4. ベクトルで考える戦術(サービス)

4.6 サーブを俯瞰する(対シェイクハンド)

サーブについては、既に 4.4 テーブルアウトを狙うサーブを考える4.5 レシーブゾーンと球の回転で述べているが、 もう少し、コート全面を使って俯瞰して見ようと思う。
理想的なサーブは、相手に対して3球目攻撃を想定したサーブで、相手が不注意に打つと球が台から出たり、ネットに引っ掛かってしまうので相手は仕方がなく繋げる球だ。 そして、そんなサーブ球はコート全面に多く存在している。

対戦相手は様々なラケットやラバーを使っている。ここでは対戦相手はシェイクハンドの裏ラバーを使うものしている。また、相手のレシーブは標準的に受けるものとする。
様々なラバーやラケットには、この節を参考にして各自が作ることが求められる。同様に相手が対応してきた際の対策も準備しておく必要がある。

少し、図について説明しておこう。

  1. 相手コートには大まかな座標が振られている。エンドラインには左から右に向かって、F(相手フォアー側)、M(相手ミドル)、B(相手バック)となっている。タッチラインにはネットからエンドに向かってS(ショート)、H(ハーフロング)、L(ロング)とサーブ球の長さとなっている。
  2. ベクトルの色は、緑色は君が送るサーブの回転だオレンジ色は相手がレシーブで加える回転だ。そして、黒色は相手から君に戻ってくる球の回転だ。
  3. ベクトルで描かれたには名前がついており戦術コードとしている。最初の2文字はコート座標を指し、後半は君が送るスピンの回転だ。
  4. 台上に書かれた緑色ベクトルBとKはコート座標が無い。この回転は、何処にでも通用するペアーの回転なので座標を省略している。
異質ラバーの飛びと回転の性能

4.6.1 サーブの戦術

本図で描かれた戦術はベクトル図で十分理解できると思うが、念のために以下に各戦術コードを解説した。
なお、解説では3球目攻撃も述べている。3球目攻撃は戻って来た球の回転を判断して決めているわけではない。サーブを出す時に既に戻ってきたら次はこの回転で打とうと、事前に決めている。

4.6.1.1 戦術コード: FL-RT

R=RT + ΘRT

サーブは相手コートのフォアー側深くFL-RTの所にCurve⋅Drive(RT)を送る。
相手はΘCurve⋅Drive(ΘRT)で強く受けると、球はCurve(R)をとなって、台上を通過しテーブルアウトする。
球が自分のコートに入ってきた時は3球目攻撃はShoot⋅Drive(LT)で打ち抜く。

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4.6.1.2 戦術コード: FL-RB

RB=RB + ΘRT

サーブは相手コートのフォアー側深くFL-RBの所にCurve⋅Cut(RB)を送る。
相手はΘCurve⋅Drive(ΘRT)で強く受けると、球はCurve⋅Cut(RB)を維持し、接触時間が長くなり球の飛距離を伸ばし、台上を通過しテーブルアウトする。
球が自分のコートに入ってきた時は3球目攻撃はCurve⋅Drive(RT)で打ち抜く。

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4.6.1.3 戦術コード: ML-L

L=L + ΘL

サーブは相手コートのミドル深くML-Lの所にShoot(L)を送る。
相手はΘShoot(ΘL)で強く受けると、球はShoot(L)を維持し、接触時間が長くなり球の飛距離を伸ばし、台上を通過しテーブルアウトする。
球が自分のコートに入ってきた時は3球目攻撃はCurve⋅Drive(RT)で打ち抜く。

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4.6.1.4 戦術コード: ML-R

R=R + ΘR

サーブは相手コートのミドル深くML-Rの所にCurve(R)を送る。
相手はΘCurve(ΘR)で受けると、球はCurve(R)を維持し、接触時間が長くなり球の飛距離を伸ばし、台上を通過しテーブルアウトする。
球が自分のコートに入ってきた時は3球目攻撃はShoot⋅Drive(LT)で打ち抜く。

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4.6.1.5 戦術コード: BL-LT

L=LT + ΘLT

サーブは相手コートのバック深くBLの所にShoot⋅Dirve(LT)を送る。
相手はΘShoot⋅Drive(ΘLT)で受けると、球はShoot(L)となって、台上を通過しテーブルアウトする。
球が自分のコートに入ってきた時は3球目攻撃はCurve⋅Drive(RT)で打ち抜く。

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4.6.1.6 戦術コード: BL-RT

RE=RT + ΘLT

サーブは相手コートのバック深くBLの所にCurve⋅Dirve(RT)を送る。
相手はΘShoot⋅Drive(ΘLT)で強く受けると、球はラバーから反力を受けFlight(RE)となって、右エンドラインを割りテーブルアウトする。
球が自分のコートに入ってきた時は3球目攻撃はShoot⋅Drive(LT)で打ち抜く。

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4.6.1.7 戦術コード: BL-T

L=T + ΘLT

サーブは相手コートのバック深くBLの所にDirve(T)を送る。
相手はΘShoot⋅Drive(ΘLT)で強く受けると、球はShoot(L)となって、台上を通過しテーブルアウトする。
球が自分のコートに入ってきた時は3球目攻撃はCurve⋅Drive(RT)で打ち抜く。

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4.6.1.8 戦術コード: FH-RT

R=RT + ΘRT

サーブは相手コートのフォアー側のFH-RTの所にCurve⋅Drive(RT)を弾道の低い速い球を送る。
相手はΘCurve⋅Drive(ΘRT)で強く受けると、球はCurve(R)をとなって、台上を通過しテーブルアウトする。
球が自分のコートに入ってきた時は3球目攻撃はShoot⋅Drive(LT)で打ち抜く。

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4.6.1.9 戦術コード: FH-HT

HR=HT + ΘRT

サーブは相手コートのフォアミドル側のFH-HTの所にHcork⋅Drive(HT)を送る。
相手はΘCurve⋅Drive(ΘRT)で強く受けると、球はHcork⋅Curve(HR)をとなって、台上を通過しテーブルアウトする。
球が自分のコートに入ってきた時は3球目攻撃はFcork⋅Shoot(FL)で打ち抜く。

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4.6.1.10 戦術コード: BH-LT

L=LT + ΘRT

サーブは相手コートのバック・ハーフロング側のBH-LTの所にShoot⋅Drive(LT)を送る。
相手はΘCurve⋅Drive(ΘRT)で強く受けると、球はShoot(L)をとなって、台上を通過しテーブルアウトする。
球が自分のコートに入ってきた時は3球目攻撃はCurve⋅Drive(RT)で打ち抜く。

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4.6.1.11 戦術コード: FS-B

RE=B + ΘRB

サーブは相手コートのフォア・ハーフロング側のFH-Bの所にCut(B)を送る。
相手はΘCut(ΘRB)で強く受けると、球はラバーからの反力を受けFlight(RE)をとなって、ネットに引っ掛かる。
球が自分のコートに入ってきた時は相手のバック側にShoot(L)で繋ぎ、5球目攻撃はCurve⋅Drive(RT)で打ち抜く。

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4.6.1.12 戦術コード: FS-K

T=K + ΘB

サーブは相手コートのフォアショート側のFS-Kの所にCut回転と思わせてKnuckle(K)を送る。
相手は、CutのつもりでツッツキΘCut(ΘB)で受けると、球はDrive(T)となり、こちらにとって打ち頃の球を返してしまう。
球が自分のコートに入ってきた時は3球目攻撃はCurve⋅Drive(RT)で打ち抜く。

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