ここで説明する対策は、ラリーを続ける対策ではない。早めに勝負を付けてしまう戦術を紹介する。こちらの都合で戦う技だ。
カットマンに対する一般的に対策はクロックやCクロックを与えてカットをドライブ系の回転に変えてラリーで対応するものだ。
私はこの対応が好きになれない。ラリーを続けること自体カットマンの戦略にはまっていることだからだ。
カットマンの球質は、カットする選手のポジショニングとラバーの種類とにより決まってくる。
ポジショニングとは、ラケットの振る位置がフォア側でクロス狙いの球なのか、バック側でクロス狙いの球なのか、
ミドルでミドル狙いの球なのかにより、カットマンが何処を擦るかが決まり、回転の方向が決まる。
さらに、ラバーの種類により回転の程度が決まる。
ここでは、その回転の種類と回転の程度に対して、どう攻めれば合理的なのかを考える。
カットマンに対する基本戦術は、第2部「回転合成による基本戦術」と第4部「異質ラバーに対する戦術」
との二つの戦術から組み立てる必要がある。
そこで、まず、カットマンのラバーの組合せとそのラバーから繰り出される球の回転を整理しておこう。
カットマンのラケットは、様々なラバーの組み合わせがある。
裏ラバーと裏ラバー
裏ラバーと表ラバー
裏ラバーと粒高ラバー
表ラバーと粒高ラバー
アンチラバーは飛びと回転の特性が似ていることから粒高ラバーと同じと考える。
カットマンのカットスイングフォームはラバーに寄らず同じであるが、ラバーの種類によって、 以下の回転以外を取れないことを理解しておくことが必要だ。カットマンのスイングフォームに騙されてはいけない。
ここで言うフォアカットの回転とは、自分からみて左側からカットを自分の右側へカットする回転を言う。
裏面ラバーの場合は、Θカーブ・カット回転である。
表ラバーの場合は、ナックルに近いΘカーブ・カット回転である。
粒高ラバーの場合は、ナックルである。
但し、フォアカットからミドルカットの回転を出せる選手もいるので、その時はミドルカットでの対応をする。
ここで言うバックカットの回転とは、自分からみて右側からカットを自分の左側へカットする回転を言う。
裏面ラバーの場合は、Θシュート・カット回転である。
表ラバーの場合は、ナックルに近いΘシュート・カット回転である。
粒高ラバーの場合は、ナックルである。
但し、フォアカットからミドルカットの回転を出せる選手もいるので、その時はミドルカットでの対応をする。