今後、回転の合成にベクトルを使うので、ここで使われる範囲で説明しておこう。
力学では、大きさだけでなく、方向と大きさをもった量をベクトルと言う。
速度や加速度、力、回転などはベクトルである。ベクトルは向きをつけた矢印の長さで表す。
矢印の向きは作用している方向を示しており、矢印の長さが大きさを示している。
また、ベクトルは、その位置を問題にしないで、大きさと方向だけを考える。
位置を問題にしないのでベクトルを平行移動して考えることが出来る。
ベクトルは合成出来る。合成とはベクトルどおしの足し算や引き算することを言う。
ベクトルAとベクトルBの和は、平行四辺形の対角線の方向と長さで示される。
Aの方向と大きさのベクトルとBの方向に大きさのベクトルとを加えるとA+Bの方向と大きさのベクトルCとなる。
Fig-1.14.1
ベクトルCとベクトルAの差はC-Aで示し、ベクトルAの矢印からベクトルCの矢印につないだ線分を表す。 考え方はベクトルAをベクトルCにする為に、加えるベクトルBを示す。
Fig-1.14.2