お陽さま日記    ははじま写真館   ははじまメモリー    

                     海いろえのぐ

                        

                  
        母島で作った童謡詩です。
            自然がすばらしいと言葉が出てきません。
           そのままの景色を切り取って、みなさんに見て
                  いただけたらいいのですが。

 
             童謡誌に投稿していたので、曲()をつけて
                    いただいたものもあります。
     
                                    


南の島のわっち  ファイトガール・ファイトボー

南の島のおさるさん
  南の島のこいのぼり

夏の終わりの落としもの
  わすれた夏  

にんぎょのきっぷ
  
さかなかな?  

ジャンプ コンテスト
  わ わ わ   めぐろ めじろ 

波のおてがみ  月夜のぶらんこ  浜辺の海

海いろえのぐ
  常夏のお正月  ここがすき(一) 

ここがすき(二) ガジュマル(一)  ガジュマル(二) 

船出 十五の春  


海の大地
成17年度青森県八戸市中学校作曲コンクール
課題詩(中学2年生)



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おんやけのしま

こんぺいとう

  花吹雪
成19年度青森県八戸市中学校作曲コンクール
課題詩(中学1年生)





   南の島のわっち


みなみのしまに やってきた
おとこのこみたいな おんなのこ
なんでもやれるって おもってたけど
はじめてであう ことばかり
こんなはずじゃ なかったと
ないたひも あったよね

いまでは すもぐり10メートル
島の子みたいねって
いわれてる


みなみのしまに やってきた
ファイトいっぱい おんなのこ
どこでもやれるって おもってたけど
はじめてであう ことばかり
こんなはずじゃ なかったと
およぐふりして ないてたね

いまでは えんえい3キロ
すっかり島の子ねって
なじんでる

  さいこう わっち
  きみのげんきは せかいいち



   ファイトガール・ファイトボー


ドンマイ ・ドンマイ
ファイトガール
おでこだして わらってごらん
そうそう そのえがおがいちばん
ほら がんばるちからがわいてくる
なやみのハードル いどむとき
きみは おとなになっていく
ファイ・ファイ・ファイト
       ファイトガール

ドンマイ・ドンマイ
ファイトボーイ
たちどまって わらってごらん
そうそう そのえがおがいちばん
ほら もいちどちょうせんしたくなる
なやみのハードル こえるたび
きみは おおきくなっていく
ファイ・ファイ・ファイト
       ファイトボーイ

ハードルがたかくても
こえられるんだって
きみはそれを おしえてくれる
そうそう ないても かまわないんだ
でも じぶんのちからをしんじよう
なやみのハードル こえたとき
きみは やさしくなっていく 
だれよりも だれにでも
         やさしくなれる
  
  ファイ・ファイ・ファイト
  きみはさいこう




  
南の島のおさるさん


 南の島の おさるさん
 あつくて あつくて 水あびだ
 このさい けがわも ぬいじゃおう
 すっぽり ぬいで ポンととぶ
  しおみず ちょっぴり しみるけど
  やっぱり みずあび さいこうさ

 南の海の かにさんは
 ぶくぶく ぶくぶく 大わらい
 あぶくを すこーし わけとくれ
 ついでに けがわを せんたくさ
  ごしごし けがわを あらっちゃお
  とにかく きれいに あらっちゃお

 ゆうやけぞらが まっかっか
 のんびり しすぎた おさるさん
 ほしてた けがわを とりにいく
 なんだか ようすが ちがうけど
  そろそろ けがわを きなくっちゃ
  パンパン はたいて きなくっちゃ
 
 おもいついたは いいけれど
 せんたく しすぎて ちぢんだよ
 おしりの とこだけ でちゃったよ
 まっかな おしりが はずかしい
  かにさん かにさん わらうなよ
  はさみを たてたて わらうなよ



   
南の島のこいのぼり


 南の島のこいのぼり
 風にふかれて おもったよ
  この空およいで
  海とくっつく とこまでいこう
 水をあびたら
 このからだ
 きらきらひかる 
 ほんとのコイに なれるはず

 南の島のこいのぼり
 風にねがいを つたえたよ
  ぼくをのっけて
  海とくっつく とこまでいって
 ひかるからだを
 もらったら
 さがしにいくんだ
 ぼくのうまれた あの川を

  だけどだけど ぼくはコイ
  しょっぱい おみずじゃ
               およげない


    
夏の終わりの
          落としもの



 夏のおわりの おとしもの
 波いろいとで つながれた
 きらきらひかる さくら貝
 
   にんぎょひめの
         ものかしら

 夏のおわりの すなはまに
 のこされていた くびかざり
 見ているだけで こわれそう

   にんぎょひめの
         ものなのね

 夕陽にひかる くびかざり
 にんぎょひめの さがしてる
 さみしい声が きこえたの

   海のおしろへ
         かえしましょ



  
わすれた夏 


 だれかが わすれた夏を
 見つけたよ
 ちっちゃなさくら貝の
 はいったふくろ
  あけると
  夏のにおいがしたよ

 だれかが わすれた夏は
 すなのなか
 にじいろさくら貝の
 はいったふくろ
  あけたら
  夏がかえってきたよ

 えがおの夏も なみだの夏も
 かえってきたよ
 ほんの少しの あいだだけ



   にんぎょのきっぷ


 お陽さま おちる そのまえに
 さんかくがいを みつけてね
 かいがらいちまい もらえると
 だれでも にんぎょになれるって
 ひらひらマンタが おしえてくれた
  サンゴのトンネル ぬけたとこ
  さんかくがいを みーつけた

 さんかくがいは あきれがお
 こんな おきゃくは はじめてだ
 かいがらいちまい つかっても
 ほんとに にんぎょになれるかな
 おしゃれカサゴも ためいきついた
  わらいをこらえた さんかくがい
  それでもいちまい くれたのさ

   き き きっぷ
         にんぎょのきっぷ
   ぼくも これで 
         にんぎょだ、ね?


    
さかなかな?


 さかな?かなかな さかなかな?
 マスクとフィンに スノーケル
 バッチリつけて 海へゴー
 はじめにであった イルカさん
 ビックリ顔で こういった
 きみって なんだかへーんだよ
  しんしゅのさかなを はっけんと
  りゅうぐうじょうへ ごほうこく

 さかな?だねだね さかなだね
 さんてんセットと いいまして
 キッチリつけて 海へゴー
 そのつぎであった イルカさん
 なぐさめ顔で こういった
 きみって やっぱりへーんだよ
  しんしゅのさかなは ぶかっこう
  りゅうぐうじょうへ ごほうこく

 さかな?かなかな さかなかな
 マスクとフィンに スノーケル
 シッカリつけて 海へゴー
 さいごにであった イルカさん
 なっとく顔で こういった
 きみって かざりがすきなんだ
  しんしゅのさかなは へんなやつ
  りゅうぐうじょうも くびひねる



    
ジャンプ コンテスト


 月夜の海で
 ボラさん はねた
 いち、に、の、さんで
  ちゃぽん ちゃぽん 
 波のわ ふたつ ひろがった
 どっちのポーズが いちばんか
  ジャン ジャン 
      ジャンプ コンテスト

 うろこが輝く
 ボラさん ピカリ
 さん、し、の、ごで
  きゅるん きゅるん
 波のわ ふたつ よこっとび
 どっちのえんぎが いちばんか
  ジャン ジャン 
      ジャンプ コンテスト


  しんさいんの お月さま
  波にうつって ゆらゆらと
  とってもなやんで いるみたい



    わ わ わ


 わ わ わ
 くじらのしおふき
 ふきあがる

 え え え
  あれがそうなの?
 なんかへん

 ね ね ね
 ふんすいみたいじゃ
 ないんだね

 ほ ほ ほ
 くじらのしおふき
 にじがでた

  ちいさな ちいさな
  にじがでた



    
めぐろ めじろ


 めぐろくろくろ
 かめんがにあう

 めじろしろしろ
 かめんがほしい

 めぐろになれず
 ないているのか

  いえいえ そうではありません

 めじろしろしろ
 すずしいめもと

 めぐろくろくろ
 かめんをはずし

 めじろになれず
 ないているのか

  いえいえ そうではありません

 めぐろはめじろ
 めじろはめぐろ
 どちらもどちらも かわいいと
 ほめてほめて ないているのです




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波のおてがみ


 すきとおった 海のそこ
 だれがかくのか てがみがみえる
 こまかいもじが びっしりと
 すなのうえに のこってる
 あさおきて って 
 いちにちのこと
 ぜーんぶ かいてあるのかな

 すかしてみる 海のそこ
 だれがかくのか てがみがあるよ
 ゆったりもじで たのしげに
 すなのうえで わらってる
 よるにはね って 
 いちにちのこと
 みーんな かいてあるのかな

  だれにだすのか 波のおてがみ
  だれがよむのか すなのおへんじ
  
    わたしにくる
      おてがみだったら
          いいのにな 



    
月夜のぶらんこ


  月夜のぶらんこ
  だれがのるのでしょうか?
   しっとり夜つゆが
   おりてきて
   そおっと ゆめをみるのです

  月夜のぶらんこ
  だれがのるのでしょうか?
   さわさわ夜かぜが
   ふいてきて
   そおっと うたをうたいます

  月夜のぶらんこ 
  だれがのるのでしょうか?
   しずかな夜ふけの
   ひとときに
   そおっと 月がのりました



   浜辺の海


 しおがひいたら 
 はまべのあそび
 ここは
 ほんの少しまえ 
 海だったところ
 さかなさんが 
 むれてたところ
  今は 
  わたしのあしあとが
  のこる

 波うちぎわを 
 あるいているよ
 ここは
 ほんのさっきまで 
 海のそこだった
 貝や石が 
 お陽さまをあびて
  今は 
  わたしのあしあとが
  のこる



    
海いろえのぐ


 はまべに おちてた
 海いろえのぐ
 ひとおし だして
 ぬったらね
 はじめは とうめい
 水のいろ
  まぶしくかがやく
  水のいろ

 はまべで ひろった
 海いろえのぐ
 ひとふで かさね
 ぬるたびに
 ふかーい ふかーい
 海のいろ
  すいこまれそうな
  海のいろ


   なみのおとまで
   きこえたよ





   
常夏のお正月


 とこなつの 
 島のおしょうがつは
 海びらき
 初日の出 むかえたら
 ひとおよぎ
  雪はないけど
  波のゆらめき
  ひときわひかる

 とこなつの
 島のおしょうがつは
 海びらき
 初日の出 うけながら
 ひとおよぎ
  ハイビスカスの
  赤いいろより
  かがやくえがお

 とこなつの
 島にいわいのたいこ
 なりひびく
 ふくのかみ 波にのり
 初およぎ
  おどりにカヌー
  えがおはじける
  にぎやかな海




    
ここがすき(一)


 ちいさい山だけど
 ここから見おろす
 けしきがすき
 わたしの町が
 ひと目でわかる
  小剣先山(しょうけんさきやま)

 みなみのはしだけど
 ここから見わたす
 けしきがすき
 ゆったりまるい
 ちきゅうがわかる
  小富士(こふじ)

 ははなる山だから
 ここから見おろす
 けしきがすき
 ちいさな町を
 すっぽりつつむ
  乳房山(ちぶさやま)



    
ここがすき(二)


 しおかぜふくばしょ
 ここからながめる
 けしきがすき
 クジラのブロー
 ジャンプ見える
  鮫ヶ崎(さめがさき)

 さんごのしろいはま
 ここから見ている
 けしきがすき
 マリンブルーの
 しぶきが上がる
  南崎(みなみざき)
 
 いしづみのこるはま
 ここから見わたす
 けしきがすき
 さかえた町も
 ガジュマルしげる
  北港あたり



    
ガジュマル(一)


 ガジュマル、ガジュマル
 いれておくれ
 こんなひざしの つよい日は
 さりげない やさしさひめる
 あなたのこかげが 
     いのちをうるおす

  とおいむかしの 人たちも
  ながれるあせを ぬぐってた
  南の島の ガジュマルよ


 ガジュマル、ガジュマル
 いれておくれ
 どんなスコール おそっても
 からだごと つつんでくれる
 あなたのこかげが 
     大きなかさだよ

  とおいむかしの 人たちも
  きっとまってた 雨あがり
  南の島の ガジュマルで



    
ガジュマル(二)


 ガジュマルをくぐると
 会えるんだよ
 錆びた砲身(からだ)を 横たえて
 今は 小鳥たちも
 羽を休め
 のんびり 歌っているよ

 ガジュマルの奥には
 歴史がある
 磨かれた砲身(からだ)は 空を向き
 暑い 昼下がり
 敵を狙って
 激しく 火を噴いていた

 ガジュマルは知ってる
 少し昔
 人と人とが争って
 あの日 消えた生命(いのち)
 どちらの目にも
 涙が 光ってたことを



    
船出 十五の春

  たいへいようの この島に
  十五の春が やってくる
 おさない えがおの この子たち
 ここから ひとりで たびだつよ
 どんな ことばを つくしたら
 はげます ちからに なるだろう

  たいへいようの この島は
  十五の春が ひとりだち
 すなおな えがおの あの子たち
 これから ひとりで いきていく
 どんな ときにも まえをむき
 あるける ことばを おくりたい

  たいへいようを わたってく
  十五のきみが わたってく
 じぶんの みらいを しっかりと
 見つめる ひとみが かがやくよ
 いつも ぜんりょく がんばった
 ここでの まいにち わすれずに

   はるなつあきふゆ かけぬけた
   十五の春は ふなでの日



    海の大地


 海の底にも大地があった
 ゆるぎのない 大地だった
 いとおしくて ほおずりしたよ
  遠い遠い昔
  ここで 生命が
       生まれたんだ

 海の底には 大地があるよ
 堅く広い 大地だった
 身体を寄せ 抱きしめたのさ
  遠い遠い昔
  ここで 生命が
        始まったんだ

 ぼくの身体を 大地が包む
 おかあさんと つぶやいてた
 時間を超え 帰ってきたよ
  遠い遠い昔
  ここで ぼくらは
        生まれたんだ



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           おんやけのしま           


島の暮らしは、それぞれです。
三宅島にいたときも楽しい思い出がいっぱい。



平成12年、噴火災害による全島民避難を受け、三宅島への想いを込めて


童謡詩で観光案内です
坪田・三池港から北に向かって周回道路をまわります



昭和61年から63年まで
島にいたときに創った童謡詩






平成12年、噴火災害による
全島民避難を受け、
三宅島への想いを込めて



    
御焼(おんや)けの島(一)

 その昔 焼け石によって
 できたといわれる
 御焼けの島 三宅島
 神が造り賜いし島は
 火を噴きつつも
 人を育んできた

 いく度となく 火を噴いて
 姿を変えた
 御焼けの島 三宅島
 人の力の及ばぬところで
 生命(いのち)を生みだし
 自然を育んできた

 遠い記憶が 語りかける
 信じることだ
 御焼けの島 三宅島
 人を 自然を育(はぐく)む島は
 火を噴きつつも
 未来を造っていると



   
御焼けの島(二)

 はるか昔
 海から 噴いた
 火の噴石(いし)で できたという
 御焼けの島 三宅島
 激しい力で 生命を生みだし
 やさしい力で 自然を育てる
 緑あふれる 愛しいところ

 神様が造られた島だから

 くり返される
 噴火を 乗り越え
 生命(いのち)は よみがえる
 御焼けの島 三宅島
 黒潮流れる 豊かな海は
 時に厳しく 人を育てる
 水のきらめく 愛しいところ

 神さまがくださった島だから

 島の姿は
 変わっても やがて
 訪れる 憩いの時間(とき)
 御焼けの島 三宅島
 陽の光あふれる 私たちの島
 鳥や花や木や さかなや風さえ
 両手いっぱい 抱きしめるところ

 神さまが造られた島だから

 島を想い
 信じて 待っている
 再び 暮らせる日を
 御焼けの島 三宅島
 陽の光あふれる 私たちの島
 鳥や花や木に さかなや風さえ
 生命輝く 愛しいところ

 神さまがくださった島だもの



   
島の四季

節分の嵐が 終わり
水平線が もやってくると
カジキマグロの 背を追って
突きん棒船(つきんぼせん)が 走りだす
大島桜の蕾も ふくらんで
ウグイス ケキョケキョ 鳴く声に
フリージアの香り 満ちてきた
三宅島の春は ひとあし お先

夜の波間に 漁り火 揺れて
雨の絵の具が アジサイ染める
雷さまが 稲妻を
海に投げ入れ 梅雨明けだ
アカコッコも 涼を求める 島役所
富賀(とが)さまの 御神輿 渡せ
渡さぬと けんか祭り 勇ましく
三宅島の夏は 暑く 燃える 

ソウダガツオが今年も きたと
カツオ鳥が なぶらを報せる
海の色が 濃くなったら
雄山の 展望台へ
雪をかぶった富士山を 見に行こう
十五夜が 欠け始めると
そろそろ エビ網 用意して
三宅島の秋は ゆっくり 暮れる

島の名物 西風 強く
波に埋もれる すとれちあ丸
富賀さまの 御札がまわり
お正月の 獅子舞くるよ
船祝い 大漁願い にぎやかに
ヤブ椿に メジロ 飛んで
アシタバ ツーンと 芽をだした
三宅島の冬は 駆け足だね



   
三宅の海

黒潮 流れる
三宅の海は
生命あふれる 豊かな海
くりかえされる 噴火さえ
抱きしめて
海の幸を 与えてくれる

黒潮 厳しい
三宅の海は
生命育(はぐく)む 温(あたた)かな海
襲いかかる 嵐さえ
耐え抜いて
海の幸を 育ててくれる

黒潮 流れる
三宅の海は
生命行きかう 不思議な海
世界じゅうを 旅しては
人をものを
島の幸と 届けてくれる



   
おしえてあげる

おしえてあげる
みやけじまは、ね
いきてるしまだよ
だから ときどき ひをふいて
みんなを こまらすこともある
 かざんのしまだから
 しかたないよね

おしえてあげる
みやけじまは、ね
かんばってるんだ
いまは あぶない けむりだけど
もうすぐ あったか ゆげになる
 おんせんたっぷり
 みんなをまつんだ

おしえてあげる
みやけじまは、ね
つよいしまなんだ
そうさ ふんかが おわったら 
みんなで くろうを のりこえる
 ぜったいくじけない
 れきしのしまなんだ



   
おしえてあげる(2)

 おしえてあげる
みやけじまは、ね
いきてるしまだよ
だから ときどき おこるけど
とっても いいしまなんだ

 おしえてあげる
みやけじまは、ね
かざんのしまだよ
だから けむりを ふいててさ
とっても げんきなしまなんだ

 おしえてあげる
みやけじまは、ね
なんどもふんかして
そして おおきく なっていく
まだまだ こどものしまなんだ



   
おねがい

けむりの みやけじまよ
とりさんの
おねがい きいて 
 まいにち おやまへ とんできて
 すをつくるきを さがしてる 
 だから はやく けむりをとめて

はいふく みやけじまよ
さかなさんの
おねがい きいて
 うみにも はいは あるけれど
 ぼくのおびれで かたづける
 だから もう はいをふかないで

けむりの みやけじまよ
はなさんは
じゅんび してる
 はいを おしあげ めをだして
 いろのじゅうたん ひろげたい
 みんな しまが だいすきだから



   
あの日から

あの日から
ぼくは ひとりぼっち
さみしくて さみしくて
まいにち ないているんだよ

 うみから のぼる おひさまも
 やみよに かがやく ほしたちも
 いつもと おなじに
 やってくるのに


あの日から
ぼくは かわったんだ
かなしくて かなしくて
どうしたら いいんだろう

 ひをふいて あたらしい いのち
 みんなと そだててきたのに
 いつもと ちがうと
 ひとりぼっちさ


あの日から
ぼくは かなしみのなか
よあけの ことりのうたも
きくことが できなくなった

 うみから のぼる おひさまも
 よるを てらす おつきさまも
 いつもと おなじに
 やってくるのに



   
おたより

みなさん おげんきですか
ぼくは みやけじまです
みなさんが いなくなってから
まいにち さみしくて ないてます
 おねがいです
 はやく かえってきて くださいね

みなさん おげんきですか
ぼくは みやけじまです
いるかや かじき とこぶし いせえび
そろそろ かえって きましたよ
 もうすぐです
 みなさんを むかえるじゅんび

みなさん おげんきですか
じかんが かかりましたが
あしたばも つばきも ぐんとのび
みなさんを まっていますよ
 まもなくです
 いっしょに くらせるひは



   
でんごんばん

みやけのとりさん いいました

やまには けむりが でてるけど 
わたしのはねで ふきとばす 
だから おねがい
すを つくらせて


みやけのさかなさん いいました

うみにも はいは あるけれど
ぼくのおびれで かたづける
だから おねがい
また およがせて


みやけのはなさん いいました

けむりや はいは あるけれど
はるのつぼみは ひらきます
そして いつもの
きせつが はじまるの



   
まってるよ

てつのぼう うちこまれ
ぼくは ひめいを あげる
でも がまん
こうしなければ
みんなと くらせない

コンクリート いれられ
ぼくは くるしくなる
でも がまん
これをやらないと
みんなと あえない

さぼうダム ひなんじょ
ぼくの からだが かわる
でも がまん
こうしなければ
みんなと くらせない



   アカコッコ

アカコッコ アカコッコ
こっこって いっても
にわとりじゃないの
あなたは いま
どこにいる
 みくらじまに
 みんなで いそうろう?

アカコッコ アカコッコ
むねの あかいろが
とっても おしゃれ
あなたは いま
なにをみてる
 みくらじまから
 みやけを みてるのかな

アカコッコ アカコッコ
みやけじまの
アイドルだもん
けむりを よけ
ガスをさけ
 みやけじまで
 しっかり おるすばん?



童謡詩で観光案内です。
坪田・三池港から東に向かって周回道路をまわります。




   
三池(みいけ)港

三宅島の玄関だよ
東京からの船は
午前五時到着
マストの向こうに
お陽さまが昇る

三宅島の玄関だよ
東京へ向かう船は
午後一時到着
マストのかなた上
お陽さまは照らす

三宅島の玄関だよ
でもね、東風(ならい)の
強い日は
阿古(あこ)の港へ船が着く
波が騒ぐだけの
静かな港になるんだ



   
三池浜

松並木を通って
浜に出る
太平洋の波が
うち寄せる

黒い砂利の浜
三宅島が
火山の島だって
よくわかる

初めて泳いだとき
驚いた
波の強さも 今は
それが好き



   
サタドー岬

地獄のような恐ろしさっていう
ヒンズー語の岬
サタドー岬

地獄に引きずりこまれないように
灯りをともす
灯台がある

灯台守のその人は 穏やかな笑顔
嵐の夜を守る強さを
内に秘めている

遠く外国航路の船も 漁船も
灯りを頼りに
荒海を渡ってく

眼下に切り立つ崖に向かって
砕ける散る波
サタドー岬



   
三七(さんしち)山

昭和37年の噴火あと
山から海へと
溶岩が流れたんだよ

その向こうには
ひょうたん山
昭和15年の噴火あと

左下には赤場峡(あかばっきょう)
溶岩台地が広がる
山へと
目を凝らすと
緑の木々の縁に
電柱が立っている

昭和の初めは
ここも浜だったと
聞いている

三七山に立つと
噴火の歴史を
見ることができる

幾度も噴火に遭いながら
島を捨てなかった
人たちの想いが見える



   
あじさい園

三宅島の花は
がくあじさい
雨の多い この島に
とても似合う花

三宅島の花は
がくあじさい
すうっと伸びた その姿
強い意志の花

三宅島の花は
がくあじさい
目立たないけど
いつも傍(そば)にあるね



   
火ノ山(ひのやま)峠山展望台

驚いたよね
ここから
大島の噴火を見たとき

大島の噴火は
外輪山から出ないって
聞いてたのに

火の柱が
どんどん
島の真ん中から
海へ向かい始めた

あれから
大島は全島民避難

一ヶ月だったよね

三宅島だって
そのつもりだったのに
いつか
一年を過ぎた

噴火は御神火(ごじんか)だもの
困難は
きっときっと
報われるよ



   
釜の尻

名前の由来は
塩を作った
『釜』からだって

浜は狭いけど
ちょっと
マイビーチみたい

浜の入り口に
アーチが
あったよね



   
島(しま)役所

島役所の庭に立つと
ひんやりした風が吹いてくる

耳を澄ますと
流人(るにん)の声が聞こえてくるような
静けさのなか
ビャクシンの枝が揺れる

島役所の庭には
時代を留める風が吹いている

雨風に耐え抜いた
乾いた色のお屋敷に
サワサワと秘やかな
木々のざわめきがよく似合う



   
小次郎(こじろう)井戸

都道から 入った道の奥
ひっそりと 水をたたえる
小次郎の井戸

罪人でも 情けあり
島人のため 井戸を造る
夏の照り返しに
流人の智恵が息づく

天水(てんすい)槽が できた今は
使う人もないけれど
この島の歴史の語り部



   
伊豆岬

かわいい灯台 伊豆岬灯台
しっかり太平洋を
にらんで立っている

その磯では 
明治のころ
島に来た 最初の駐在さんが
疫病対策中に 殉職
島民に惜しまれ
天へ昇ったところ

なにもかも洗い流すような
激しい波も
仕事に殉じた人の話までは
流さない



   
大久保浜

クサヤのにおいが立ちこめる
潮のにおいと立ちこめる

江戸時代
保存のためにあみだされた
智恵の結晶 クサヤ

百年以上も熟成された
貴重なたれは
毎日手を掛けてこその
言いしれぬ味

ひとり どうしているのだろう



   
おまわりさん

雨の日も 風の日も
町の安全 見守って
やさしい笑顔で
立っている

まっすぐ 前を向き
真一文字に 口結んで
ルール違反は
見逃さない

伊ヶ谷の 坂道
人形だけど 島一番
がんばってるから
人気者

雨の日 風の日
嵐の日 ひたすら
立ち続ける
おまわりさん



   
伊ヶ谷(いがや)

急峻な土地に
肩寄せ合うように
暮らしている人たち

この噴火で
一番被害が大きかったと聞いている

伊ヶ谷の港は
ダイビングスポット
たくさんのさかなたちは
ちゃんと避難しているだろうか

ふたたび
さかなの楽園ができているだろうか



   
夕焼け

伊ヶ谷から阿古への
最後のカーブを曲がり
開けたところへ出る

海も空も
真紅(まっか)に染まって
境がわからない

あまりの紅さに
息苦しくなる

夕焼けが
思いっきり
大きく背伸びしている

そんな瞬間に
出くわし
戸惑いながら
ようやく 息をする

紅い空気が
身体へ入り 私までもが
夕焼けの紅に
染まっていく



   
温泉

しょっぱいね この温泉
海の味がするよ
だからね
こうして泳ぐと
すっかり さかな

しょっぱいね この温泉
海から来るんだもん
だからね
からだがプカリ
浮いちゃうんだ

しょっぱいね この温泉
さかなは気をつけて
だってさ
お湯に当たって
煮えちゃいそう



   
錆ヶ浜(さびがはま)港

阿古の港だよ
坪田が雨でも
阿古は晴れ

雄山に雨雲
ひっかかり
阿古はキラキラ

いい天気
小さな島なのに
ぜんぜんちがうね



   
富賀(とが)さま

島の神さまだよ
お祭りは二年に一度
すごいお祭りなんだって

御神輿を
渡せ 渡さぬ
引き合い 押し合い
もみ合う島人

見たかったなあ
その元気 
もらいたかったなあ



   
雄山

新澪池から見上げると
雄山(おやま)は貴婦人のよう
ドレスの裾を
海へ引き
気高くそびえる

七島展望台へ登ると
墨汁を垂らしたような
溶岩の帯
ゆるゆると
海へ落ちていく

雄山の機嫌がいい日には
海の彼方その向こう
富士のお山の
雪景色
見せてくれるんだ



    
笠置(かさじ)観音

牛が草を食む
そのそばに
ひっそり佇(たたず)む
観音さま

古いシイの木に
山桜
宿ったのは
いつのこと

観音さまは
子授けの
御利益(ごりやく)あると
伝えられ



   
新澪池(しんみお[みょう]いけ)

水蒸気爆発して
池の水
みんな吹き飛んで
深い深い 底が見えるよ

その底にも緑の芽
いつのまにか
小さな水たまり
いつかいつか 大きくなるの?

ずうっと先の未来
池の水
淵まで増えたら
緑濃い 森に囲まれる



   
大路池(たいろいけ)

おーい
おーい
声が返ってくる
静かだけど
にぎやかなんだ
ことりたちの
集会所があるんだもん

おーい
おーい
だれもいないのか
静かだけど
うるさいくらい
シイの木たちの
昔話が聞こえるのさ

おーい
おーい
声は返ってこない
淋しいときは
迷子シイのそば
待ってていて
きっと迎えに行くから



   
長太郎池(ちょうたろういけ)

長太郎池は
すてきなところ
さかなさんと
友だちになれる
すてきなところ

長太郎池は
すてきなところ
海の底まで
透きとおった
すてきなところ

長太郎池は
すてきなところ
自然が造った
溶岩プール
自慢の場所だよ

長太郎池に
おいでよ そしたら
きっと 海が
大好きになる
そんなところ



今はいくつ、この童謡詩のように見えるところがあるのでしょうか。



昭和61年から63年まで
島にいたときに創った童謡詩




   すき! すき! すき!

すき!すき!すき!
あたし だあいすき
みやけじま
さかなさんと いっしょに
おおきな なみのり
できるんだもん

すき!すき!すき!
おいら だあいすき
みやけじま
ぷかぷか しんはっけん
わしおよぎ おしえて
くれたんだもん

すき!すき!すき!
みんな だあいすき 
みやけじま
だれにも ないしょだけど
りゅうぐうじょうの
うみなんだもん



   
ぼとる

ぼとる きかせて
あなたの たびを
ふねと わかれて
ながいあいだ
いろんな
うみを みたのでしょ
ぜんぶ おしえてくださいな

ぼとる はなして
あなたの みたもの
くじらに であった
そのときに 
しおふき 
てんまで とどいたか
ちゃんと おしえてくださいな

ぼとる きかせて
うみの ものがたり
ちいさな かいの
ひとりごと
いくつも 
しっているのでしょ
そっと おしえてくださいな



   
たいふう

たいふうって
ひらおよぎで
やってくるのかな
とおい くにから 
およいでくるんだから
とっても
じょうずなんだろうな

なみが たかく
ちかづいたって
いうはなしだし
わたし クロール
とくいじゃないから
ちょっと
おしえてもらおうっと

ねえ ほんと?
たいふうって
「め」でおよぐの?
こまったなあ
わたし「め」だけじゃ
およげない
どうすればいいんだろう



   
ゆれてる うみ

うみの ゆれてる日は
さかなさん
おうちで 
じっとしてるのかな
まい子になると
こまるから

うみの ゆれてる日は
えびさんも
おうちで
テレビをみてるかな
おぼれちゃうと
こまるから

だけど うみのそこは
へいきだよ
みんなで
みずのダンスしながら
ゆれてるそらを
みてるんだって



   
ながれぼし    

ながれぼし ひとつ
おねがいがあるの
あれれ? もうきえちゃった
まだ なんにも
いってないのに

ながれぼし こんどこそ
おねがいするぞ
さんかい いうあいだだけ
じっと しててね
きえちゃだめ

ながれぼし いじわる
すぐにきえちゃう
スローモーション スタート
なーんて やれたら
いいのになあ



   
かみなりさま

なんてったって
すごいよ
みやけじまの かみなりさま
やねのうえで
ドンガラ ドンガラ

パンクやロックも
かなわない
てんじょう ぬけそうな
でっかい おとだよ

なんてったって
すごいよ
みやけじまの かみなりさま
みみをとじても
ドンガラ ドンガラ

じゅうていおんの
はくりょくだ
まどに ひび はいりそうな
おもーい おとなの

でもでもでも さ
もっとすごいのは
うちの おとうさん
そんな かみなりさま なんか
へっちゃら

ぜったい ぜんぜん まーったく
めを さまさない

かみなりさま くやしがって
いなづま ズンズク
うみへ ほおりこんでく



   
うみへいこう

ふねにのって うみへいこう
おおしおの ひだけ でてくる
ぼくだけのうみ
おびれのかけた べらすけが
ずいぶん おおきくなったなあ なんて
いってくれたら さいこうだね

ふねにのって うみへいこう
おおしおの ひを まちかねて
でてくるうみ
にいさんがおの べらすけは
くじらの しゅぎょうのたびにでた かもな
なみにてがみを あずけたよ

ふねにのって うみへいこう
ほんのすこしの あいだだけ
ぼくだけのうみ
たいようゆらゆら ゆらして
そのとき ぼくはにんぎょになる のかも
ぶかっこうだけど わらうなよ



   
さびき

さびき びき びき
さかなつり
あたしだって
ちゃんと つりできる
タカベに アジっこ
ふいふいふいっと
さお ゆらし
みごとな もんよ

さびき びき びき
さかなつり
あたしったら
じぶんを つっちゃった
ブシブシ にほんも!
がっちり はまって
どうしよう
みごとな もんね

さびき びき びき
さかなつり
あたしって
ちっとも こりないの
ささった つりばり
ペンチで とっちゃった
こんどこそ
ねらうは おおもの!



   
みやけのすいか

とっても あまーい
すいかです
おひさまと
しおかぜが
こころを こめて
つくります

とっても あまーい
すいかです
ひのやまと
すこーるが
てしおに かけて
つくります

とっても あまーい
すいかです



   
まっててね うみ  

あのさか くだって
みどりかおる つばきの
トンネル ぬけると
あおい うみ
なみに ゆらめく サンゴが
はやく おいでと
てまねきする
まっててね うみ

あのかど まがって
まっかな ハイビスカス
とまれと ゆれてる
そこは うみ
コバルトブルーの さかなさん
いっしょに およごうと
ジャンプする
まっててね うみ

りょうて いっぱい
すきとおった うみのみず
かかえて およぐと
もう さかな
うみのまちは なないろの
いろに あふれる
竜宮城
まっててね うみ



   
さつまいも  

『いもほりしよう』
はりきって ほったよ
でも でてこない
なにがって?
いも いも さつまいも

『はやくほろうよ』
がんばって ほったよ
でも ないんだよ
なにがって?
いも いも さつまいも

『なさけないなあ』
おとうさん つぶやいた
『おれ、ひゃくしょうの
むすこだよ』
でも ない さつまいも



   
よぞら      

おつきさま
きょうは とっても
きれいね
すんだそらに
こうこうと
あなた ただひとりの
ステージ

おほしさま
きょうは とっても
すてきね
やみのそらに
きらきらと
ひかりの じゅうたん
しきつめて

よぞらって
とっても ふかいうみ
きらめく
つきとほしの
きそいあい
ひごと つむいでいく
にしきおり



   
たことかぜさん   

きょねんの おしょうがつ
ぼくのたこを もってった かぜさん
みやけのうみから ちきゅうをまわって
いま どこに いるのかな?
あつい あつい ジャングルで
たこのベットに おひるねちゅう?!

だいすきな まんがの
ついたたこを もってった かぜさん
みやけのうみから ちきゅうをまわって
いま なにを してるのかな?
さむい さむい きたのくにで
たこのそりに おおはしゃぎ?!

きょねんの おしょうがつ
きみのたこを もってった かぜだよ
みやけのうみから ちきゅうをいっしゅう
とおくの くにの おともだちに
もひとつ ほしいって たのまれた
きみのたこ もらいにきたよ!



   
しまのはる    

かぜが はるをつれてきた
あたたかいはるを つれてきた
うぐいす うかれて うたいだす
せんたくもの はじくおとに
あわせて
ほーけきょ けきょ
もうすこしだね
しまのはる

あめが はるをつれてきた
やわらかなはるを つれてきた
うぐいす うかれて うたいだす
かだんでゆれる あねもねに
あわせて
ほーけきょ けきょ
もうすこしだね
しまのはる

うみが はるをつれてきた
けぶってみえない すいへいせん
うぐいす あいのうた うたいだす
やわらかなかぜに こころまで 
はるになる 
ほーほけきょ
なかなかいいね
しまのはる   


   
なみのこもりうた

さざなみは 
とおい むかしの
こもりうた
つよく やさしく 
くりかえす
はてない
ははの こもりうた

くちた貝
そっと てのひら
ころがすと
ゆらり ゆらゆら
なみのかげ
しずかに
あまく こもりうた

めをとじて
はまべに ひとり
たたずむと
つよく やさしく
つつみこむ
はてない
なみの こもりうた



   
よる     

このまちでは
よるは なみのおと
ねおんの
さわがしさもなく
ただただ
しずかな
よるの やみのなか

わすれていた
つきの ひかり
まどから
ひっそりやってきて
やみのめに
まぶしい
よるは つきあかり

このまちでは
よるは やすらぎ
ことりも
さかなも ひとも
あしたを
いきるため
どっぷり ねむる



   
すこーる   

すこーる ながせ
かなしみ すべて
こころの おもさを
ながしだせ

すこーる ながせ
くるしみ すべて
こころの いたみを
わすれたい

すこーる ながせ
みなみの しまの
こころの あかるさ
もどるまで



   
しゃぼんだま

ゆらめく 光の模様つけ
心の悩みを 吹き込んだ
あの日の しゃぼんだまは
どこへ行ったのだろう
空へ 飛ばしたつもりなのに
あんまり重すぎて
地面へ 落っこちたのかしら

あきずに くり返し吹いて
心の哀しみを 閉じ込めた
あの日の しゃぼんだまは
どこへ行ったのだろう
高く 飛んでいったようなのに
あんまり哀しすぎて
涙で 消えてしまったのかしら

誰にも いえない苦しみは
しゃぼんだまに 閉じ込めて
消してしまえばいいのに
忘れたくないと
あの日の しゃぼんだまは
いつまでも 色あせず
私の心の中に 飛び続ける



   
とうきょう   

とうきょうには
ものれーるがあって
すごいんだ
まどから
にかいだてどうろが
みえるんだよ
みらいの せかいだね

とうきょうには
よるがないみたい
ピカピカリ
ねおんや
しんごうきがいっぱい
あかるいんだ
いつ ねるのかなあ

とうきょうには
しまにないものが
たくさーん
だけどね
うみややまやそらが
どこにもないね
なんだか さみしいね



   
じけんです

ちゅうざいさん たいへん
たろうくんが!

おむかいの おみせは
おおさわぎ

たろうくん てすりに
あたまを いれて

とるに とれない
おりのよう

はては
てすりを きるかと
おじいちゃん

まて まて
はいったんなら でるはず

あたまを ださず
からだを だして
一件落着

110ばん しようかと
おもったのよ
いわれて
まっかな ちゅうざいさん   



   
イルカ

イルカ
はしる はしる
波を越え

イルカ
よせる よせる
船の舳先

イルカ
わらう わらう
会いたかったよ

イルカ
さわる さわる
光る背びれ

イルカ
はねる はねる
親子かな

イルカ
つづく つづく
追いかけっこ



   
サシバ

サシバが まう
くうるり くるり
かぜに のって
くうるり くるり

サシバが とぶ
くうるり くるり
そら たかあく
くうるり くるり

サシバが まう
ゆうが だけれど
いきるための
たたかいが ある



   
メジロ

やぶつばきに
からだを つっこんで
メジロが チチチ
くちばしも あたまも
まっきいろ

やぶつばきを
クスクス ゆらして
メジロが チチチ
うーん さいこうって
いってるみたい

やぶつばきの
こえだを わたって
メジロが はしゃぐ
またひとつ みやけの
はるがきた



   
野いちご

釜方の道
野いちごの道
潮のかおりを
感じて
いちご摘み

はちまきの道
野いちごの道
草のかおりを
かきわけ
いちご摘み

ひと月かけて
野いちごの道
島をのぼって
季節を
バトンタッチ



   
浜辺

穏やかな日は
お陽さまを うつして
うらうらと
心地よい風が吹く
浜辺のあずまやで
本を読むのが スキ

激しい波の日は
高くあがる しぶきが
どっどどと
浪の花を まき散らす
海と陸の攻防を
ただ見るのが スキ

溶岩の浜辺を
ただひとり 波の音に
とけ込んでく
身体を波にあずけ
私 ゆうらりゆらり
漂うのが スキ



   
桟橋

待ち受ける人も いないのに
水平線に 船が浮かべば
心待ちに 見てしまう
桟橋へ 少しずつ 寄せられる
その時間を 楽しく待つ

接岸した 船に 声をかける
「大変だったね」 太平洋を
越えてきた その苦労
桟橋に 少しの 休息をし
さらなる旅への 力をためる

送り出す人も いないのに
銅鑼が鳴り 手が振られる
長く延びる お別れテープ
桟橋を 離れる 船の無事
心から願って 見送る島人



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