第2部 「ベクトルで考える基本戦術(基本)」の様々な戦術は裏ラバーに対する戦術ではあるが、当然、粘着ラバーの特徴を考慮することによって適用できる。前節 5.1.4 (C)「粘着系裏ラバーに対する基本戦術」と併せて、粘着ラバーに対する攻略法を考えてみよう。
戦術を考える当たって、まず対戦相手である粘着ラバーはどう戦ってくくるのか、そのラバーの特徴から定まる合理的な戦術を「相手の基本戦略」とし最初に説明し、 その後に、表ラバーから繰り出される球種から定まる合理的な「基本の攻略法」ついて述べる。
粘着ラバーは摩擦が大きく、彼らが送り出すレシーブの球の回転は強い。君が受けると下回転であればネットに掛かり易く。上回転であれば不注意に受ければ台を飛び越えてしまう。
粘着ラバーは摩擦が大きいので彼等のドライブは回転が大きい、君が安易にレシーブすると回転が飛びへと変換し球はテーブルオーバーする。
粘着ラバーは摩擦が大きいので彼等のカットは回転が大きい、君が安易に受けると回転が飛びへと変換し球はネットしてしまう。
粘着ラバーも裏ラバーなので、今まで述べてきた戦術が使える。ここでは特に、回転の速いドライブをテーブルアウトさせないで攻めに転じる方法について述べることにしよう。
攻撃においては、相手のドライブ回転が大きいので、球を前方に飛ばすことは避け、 ラケットは水平にし球の頂点部分にHコーク回転やFコーク回転を与え、回転軸を横方向に倒し飛びを抑えると共にサイドコーナーを狙う。
この図は球へ3次元の回転を加えている。3次元の回転を2次元の図に描くのは難しく、図から回転をイメージするのは難しい。英語の頭文字で回転を理解してほしい。
ブロックにおいては、相手のドライブ回転が大きいので、球を前方に飛ばすことは避け、 ラケットは立てて球の前面にHコーク・カーブ・ドライブ回転(HRT)やFコーク・シュート・ドライブ回転(FLT)を与え、回転軸を横方向に倒し飛びを抑えると共にサイドコーナーを狙う。