピースゴロック指導員には

  • ①ファシリテーター ②コメンテーター ③インストラクター
  • という3つの役割があります。 ピースゴロック指導員は、子ども達に知識の伝授を行い、またゲームの進行を手伝うインストラクターであると共に世界の在り方や自然の仕組みを解説するコメンテーターとしての役割をもっています。しかし、それ以上に私達が指導員に期待しているのは参加者である子ども達が 自ら主体的に考えることができる環境を整備するファシリテーターとしての役割です。 なぜなら、従来型の学校の授業が、教師から生徒へ知識や技能を一方向的に伝える「学びの場」であったとするなら、ピースゴロックが実現するのは参加者がゲームを通し、自己や他者、世界と出会い、そこに問題点を見つけ出す「気づきの場」としての体験だからです。 ですからピースゴロック指導員は、各コマのト書きに書かれた知見を解説する知力を磨くことだけでは務まりません。 何よりも重要なのは、コミュニケーション機会で、子ども達に発言を促したり、また参加者の意見を上手く整理して討論の流れを構築するスキルにあります。 そして、ディスカッションの中で、あるいはジャッジメント・タイム(コミュニケーション機会での討論を指導員に発表する場)で、参加者である子供たちの気づきを促す効果的な「発問」ができるかどうかが、ピースゴロック指導員の生命線です。

    ピースゴロックの3つの将来展望

    シリーズ展開されるピースゴロック

    ピースゴロック第一弾としては、小学校高学年から中学生を対象としたスゴロクゲーム(基礎編)を開発中ですが、さらなるスキルアップをはかる「応用編」「実践編」を順じ、開発、発表する予定です。 さらに、日本の各階層に向けた多様なバージョン--教育現場で使用する小学校低学年向け、企業で使用する職場組織向け、さらに教職員のセミナーなどで使用する教育機関向けなどの開発も予定されています。

    世界へ向かってピースゴロックを発信

    ピースゴロックが育成する平和への知恵は、世界各地で勃発する様々な紛争を草の根レベルで抑止する有効な力になると考えます。 このため、ピースコミュニケーション研究所では、日本語版のみならず、英語版、フランス語版、中国語版など世界を視野に入れた企画を進めています。 ゲームの骨子は日本語版と同様ですが、外国語版ではそれぞの文化的背景を織り込んだ新たなメニューが加えられる予定です。

    ピースゴロック指導員の育成

    ピースゴロックを実際に利用するには、ピースゴロックの理論的な背景(教育学、心理学、コミュニケーション学、社会学など)を充分に理解し、ゲーム参加者をゴールへ導き、子供たちの「学び・気づき」促す指導員の存在が重要となります。 ピースコミュニケーション研究所では、ピースゴロックを有効利用していただくため、全国の各学校に最低1名のピースゴロック指導員が在籍できるよう、その育成に努めます。