作成2007年7月20日
このページの最終更新日は2012/06/09です。
主題「日本の鷹道具」
このページでは籐(とう)と口餌籠の製作工程をご紹介します。
1.籐が出来るまで
※現在製作中です。しばらくお待ちください。
2.口餌籠の製作工程
これから紹介するのはレース鳩用の口餌籠ですから、キジバト用よりもふくらみが有り、口も大きくなっています。鷹の変化に合わせて咄嗟に「羽ずる」を出さなくてはいけませんから、出しやすい事、かといって藪こぎや走り回っている間に「羽ずる」が落ちてしまうようでは困ります。私は今まで「羽ずる」を落とした経験が無いので分かりませんが、狩猟中に羽ずるを落としてしまう人もいるようですが、それは口餌籠の形状又は使い方等に問題が有るのではないでしょうか。
さて、下の写真は少し編み上げた所です。この時の形で最終的な形が決まってしまう程大切な工程です。後で形を直そうとしても不可能ですから、ここまでの工程が一番注意を要する所です。
※ 編み上げる最初の肝心な写真を撮り忘れたので、完成品をばらして写真撮影をした為、縦に通っている籐が初めから短くなっていますが、実際はmもっと長い物です。但し、この方が作りやすいのです 。(2008.7.6)この胴の部分の編み方は専門用語で追編みと言う編み方で仕上げていきます。
さて段々形になって来ましたが、ここからは今まで外側に向けて編んでいたのを少しずつ内側に向けて編んで行きます。この内側に編む事で反対に羽ずる」は抜けにくくなります。
口まで編み上げた所で今度は縄編みをして止めます。これでほつれる事はなくなります。
この時点で籐のサイズは2種類 使用してますが、完成までには全部で7種類のサイズを使います。(2007.7.20)
下の口餌籠 が本来製作過程を紹介する予定の物でした。上とは別な物です。普通は下の様に縦の籐が長い状態で編み上げて行きます。
桶のタガの様な物を取り付けます。これはこれから作る口と胴の境になり、仕上げを美しく見せる為の物です。これで籐の種類は3種類目です。(2008.7.3)
次に口を作ります。幅広の籐で内と外から挟みます。これで籐の種類は4種類目です。この時糸で仮止めして置くと作業が楽になります。
口の部分をしっかりと下に押し込んで、不要な籐を切り落とします。口の中央部分が前後とも少し下がる感じがいいですね。こうすると仕上がりが綺麗になります。
口の部分を虫編みと言う方法で編んで行きます。ここでは 虫編みの芯になる籐と外側を巻く籐で二種類の籐を使います。これで籐の種類は6種類目です。芯には籐の他、竹ひごを使う場合も有ります。この時縦の籐を一緒に縫い上げていきます。これで口と胴がきっちり固定されます。
これが口の部分の拡大写真です。ちょっとピンぼけですが我慢して下さい。これが虫編みです。
後ろ側(人の体に当る部分)に薄い鹿革を縫い付けます。今回は手を抜いたのであまり綺麗では有りませんが、この革の目的は血じみによる服の汚れ を防止する為です。
革を縫い付けたら、次に耳を取り付けます。この耳も籐で作ります。これで籐の種類を全部で7種類使った事になります。
耳の拡大写真です。簡単に付いていますが、これが以外と丈夫で壊れる事は有りません。また、下げ緒に薄い皮を使用する場合は、耳と耳の間の部分の革を二重に縫い合わせて使いますが、今回は厚いのでそのまま使いました。近いとうまくピントが合ってくれません。 あしからず。
厚めの鹿革で下げ緒を作ります。これは弓道で使う弽(ユガケ:弓道の時はユガケです。)を作る時に出るハギレですが、一つのユガケを作るのに一枚の革を贅沢に使うので、ハギレでも結構使えます。また厚みが有るので、下げ緒や小鷹用の小槌緒を作る時にはなにかと便利です。
耳の中に下げ緒を通して根付に結びます。これで一応出来上がりです。
完成写真です。右が初めに作り方を紹介した物で、左が後半に紹介した口餌籠です。右が本来のサイズの籐を使用した物で、その細かさは写真でも分かると思いますが、左の三倍は時間が掛かります。
根付は普通、節無しの竹を使いますが、節付きや布袋竹(右の物)も使います。また、本来のサイズより太くしています。口餌籠自体消耗品ですから根付はそれほど良い物は必要ないでしょう 。
消耗品と言っても口餌籠は籐で出来ているので壊れる事は有りませんし、普通の場合一つ有れば一生使うのに困りませんが、一猟期使うと餌のかすで汚れてしまうので、衛生上の配慮から一猟期のみの使用としています。今年はこの二個が有れば全く問題無いと思います。
また、左側に伸びている革紐に目を切って根付に掛けます。根付から飛び出ている革紐(左)は根付の中に押し込 んで隠します。
さて、いかがでしたでしょうか。これだけ説明 が有ればプロの人は簡単に作れますが、初心者の人にはちょっと難しいと思いますが、頑張ってみて下さい。
今回はご要望が多かったので作り方をご紹介しました。なお、ここでは触れませんが、完成までには色々な準備やノウハウが有ります。例えば面取りをして使う籐や面取りをしない籐とか を場所で使い分けたり、綺麗に仕上げる為のコツが有ります。どちらかと言うと口伝に近いものです。また、作るにあたっては専用の台や道具も使います。この辺は実際に見てもらって覚えてもらうしか有りません。
近々続きを書きたいと思いますが、今後の予定はこれを見て口餌籠を自分で作りたいと思う人の為に安くて簡単な口餌籠の作り 方とバン用の口餌籠の作り方をご紹介します。
※続きは現在製作中です。しばらくお待ちください。
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