第1部では戦術を立てるにあたって支配する基礎的な要素についてを述べている。
1.1 球の運動
ラケットのラバー摩擦によって、「回転の運動量」は「飛びの運動量」に、 「飛びの運動量」は「回転の運動量」に変換される。
1.2 マグナス効果★★★
何故、球に上回転を与えると力のある球が台に入り易くなるのか等を、飛行運動を支配するマグナス効果から説明している。
1.3 ラバーの効果★★★
力ある球を出せると思いラバーの厚くした結果、意に反して球に回転を懸けにくくなる理由、併せて厚さと回転の関係を説明している。
1.4 球の回転
回転している球は触れる角度により回転の影響を最小限に出来るし、反対に回転の力を飛びにも利用出来る。
1.5 球のはね方
回転している球は静止しているラケットに当たるとその回転によって方向を変える。それを知っていないと球をネットに引っ掛けたり、球が台を越えて飛び出すことになる。
1.6 球とラケットの回転速度
回転している球は、ラケットラバーの擦る方向と速度により、スピンを懸けることも出来るし、スピンが飛びに変わったりもする。
1.7 サーブ球のはね方
同じ力でスイングするにしても、ラケットの角度と球の当てる場所によって回転速度と飛行速度の比率を変えることが可能だ。
飛びの大きさは力加減だけでなく意識によって変えることで出来ることに重要な意味がある。
1.8 振りの基本
振りの基本は、まず基本姿勢があり、次に腕関節の伸縮で振る。そしてスイングは途中で止めてはいけない。
1.9 球と振りの関係★★★
君はネット際の短い球や、台の奥に長い球を出すことが打ち分けることが出来るだろうか。球の飛距離は腕の回転半径に比例することを知っていればどんな飛距離も簡単に出せる。
1.10 球に力を与える振り方
肘と手首の関節を同時に使えば回転半径が大きくなり、よりインパクトに大きい球が出せる。
1.11 方程式からみた球と振りの関係★★★
回転を変化させるとき、そこには力のモーメントが働いている。 力のモーメントが働いてないと、現状の回転を続けるか、無回転であれば無回転であり続ける。順回転の振りは回転を変化させずに接触時間だけが長いので球を遠くへ飛ばしてしまう。
1.12 打球点の角運動量
球の赤道で与えた回転軸に対する角運動量を1とすると、球が角度90°でラバーに当たれば角運動量は全て飛びに消費されるが、
球が角度20°でラバーに当たれば、0.12の角運動量が飛びに変換し消費し、0.88が回転として残る。
1.13 返球方向の基礎
相手は球の来た方向に居るのだ。相手の居ない場所、それは球が来た方向からV字の方向だ。 だから、返球する方向は相手の打球の軌道からV字の方向に戻すことを基本する。
1.14 ベクトル
卓球の戦術を述べる時、方向と大きさを持つ量「ベクトル」の「足し算と引き算」が不可欠となる。ここでは必要最小限の知識が説明している。