ラリーでの返球方向は相手の打点から自分への着点までに攻めるコースを決めなければならない。 返球するコースをイメージすることで次の戦いを映像化する。次のイメージを確かに描いた者がゲームを支配できる。
返球の基本は相手の居ない方向に返球することが大切なのだ。しかし、相手と球とを同時に見ることは難しい。 球は速いスピードで自分のコートに返球されてくる。頭脳は、球を追いかけるのに他に、 球をラケットで擦った方向とかそれに対する自分のラケットの対応などをフル回転していて考えているので、 相手の位置を見て返球するコースをイメージする暇はない。
実は相手を見なくても、球の軌道を見ているだけで相手の居る場所は分かるのだ。
相手は球の来た方向に居るのだ。相手の居ない場所、それは球が来た方向のV字方向。
別の言い方をすると、君が送球した球が返球されてくるのであれば、相手は送球した側に居るのだから、次の返球方向は、前の送球方向からV字の方向だ。 送球方向は常に変えることだ。
相手のサービス球を受けるのであれば、最初の返球方向と2番目の返球方向を事前に決めておくことが大切だ。 また、君がサービスするのであればサービス球と第3球はV字に攻める。
ラリーの最初の内は、V字の角度は小さく相手は球に届く範囲にいて返球される時間も短い。 しかし、左右に振るに従って相手は自らの体重の慣性力によって、 最初の位置に戻るのが難しくなり相手の居ないコースが広がる。 相手の返球時間も長くなり相手を十分観察出来る時間が発生し、最後には、相手の居ない場所を打ち抜ける。
相手にコースを抜かれるのは、相手が自分より先に正確なイメージを描いたのだ。 相手に先手を打たれないためには、相手より先にV字に仕掛けることが必要だ。
Fig-1.13.1
Fig-1.13.2
Fig-1.13.3