身尺逆の母子合体
榊神代&東操
まろやか&ダークネス編


-奈落の底の鎮魂記-
第三話・恋愛なる話

愛の魔法は地獄の甘さ
マリン

「今回は愛戦士、ラヴリ〜ソルジャー・マリンちゃんと、愛だの恋だのについて語りましょー」
「引き続き、僕とママが一緒に語ります。よろしくネ!」
「よろしくお願いします。
…操さん。そろそろ降ろしてはもらえませんか?」
「いやぁ〜、ママをずっと抱っこしているの〜」
「そうだよ。そろそろ放したほうがいいよ。そうでなくても、ママを子供が抱っこするなんてシュールな光景なんだし。」
「そんなこと言って…ははん。
マリンさん。さては、うらやましんですね。」
「う、うらやましくなんてないもん!もういいよ話を始めるよ!」
「…ふぅ
ところで、恋と愛とは、随分深遠なテーマですね?」
「命短し恋せよ乙女!女子には永遠のテーマなんだよね!」
「…三話目になって、ようやく女の子らしい話ができそうですね(ボソ
「そこ!ボソボソ言わない。ハッキリ言う!」
「ん〜ハッキリ言うと、
僕は特に興味無いんですけどね。」
「…ママさんがいなかったら、グーで殴っている所だぞ。」
「え〜ん。ママぁ、この人がイジメるよぉ〜」
「…ホホをすりすりしながら、ワガママいわない。協力しない操さんが悪いんですよ。」
「むにゅ〜」
「さすがは大人!話が分かる。」
「…でも、すぐに暴力にうったえるのは、どうかとは思いますが。」
「まぁ、女の子の暴力なんてカワイイもんですよ。」
「暴力にカワイイなんてものはありません。暴力で人を従わせようとするのは最低の行為だと認識すべきです!」
「は、はい。」
「そーだ、そーだ!」
「操さんは、ちゃんと協力する!」
「むにゅ〜」
「(…うう、やりにくいなぁ)
じゃあ、とりあえず『恋とは何か』から語ろうじゃないか。」
「はぁ…でも恋って何でしょう?」
「まぁ…人を好きになることだよね。」
「人を好きになるのは愛じゃないですか?愛情って言いますし。」
「…そ、そうだね。じゃあなんだろう?改めて考えると良く分からないもんだよね。」
「…人を好きになってドキドキすること…かな?」
「それだ!じゃあ、それについて語ろうじゃないか操くん!」
「でも私、人を好きになってドキドキしたことありませんよ?」
「んなアホな。いくら生娘でも、その年になりゃ2度や3度ぐらい、ドキドキしたことあるでしょうが!」
「…う〜ん。空から地上に落下する降下訓練や、実戦訓練の時はドキドキしてますよ。」
「そりゃ、緊張しているんでしょう!」
「あ、でも恋のドキドキも同じなんじゃないですか?好きな人といると緊張してしまうんですから。」
「なるほど…そう言われれば、そうかも。」
「ていうか、愛戦士のわりに何も知らないんですね。」
「黙まりゃ!知ってはいるのさ。気がつかないダケだい!」
「…だめだめですね。」
「まあ、いいや。ここで語ってみよう!」
「恋って緊張!」
「………」
「………」
「…何だろう。この胸の奥にある『納得できねぇよ』感は。」
「理論と現実が合わない場合は、理論があってないせいだと学校で教わりました。」
「簡単に言うと、あんたの答え間違っとるやないけって…感じ?」
「平たく言えばそうかと。」
「冷静に対応するアナタに、強烈な怒りが湧き起こるのを抑えきれない私がいる…」
「…しかし、彼女は思った。ここはグッと我慢して年上の心意気をみせてやろう…と。」
「そんなナレーションで私の怒りが収まると思うんか!」
「ちょっ…ちょっと、待ってください。こういうのって、ここから話が盛り上がったり、広がったり…」
「『恋って緊張!』のどこに、盛り上がりと広がる要素があるっちゅーねん!」
「いやぁ〜許して〜」
「許さん!罰としてお前のママさんを代わりに抱っこさせろ!」
「それだけは許して〜僕のママを奪わないで〜」
「随分グダグダですが…これで、大丈夫なんですか?」
「全然、無問題!」
「単なる穴埋めですもんね。どうでもいいんですよ〜」
「…生娘、アンタあんまりヒドイことばかりいうと、 アンタの名前ヴァージニア(処女地)からウェイストランド(荒れ地)にされちまうぞ。」
「ひ、ひどい。何ですか。その意味不明な嫌がらせは!?」
「ま、いいや。こうなったらアレよ!」
「アレってなんですか?」
「人妻ママさんに聞いてみよう!」
「はぁ…結局、人様に丸投げですか。」
「人妻ってからには、恋愛経験も豊富でしょーし、とっかえひっかえ男を手玉にしているだろうし… きっと恋愛の達人に違いないはず!」
「ひ、人の親をアバズレみたいに言うなぁ!」
「でもね。そんなもんよぉ?現実をみよーぜ!」
「マ…ママはそんなにフシダラじゃないもん!違うもん!」
「まぁ、まぁ、チミもあと数年たてば分かるってもんさ。」
「うー!うー!」
「…マリンさん。あまり操さんをイジメないで下さい。」
「はーい。ごめんなさーい。」
「…当家には『家人の尊厳を傷つけた者を許すなかれ』という家訓があります。」
「…………(ゴク」
「…色々と口に出したい年頃であるのは分かりますが、もう少し慎まれることを覚えておいた良いと思いますよ。」
「…特にその人の身内に関することは…ね。」
「ご…ごめんなさい。」
「結構。ところで、恋と愛の説明…ですよね?」
「は、はい。そうです。」
「私も、そんなに達人というわけでもありませんので。大したことは言えないのですが…」
「わくわく。」
「『恋』とは『心』が『変』と書きます。そして『愛』とは『心』を『受』入れると書きます。 思うに、恋とは人を想う心が掻き乱されるさまを言うのでしょう。 愛は、文字通り、相手の想いを、心を受入れることだと思います。」
「じゃあ、恋は一人で出切るけど、愛は一人では出来ないってのは?」
「恋は相手を想う自分を指すのですから、一人でもできるのでしょう。しかし、愛は相手の方が自分の 心を受入れてくれる状態を指すのですから、自分と相手の方、二人必要だと思います。」
「へ〜さすが人妻!思わず納得しちゃったよ!」
「らぶりぃーソルジャーとは思えない発言ですね。」
「うるさいな生娘は!自分だって分からなかったでしょ。」
「そりゃ、僕は別に愛戦士じゃないし。」
「へ理屈言うな!」
「なんでやねん!」
「答えに満足されたようですね。そろそろ、おいとましたいのですが。」
「いや、またれいママさん!」
「なんですか?」
「いや、ここまできたらママさんの恋愛体験も聞きたいなぁ、と思うわけですよ。」
「…恋愛体験?」
「そう、パパさんと出会い、恋愛し、結婚するまでの一大叙事詩!」
「…あまり、面白いものではありませんよ?」
「え〜いいじゃん。教えてよママさん。」
「…止めた方が良いと思いますよ。」
「なんで?アンタは気にならないの?パパとママのよもやま話!今後の私らの恋愛に大いに役にたつと思うよ。」
「いや…その…僕、知ってるし。」
「あれ、そうなの?自分ばっかり、ずるいな〜」
「…私の体験を聞いて何かを学ぼうと?」
「そそ、決して興味で聞いているわけじゃないよ〜」
「…一般的な恋愛に馴染まないから。止めた方がいいと思う。」
「んなもん。聞いてみなくちゃわからないじゃない。ね、いいでしょ?」
「…わかりました。良いでしょう。」
「やっほ〜!今夜は焼肉だ(意味不明」
「…ただし。」
「はい?」
「…途中退場は許しませんよ?」
「お、おう。」

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