38.CDプレーヤーのためにラックを強化したらアナログプレーヤーの音質が向上
その日曜は完全休養。ふたりはレッスンなどに出かけたので、ラックの工作(CDP用の棚を追加する)を始めた。しかし、驚いたことにアンプのAU−α607NRAの脚はラックの表面に固着してしまっていた。
どうやら、塗料が夏の暑さや本体18〜25kg(アンプ+CDP)の圧力で接着剤のようになってしまったらしい。下手に引き剥がそうとすると、ラックの破損やアンプに傷を付ける恐れがあるので、動かすのはあきらめ、このまま使うことにした。
アンプが固着したままではラックに釘を打ったりは出来ないので、エポキシ接着剤を使うことにした。幸い、水中ボンドを買ってあったので、それを使った。
最初に端材をコンクリメントで接着して位置決めをし、本体はエポキシで接着、そのあと、左右一箇所ずつキリで穴を開け、木ねじを差し込んで重量を引き受けるようにした。
夜まで待って、固着してからCDPをセットした。
この日は、再び頭痛、のど痛が激しく、合間には寝ていたのだ。先週と同様、クラリスの服用を止めたら、またこの調子だ。頭痛薬、ムコダイン、トラネキサム酸を飲んだ。
合間に、アンプやCDPの端子は丁寧に掃除した。中の穴は歯間ブラシで掃除だ。
さて、家内がオケ練習に行っている夜間になって、ようやく音楽を聴けそうなコンディションになった。
コルトレーンの「バラード」をCDで聴く。先代のCDPよりはずっと情報量が多く、レンジも広く、定位はバツグンに良くなり、音質も申し分なく美しい。CDPを替えた目的は十分に達成された・・・。しかし、LPで聴いていたときの記憶と比較すると、リアルさ、生々しさはイマイチな気がする・・・。
「ギリシャ古代の音楽」をCDで聴く。SACDは廃盤なんだな・・。
しかし、これは素晴らしい音だった。音場広く、一つ一つの音がすごい。
中学生の娘がこの音楽に反応した。おもしろい事だ。
その後でボロディンを聞いたら、あまりきれいな音に聴こえなかった。
LPも聴きたくなったので、ジュリーニ・ロスフィルのマ・メール・ロワを聴く。
あれ?音が違うぞ。このディスク特有の低域のモーターゴロのようなノイズが聞こえない。まったく無くなったわけではないが、弱くなった。中高域も、すっきりした感じがする。その代わり、パチパチノイズは前より強調される感じ。
しかし、音場も広くなった感じだ。うーん、カートリッジは初夏からずっとDL−103、プレーヤーはSL−1200mk3のままなのに。
まてよ、ラックは以前より補強されているな。それにプレーヤーの足回りを整理したんだよな。ラックの天板にプレーヤーを載せているのだが、その天板に電磁波防御シートを敷いていたのを廃止。SL−1200のインシュレーターとラックの間に2mm厚のゴムシートを敷いていたのも廃止。インシュレータはラックに直載せ、ただしラック天板の中央部周辺にゴムシートを敷き、防振に配慮した。ラックの上から2段目には使わないゲーム機、レコードクリーナー、スタイラスクリーナーなどを置いてあったが、それら全部どかしたのだ。ラックの中はスッキリしている。もしかして、それらの影響か?
それらの要素がLPに含まれる低域のノイズを増幅していたのか?そんなことがあるのか?
あるいは、アンプの端子のクリーニングをした影響もあるのだろうか?そんなに大きく変わるものなのか?
その日は時間切れとなり、ディスク鑑賞はそこまでで終わり。まあ、今後、確かめてみよう。
次の日曜。午前中、いなげやでズボンと食品を買う。昼、ホタテクリームパスタを作って一人で食べる。家内と子供はピアノレッスンに出かけた。テレビでブロンソンの「ウエスタン」の最後のところを見る。
CDでプレヴィンのシェエラザードを半分眠りながら聴き、それからLPのラビ・もうすぐB面を聴いたが、やはり、音が変わったな。聴いてすぐ、雰囲気が違うことがわかった。口元がよりリアルになった。いまだに「今まで聞こえなかった音が聴こえるようになった」という事があるのは、音がよくなってきたと喜ぶべきか、または今までが未熟な音だったと反省すべきか?
PD−D9mk2でCDを心行くまで楽しめるようになったので、しばらくはCD三昧が続いた。
ラックの強化と整頓で音が変わったのはその後のヒアリングで確認できた。だから長岡鉄男がラックの強度、ラックの中の整理を繰り返し言っていたのだな。今後はSL−1200の載っかっているラックの天板を強化することを検討しよう。
ところで、気候が秋を通り越して冬になってきたようなので、カートリッジをDL−103から205Cmk3に換える事にした。
ちょうど、逢坂剛の「バックストリート」を読み終えたタイミングだったので、パコ・デ・ルシアの「霊感」を聴く事にした。A面をDL−103で聴き、B面は205Cmk3に換えてから聴こうというのだ。
久しぶりに聞くパコのギターは、やはりすばらしい。当時はけっこう聞き込んでいたんだな。耳になじみがある。
さて、B面だ。205Cmk3に換え、ウエイト、アーム高さ、インサイドフォースを調整し、MMポジションに切り替えて、ゴー!だ。
あれ?音が小さいよな。ボリュームを上げる。高域の伸びはわかるが、なんか変な、硬い音だ。こんな音だったっけ?慣らし運転が必要なのか?
変だと思いながら聴いていたB面の4曲目の途中だ。急に線がつながったかのように、突然音が変わった。音量も大きくなった。びっくり!
音は、豊かに、繊細に、金粉のような音の粒が散乱する感じ。しかし、そうなってからまるまる聴けたのは最後の1曲だけだ。そこまでで、時間切れにもなってしまった。
DL−103に比べると、やっぱりハイファイな音なんだろう。レンジは広く、きめ細かい。しかし、途中までの変な音を聴いていたおかげ で、よくわからなくなってしまっていた。おそまつ!
ところで、逢坂剛の「バックストリート」は、ひさしぶりに良かった。岡坂神策は独身のまま50代になっていた。
カナリス提督の子孫が出てくる展開でスペインやフラメンコがからみ、大変良かった。
読んでいる間(読み終わるまで)は幸福感に満たされ、逢坂剛の小説を読むのは自分にとって楽しい時間なのだなと改めて感じた。
(2013/10)
39.DL−301を求めて
ところで、10月になったときに、そろそろDL−301Uを購入しようかと思ってネット検索をした。とたんに「価格改定のお知らせ」が飛び込んできた。何と、今日付けじゃないか!げげっ。一足おそかったか。店頭在庫のある店にオファー出せば安く買えないか?秋葉原に出撃するとか。しかーし、その日の深夜、義理の父が亡くなり、それどころではなくなってしまったのであった。
・ ・・
葬儀の忙しさもおわり、お祭りの中止も乗り越えた11月10日ころ、ふたたびDL−301購入の調査を始めた。ネット上では、29800円を出している店がまだある。見積もりフォームを送ったら機械的な見積もりが来たが、以後ナシのつぶて。その店の評判調べたらあまりよくない。やめにして、もう1件。大阪のシマムセン。ここは良かった。価格は「おたずねください」になってるのに、在庫だから24000円でよいとの事。決めたー決めたーお前に決めた〜。
届いた301をオルトポンの軽量シェルに取り付けて聴く。しまった。アンプがMMポジションのままだ!しかし長岡鉄男得意の推奨技は、あえてMMポジションで聴く、というものがあったな。このまま聴こう。
ボリュームは11時にしないと音量が足りない・・・。しかし長岡師の言うとおり、ノイズなどはまったくない。きれいな音だ・・・。
DL−301Uは、103とはずいぶん作りが違うようだ・・・。針先も205CMK3くらいの細さだ。テーパードカンチレバーだけど。
本体も小さい。したがって軽い。後にテクニクスの軽量シェルに変えたら、軽すぎて1.5gを掛けられなかった。(ブチルゴムで調整した)
翌週の日曜。
やはり、DL−301Uは良いようだ。長岡鉄男が,DL―103や205CMK3に代えて奨めるだけの事は、あるようだ。
きめが細かいのに、きつさが無い。柔らかいのに、はっきりしている。
長岡鉄男が言う、繊細に切れ込んで透明、という感じだ。こんなにいいんなら、最初から103じゃなくて301にすればよかった。DENON自体の製品紹介がジャズ・ロック向きのように書いてあったんだもん。
まあ、スピーカーのエージングが進んだせいもあると思う。
それと、PD−D9MK2もいい。音の見通し、見晴らしが格段に良くなった。すっきり、はっきり“見える” 始めにビューン、終わりにカッチンという動作音は未熟だが(テクニクスは安いのにそんな動作音はしない)まあ、仕方あるまい。演奏中には言わないのだから、良しとしよう。
ハーン・ジンマンのベートーヴェンVn.Conを聞きながら寝てしまったが、録音は良かった。カップリングの曲も意外に良いようだ。
ジュリーニ、スカラ座管弦楽団でベートーヴェンの4番を聞き、ケンペ・ミュンヘンフィルのベートーヴェン第1番・これはLP、を聞いた。
ちょっと、古典派にはまっている。
春の演奏会でベートーヴェン4番、冬はモーツァルト第36番、ハイドンのトランペット協奏曲だったもんなあ。
古典派もいいよ。ぴったり決まって。
そのあと、中山ラビA面を聞いたら、右チャンネルがかなりひずんでいる部分があるのが確認された。中古だからやむを得ない。
ジョーさんのCDも聞いたが、CDの音質はたいへん良くなったと思う。低音も出ている。
(2013/12)
BACK HOME NEXT