第2部「ベクトルで考える卓球戦術」で紹介している様々な返球方法に対する実際のラケットの振りの例を紹介している。ここで紹介するラケットの振り方は、一つの例である。球に、ラケットで目的の回転を加えれればどんな打ち方でも良い。自分の個性を出して欲しい。
3.1 ラケットスイングの基本姿勢★★★
足は肩幅程度に広げ、背筋を伸ばし、上体を前傾させてから、膝を曲げていくようにし、体重を腰に載せ、 そして、その体重を膝に載せ、踵は少し床から離す。 上体を前傾しすぎないように調整する。これが、ラケットを振る時の基本姿勢だ。
3.2 横回転(カーブ回転)のドライブ返球
相手からのΘカーブ(R)はシュート・ドライブ(LT)を加えればドライブ(T)となるのだった。
振りにはバックの振りとフォアの振りがあるが、球へ与える回転は変わらない。
3.3 横回転(シュート回転)のドライブ返球
相手からのΘシュート(L)はカーブ・ドライブ(RT)を加えればドライブ(T)となるのだった。
バックの振りとフォアの振りがあるが、球へ与える回転は変わらない。
3.4 横回転(カーブ回転)のカット返球
相手のサーブがΘカーブ(ΘR)であればシュート・カット(LB)を与えればカット(B)となるのだった。
バックの振りとフォアの振りがあるが、球へ与える回転は変わらない。
3.5 横回転(シュート回転)のカット返球
相手のサーブがΘシュート(ΘL)であればカーブ・カット(RB)を与えればカット(B)となるのだった。
バックの振りとフォアの振りがあるが、球へ与える回転は変わらない。
3.6 下回転のドライブ返球
相手からのΘカット(ΘB)は、バック側の球にはHコーク(H)を加え、フォア側の球にはFコーク(F)を加えると、 その結果としてドライブ(T)となるのであった。
しかし、打球点が、台上か、台外か、台から離れているかによって振り方は制約を受ける。
3.7 前後軸回転に対する返球
相手からのHコークがサーブされた時、球にFコーク・ドライブを加えるとドライブで戻っていき、Fコーク・カットを加えるとカットで戻っていく。
相手からのFコークがサーブされた時、球にHコーク・ドライブを加えるとドライブで戻っていき、Hコーク・カットを加えるとカットで戻っいく。
3.8 ナックル系に対する返球
接触時間が長いと球の速度が速くなり、遠くに飛ばすことが出来るのだった。接触時間の長さに応じて「粒高に対する振り」と「表ラバーに対する振り」の2種類の打ち方がある。 粒高に対する振りは、表ラバーの振りよりも接触時間が長い。
3.9 フォア前・バック前の返球技術
第2部の「フォア前サーブのさばき方」「バック前サーブのさばき方」で使う代表的な振り方を紹介している。 相手のサーブが横回転のサーブ回転なのか、シュート回転のなのか、 カット回転なのかを判断して振りを選択するのであった。
3.10 返球方向と力加減
得点するには、力加減とコースは非常に微妙な関係があることを理解する必要がある。打力を下げるにはラケットを立てるなどして回転半径を小さくし、球との接触時間を少なくし打球速度を抑えて、結果として飛距離を縮めることが出来るのだ。