5. 異質ラバーに対する戦術

5.5 粒高ラバーに対するより洗練された戦略

ここでは、粒高に対するより洗練された作戦を紹介する。
戦略名に「壁」とか「床」とかの名前がついているが、これは座標を表している。 壁はカーブ、シュートを使った戦略であり、床はHコーク、Fコークを使った戦略だ。
三角形は3球目攻撃であり、ダイアモンド(ひし形)は5球目攻撃であり、ラケットで擦る方向を示している。

5.5.1 3球目攻撃

5.5.1.1 壁に描く三角形作戦(基本)

この戦術は、後述 7.2節 「ベクトル図による戦術図」の具体例であり、既に読み終えているならば読み飛ばしても差し支えない。

壁に描く三角作戦(基本)

カーブ・ドライブ(RT)でサーブする。
Ⅰのカーブ・ドライブ(RT)のサーブに対して、相手が粒高でレシーブする、即ちナックル(K)でレシーブするので、Ⅱではカーブ・ドライブ(RT)がそのまま戻ってくる。

シュート・ドライブ(LT)で打ち抜く。
Ⅱのカーブ・ドライブ(RT)に対してシュート・ドライブ(LT)を加えて、Ⅲのドライブ(T)として相手を打ち抜く。

カット(B)もくしはシャクリで攻撃的に繋ぐ。
相手のブロックは、ⅥのΘカット(ΘB)となって戻ってくるので、攻撃的なカット(B)もしくはシャクリによって返すと、Ⅴでナックル(K)となる。 相手がうまくレシーブできれば、それはⅥで①の状態に戻ることになる。

Ⅳから、5.5.1.4「床に描く三角形作戦(応用)」のⅣに切り替え、③のHコーク(H)を加えて、⑤のドライブ(T)で打ち抜くことも出来る。

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5.5.1.2 壁に描く三角形作戦(応用)

壁に描く三角作戦(応用)

カーブ・ドライブ(RT)でサーブする。
Ⅰのカーブ・ドライブ(RT)のサーブに対して、相手が粒高でレシーブする、即ちナックル(K)でレシーブするので、Ⅱではカーブ・ドライブ(RT)がそのまま戻ってくる。

シュート・ドライブ(LT)で打ち抜く。
Ⅱのカーブ・ドライブ(RT)に対してシュート・ドライブ(LT)を加えて、Ⅲのドライブ(T)として相手を打ち抜く。

カーブ・カット(RB)で繋ぐ。
Ⅳのドライブ(T)に対してカーブ・カット(RB)を繋ぐと、Ⅴのカーブ・ドライブ(RT)となって相手へ戻る。

シュート・ドライブ(LT)で打ち抜く。
Ⅵのカーブ・ドライブ(RT)に対してシュート・ドライブ(LT)加え、Ⅶのドライブ(T)として相手を打ち抜く。

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5.5.1.3 床に描く三角形作戦(基本)

床に描く三角作戦(基本)

Fコーク・ドライブ(FT)でサーブする。
ⅠのFコーク・ドライブ(FT)のサーブに対して、相手が粒高でレシーブする、即ちナックル(K)でレシーブするので、ⅡではFコーク・ドライブ(FT)がそのまま戻ってくる。

Hコーク・ドライブ(HT)で打ち抜く。
ⅡのFコーク・ドライブ(FT)に対してHコーク・ドライブ(HT)を加えて、Ⅲのドライブ(T)として相手を打ち抜く。

カット(B)もくしはシャクリで攻撃的に繋ぐ。
相手のブロックは、ⅥのΘカット(ΘB)となって戻ってくるので、攻撃的なカット(B)もしくはシャクリによって返すと、Ⅴでナックル(K)となる。 相手がうまくレシーブできれば、それはⅥで①の状態に戻ることになる。

Ⅵから、5.5.1.1「壁に描く三角形作戦(基本)」のⅠへ転換することも出来る。

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5.5.1.4 床に描く三角形作戦(応用)

床に描く三角作戦(応用)

Fコーク・ドライブ(FT)でサーブする。
ⅠのFコーク・ドライブ(FT)のサーブに対して、相手が粒高でレシーブする、即ちナックル(K)でレシーブするので、 ⅡではFコーク・ドライブ(FT)がそのまま戻ってくる。

Hコーク・ドライブ(HT)で打ち抜く。
ⅡのFコーク・ドライブ(FT)に対してHコーク・ドライブ(HT)を加えて、Ⅲのドライブ(T)として相手を打ち抜く。

Hコーク(H)で打ち抜く。
相手のブロックは、ⅥのΘカット(ΘB)となって戻ってくるので、Hコーク(H)を加えて、 ⅤでHコーク・ドライブ(HT)として相手を打ち抜く。

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5.5.2 5球目攻撃

5.5.2.1 壁に描くダイアモンド作戦(ドライブスタート)

壁に描くダイアモンド作戦(ドライブスタート)

ドライブ(T)でサーブする
Ⅰのドライブ(T)のサーブに対して、相手が粒高でレシーブする、即ちナックル(K)でレシーブするので、 ⅡではΘカット(ΘB)の回転が戻ってくる。

シュート・カット(LB)で繋ぐ
ⅡのΘカット(B)に対してシュート・カット(LB)で繋ぐと、Ⅲのシュート・ドライブ(LT)となって相手へ渡る。

カーブ・ドライブ(RT)で打ち抜く
相手からⅣでシュート・ドライブ(LT)となって戻ってくるので、カーブ・ドライブ(RT)を加えて、Ⅴでドライブ(T)として相手を打ち抜く。

カット(B)もしくはシャクリする
相手からⅥではΘカット(ΘB)となって戻ってくるので、 カット(T)もしくはシャクリによってⅦでナックル(K)として戻す。そしてⅧで①の状態に戻る。

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5.5.2.2 壁に描くダイアモンド作戦(ナックルスタート)

壁に描くダイアモンド作戦(ナックルスタート)

ナックル(K)でサーブする
Ⅰのナックル(K)のサーブに対して、相手が粒高でレシーブする、即ちナックル(K)でレシーブするので、 Ⅱではナックル(K)が戻ってくる。

カーブ・ドライブ(RT)で繋ぐ
Ⅱのナックル(K)に対してカーブ・ドライブ(RT)で繋ぐと、Ⅲのカーブ・ドライブ(RT)となって相手へ渡る。

シュート・ドライブ(LT)で打ち抜く
相手からはⅣのカーブ・ドライブ(RT)となって戻ってくるので、シュート・ドライブ(LT)を加えて、Ⅴでドライブ(T)として相手を打ち抜く。

カット(B)もしくはシャクリする
相手からⅥではΘカット(ΘB)となって戻ってくるので、 カット(B)もしくはシャクリによってⅦでナックル(K)として戻す。そしてⅧで①の状態に戻る。

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5.5.2.3 壁に描くダイアモンド作戦(カーブ・カットスタート)

壁に描くダイアモンド作戦(カーブ・カットスタート)

カーブ・カット(RB)でサーブする。
Ⅰのカーブ・カット(RB)のサーブに対して、相手が粒高でレシーブする、即ちナックル(K)でレシーブするので、 Ⅱではカーブ・カット(RB)がそのまま戻ってくる。

ドライブ(T)で繋ぐ。
Ⅱのカーブ・ドライブ(RT)に対してドライブ(T)を加えて、Ⅲのカーブ・ドライブ(RT)となって相手へ渡る。

シュート・ドライブ(LT)で打ち抜く。
相手のブロックは、ⅣのΘカーブ・カット(ΘRB)となって戻ってくるので、シュート・ドライブ(LT)を加えて、 Ⅴでドライブ(T)として相手を打ち抜く。

カット(B)もくしはシャクリで攻撃的に繋ぐ。
相手のブロックは、ⅥのΘカット(ΘB)となって戻ってくるので、攻撃的なカット(B)もしくはシャクリによって返すと、Ⅶでナックル(K)となる。 相手がうまくレシーブできれば、それはⅧで①の状態に戻ることになる。

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5.5.2.4 床に描くダイアモンド作戦

壁に描くダイアモンド作戦

Fコーク・カット(FB)でサーブする。
ⅠのFコーク・カット(FB)のサーブに対して、相手が粒高でレシーブする、即ちナックル(K)でレシーブするので、 ⅡではFコーク・カット(FB)がそのまま戻ってくる。

ドライブ(T)で繋ぐ。
ⅡのFコーク・カット(FB)に対してドライブ(T)を加えて、ⅢのFコーク・ドライブ(FT)として繋ぐ。

Hコーク・ドライブ(FT)で打ち抜く。
相手のブロックは、ⅣのFコーク・ドライブ(FT)となって戻ってくるので、Hコーク・ドライブ(HT)を加えて、 Ⅴでドライブ(T)として相手を打ち抜く。

カット(B)もくしはシャクリで攻撃的に繋ぐ。
相手のブロックは、ⅥのΘカット(ΘB)となって戻ってくるので、攻撃的なカット(B)もしくはシャクリによって返すと、Ⅶでナックル(K)となる。  相手がうまくレシーブできれば、Ⅵで①の状態に戻ることになる。

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