3. 基本戦術を支える振りの技術

3.10 返球方向と力加減

ラリーでの返球方向は、一つ前の自分の打球コースが基準となるので、それを覚えておかなければならない。
むしろ次の様に言うべきかもしれない。
攻撃のシナリオの中でそれを覚えておいて、相手の打点・相手の打球などから次のコースを修正する。
自分が送るどのコースも必ず意図がなければならないし、全体を通したシナリオがなければならない。 次に返球するコースをイメージし、実際との差を修正し、次の戦いを映像化する。次のイメージを確かに描いた者がゲームを支配できる。
一つ前の自分のスピンも基準になるから、それと併せて記憶する。

この図は、ある瞬間の相手のディフェンスゾーンに、君の各オフェンスコースと力加減を重ね合わせたものだ。
各オフェンスコースの力加減を間違えるとテーブル内に入らずにテーブルアウトする。各コースの力加減はそれぞれ異なっており同じ力ではいけない。力加減はスイングの回転半径で調整すると容易だ。
また、相手のディフェンスゾーンに入れてはいけなし、相手のディフェンスゾーンは時々刻々に変化していく。 ディフェンスゾーンは対戦相手により異なり、上級者ほど範囲は広くなる。

図の見方

ブルーのゾーンは、こちら側のオフェンスゾーンだ。このゾーンに入れることが出来れば得点になる可能性が高い。
ピンクのゾーンは、相手のディフェンスゾーンだ。このゾーンに入れば反撃され失点する可能性が高い。
黄色のゾーンはネットに引っかかり失点する可能性が高いゾーンだ。
白地のエリアは、言うまでもなく、コート外の失点ゾーンだ。

0点からの距離を、0点からa点までの距離を1として、その比で示している。距離と力加減は比例するので、ここでは0点からの距離を力加減の比と考えている。

3.10.1 フォアハンドの返球方向と力加減

フォアハンドの打球と球速

ボールがフォア側にある時は、スイングはフォアハンドとなる。

返球方向と力加減

(a)の力加減で(c)を打てば失点となる。
(c)の力加減で(b)を打てば失点となる。
(c)や(e)への力加減が適正でも、相手のオフェンスゾーンに少しでもずれれば失点となる。
(e)を狙っても力加減が不足すると相手のオフェンスゾーンに入り失点となる。
(d)コースでも、(b)の力加減では、ネットにかかり失点となる。

得点するには、力加減とコースは非常に微妙な関係があることを理解する必要がある。打力を下げるにはラケットを立てるなどして回転半径を小さくし、球との接触時間を少なくし打球速度を抑えて、結果として飛距離を縮めることが出来るのだ。

攻撃のシナリオ

(c)→(b)→(c)→(a)
(c)→(d)→(a)
(c)→(a)→(a)
(e)→(c)→(b)

攻撃のシナリオは色々と考えれるが、基本はV方向が有効だ。 相手を左右に動かし、隙を作りそこを打ち抜く。

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3.10.2 バックハンドの返球方向と力加減

バックハンドの打球と球速

球がバック側にある時は、スイングはバックハンドとなる。

返球方向と力加減

(c)の力加減で(a)を打てば失点となる。
(a)の力加減で(d)を打てば失点となる。
(a)や(e)への力加減が適正でも、相手のオフェンスゾーンに少しでもずれれば失点となる。
(c)や(e)を狙っても力加減が不足すると相手のオフェンスゾーンに入り失点となる。
(d)コースでも、(b)の力加減では、ネットにかかり失点となる。

得点するには、力加減とコースは非常に微妙な関係があることを理解する必要がある。打力を下げるにはラケットを立てるなどして回転半径を小さくし、球との接触時間を少なくし打球速度を抑えて、結果として飛距離を縮めることが出来るのだ。

攻撃のシナリオ

(a)→(d)→(a)→(c)
(a)→(b)→(c)
(a)→(c)→(c)
(e)→(a)→(d)

攻撃のシナリオは色々と考えれるが、基本はV方向が有効だ。 相手を左右に動かし、隙を作りそこを打ち抜く。

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