技法

緑青付け
緑青付け

色仕上げのひとつです。形を作って、一番最後に「緑青」という銅のサビを付けていきます。お寺の屋根や鎌倉の大仏様が青くなっているのは、表面に緑青が付いているからです。これらは風雨にさらされて自然に出てくるのですが、私達は色仕上げとして人工的に付けます。酢酸銅や硝酸銅などの銅化合物を水で溶いたものを塗っていき、ガスバーナーや天日の熱で水分を蒸発させます。すると、薬品だけが表面に残り、青く発色するわけです。他には、塩化アンモニウムやミョウバンなども溶かし込みます。配合割合や、天候条件によって色味が変わるのが面白いところです。時々、表面を水拭きすることで、薬品の粉末同士がシッカリと結合して丈夫な塗膜を作ります。最後に、ワックスやクリヤー塗料を塗って緑青が落ちないようにして完成です。この方法で付けた「緑青」は銅化合物の薬品ですので口にすると体によくありませんが、自然に付いた緑青は単なる銅のサビなので、無害です。銅鍋などに付いてしまった場合は、タワシなどでキレイに落とせば問題ありません。安心してお使いください。

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Last updated: 2012/7/25