24.FE-163En-s  

コンデンサーの容量アップやエージングの進行で、F-56Ⅱは一応の完成を見た。しばらくは落ち着いて音楽を聴こう、と思っていた。
 とは言うものの、アンプの買い替えは将来に向かって考えている。
 そこで、ハイファイ堂のホームページを見て「うん、AU―α607MRが出てるな。NRAの方がいいかな?12月中は送料サービスかあ。買っちゃおうかなあ、でも聴ける時間が少ないから、ここでまた音が変わるとなあ・・・ありゃ、値下げになったぞ、うーん。」などと、ぜいたくな迷いを楽しんでいた。
 しかし、その「ぜいたくな迷いの時間」は早くも破られてしまった。
 フォステクスから限定ユニット、FE163En-sの販売予約が開始されたのだ。
天板にとりつけ  ユニットの選定については、元々168EΣでは無く、FE-168SSにしたかったのだ。アナログオーディオ再開時にはなにも考えていなかったのだが、その後長岡記事をいろいろ読むうちにそう思っていた。
 FE163En-sはSSではないが、EΣよりはSSに近いだろう。それに今、マグネット2枚重ねのSSのようなユニットが出たら、もっと値段が高くなるし、バスレフにはさらに不向きになるだろうし。
 その限定ユニットがこんなに早く販売されるとは思っていなかった。買うべし!しかし、2本で4万円強・・・安くはないぞ。でもクロスエッジなら長持ちしそうだし。EΣのような高域のデコボコも無さそうだし。
 そうこう思っているうちにユニットは届いた。2本しか注文しなかった。何、そのうち何年か経てば、また限定ユニットが発売されるんじゃないの?と、思っていたから。
 しまって置くことも考えたが、エージングに相当の時間が必要だろうと思ったので、天板のFE-166Eと取り替えた。前面がEΣ、天板がEn-sになったわけだ。天板ユニットだから、音もたいして変わるまい・・・と思ったのだ。  しかし、天板に取り付けたEn-sの音は予想以上に存在感があった。
 うん?天板から、異質な音が放射されている!という感じ。何か違和感がある。能率も高いんじゃないか?EΣより音が大きい感じだぞ。
 うーん、何となく違和感がある。いままでのFE-166Eはおとなしく、「音が出ているはずだよねー、あっ出てる、出てる」って感じだったが、En-sからはウヮーっと音が出てくる感じがある。
 この違和感は能率差なのか?音色の差なのか?En-sはまったくエージングして無いので、そのせいか?
 とにかく、できるだけ音を出してエージングをすることにして、折からの正月休み、子供と母親用の「CD百人一首」のランダム再生をピュアオーディオシステムでガンガン鳴らす事になった次第。
 天板にEn-sをとりつけた事による変化がもうひとつある。それは天板に鉛の錘を乗せたのと同様の効果だ。3Kg超のEn-sを取り付けたことで天板の強度(?)が高まり、叩いても鳴らない感じになった。鉛のインゴットを乗せるのと同じような効果だろう。これは良かった。
天板にとりつけ  以前は、前面に取り付けたEΣのおかげで重量バランスは前よりだった。
 しかし、En-sの取り付け位置は、天板のやや後よりなので、ハコとしてのすわりも良くなった感じだ。
  1ヶ月以上経って、初期エージングは済んだと見て良いだろう。落ち着いて聞いてみると、違和感は無くなった。自然に聞ける。細かい音もよく出る。音の広がりが豊かになったような気がする。
 天板ユニットからの上方への放射、水平方向360度の放射が増えたせいだろうか。ツィーターからの放射は相対的に減ったようにも感じる。
 しかし、違和感はなくなったので、安心して音楽を聴ける状況には戻った。
 この後、さらに2本を追加発注したが、それは押入れにしまってある。(これでアンプ購入資金は不足となってしまった・・・。)
 正面にもEn-sを取り付けるには、おそらくツィーター用の仕切り室が邪魔になるから、そのための切削加工が必要になる。切削は彫刻刀でやるが、補強も必要だし、半田付けも要るし、一日がかりの作業になるだろう。すぐには出来ないからね。
 しかし、5月の連休には天板のEn-sを正面に、新たに購入したEn-sは天板に取り付けたい。これで、同一ユニットによるダブルウーファ、ツインドライブになるな。
 その5月までは、今のシステムのままで音を確認しておこう。5月の入れ替えが終わると、また音が変わるだろうな・・。
 まあ、変えるべき物は変えて、音を確認、調整したいし、エージングも進めたい。
というわけで、アンプは今年の年末までお預けだあ。もっと先になるかもしれん。
2012年1月

25.タンナイとの遭遇
 昔読んだコラム、長岡鉄男の「オーディオ用語怪説」では、タンナイはコアキシャルユニットを使ったスピーカーメーカーでタンナイ音がする、ジム・ダンシングは、元気すぎてダンスをするのにしか使えないスピーカーという事になっていたが、先日、秋葉原の石丸電気でTANNOYのTurnberry を見た。サランネットの美しい仕上げが印象に残った。
 音質優先のユニットむき出しも良いのだが、自作スピーカーのイメージを「古式蒼然」とした私としては、美しいサランネットをつけるのも悪くない。
 いろいろ設計を考えたが、タンノイに似せようとすると凝った設計になり、手間が掛かりすぎる。しかも音質的ににメリットはない。そこで、音質的なデメリットは仕方ないものとして、ある種の音質的メリットを付与できるサランネットを手軽に製作または改良してみることにした。
天板にもセット  具体的には、既存のサランネットを加工する。方法は吸音材(合成樹脂のフィルター)を縦のスリット状に貼り付けて、オンキョーRADIAN―Ⅲ流の指向性改善を図る、という狙いだ。サランネットの持つ音質的なデメリットは残るが、水平方向の指向性改善というメリットを付加しようという考え。これは手持ちのサランネットの改良だ。
 もうひとつは、天板ユニット用のもので、ユニットのフレームがバッフルから11mm出っ張っているので、12mm合板に直径192mmの穴を開けてそれを天板にかぶせ、その上にサランネットを貼る、というものだ。これにもサランネットのデメリットはあるのだが、バッフルの平坦化というメリットを付加しようという考えだ。どちらも、ルックスが良くなるというメリットがある。「オーディオクリニック」でも「ルックスも音質のうち」という項目があったではないか。
 特に、最近は疲れているときなど、フランスものの管弦楽などを多く聴くので、そういう時はサランネットを装着したほうが雰囲気が良くなる。
 天板のサランネット用バッフルは11mm合板だが、鉛シートを貼り、ブチルゴムで天板に取り付けてあるので、ビリツキなどは無い。
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