30.いろいろ聴いてます。

「ジャズ喫茶ベイシーの選択」を読んだ。
面白かった。
楽器は高能率なんだから、スピーカーも高能率が良い、なるほどねえ。さすが、奏者兼オーディオマニアだ。
f0の低い、重いスピーカーは「実戦では足手まとい」なるほどねえ。
最初から完全に作らないで、後の調整があるから、「だいたい」の状態で運用を始める。わかる。おなじ。ただし、私の場合、それほどの確信があってそうしたのではなく、なりゆきだけど。
「重い高音」なるほどねえ。
「その日のうちにキャビネットに布団をつっこんだ」わかる。
V15Vの良さ。まだよくわからない。
「空間でハモらせろ」そのとおりだ。
50年代後半〜60年ごろに名盤が多い。クラシックと同じだな。
P−610はあなどれない?そのとおりだ。俺も昔使ってみて良かったよ。
2台のラジオで「ステレオ」から始めた?みんなそうだったのだなあ。
今にして思えば、ナショナルFMラジオにはアンプ内蔵外部スピーカーというオプションがあって、それを1台購入すれば、本体とあわせてFMステレオ再生が出来たのだ。しかもカセットデッキと接続できたし。それを使っていれば、いずれはコンポーネントの世界へ旅立ちたくなるだろう。若者をオーディオの世界へ誘う設計だったのだな。受信機博物館
俺の場合、外部スピーカーのユニット(16cmフルレンジ)を手作りの後面開放型のキャビに入れて聞き出したのが、以後、自作スピーカーを選択する事になった大きな理由だろう。
完成品のスピーカー・システムはとうとう買わなかったっけ。
今までに使ったのは、
ナショナルラジオスピーカー
パイオニアPIM−16A(ナショナルが16cmだったので次も)
三菱P−610、
三菱P−610+フォスターFT−6H
フォスターUP−203S+日立H54HD・自作三菱モニター風バスレフキャビ
上記のツィーターをパイオニアPT−150に変更したもの。
このほか、オンキョーFR−12Aとかも使ったような記憶がある。
第1期オーディオ時代終了・UP−203Sのウレタンエッジがボロボロになったのにも、嫌気がさしたっけ。

第2期(既婚・BGM時代)
フォステクス FE−83ミニダンプドバスレフ
フォステクス FE−127大型ダクトのバスレフによるブックシェルフ+フォステクスFT48D
フォステクス FE−87息抜きバスレフ(車載用1)
アルテック  10センチ2ウェイ(車載用2・PC用のスピーカーユニットを外してカーステレオスピーカーと交換)
フォステクス FE−127既成キャビバスレフ(車載用ウーファー)
テクニクスの12センチフルレンジも使ったっけ。
ウレタンエッジに懲りたおれは主にFEシリーズを選択し続け、その音に慣れ、その音が好きになった。音色がどうの、ではなく、元の音をそのまま鳴らしているような音だ、と思った。でしょ?

第3期(今)
フォステクス FE−167既成トールボーイバスレフキャビ
フォステクス FE−167既成トールボーイ強化型キャビ・リアダクト式バスレフ+適当なドームツィータ。
フォステクス FE−167既成トールボーイ強化型キャビ・リアダクト式バスレフ+パイオニアPT−150
フォステクス FE−168EΣ既成トールボーイ強化型キャビ・リアダクト式バスレフ+パイオニアPT−150
フォステクス FE−168EΣ+FE167=音場型ツインドライブ・トールボーイバスレフ自作キャビネット+パイオニアPT−150
フォステクス FE−168EΣ+FE163En=音場型ツインドライブ・トールボーイバスレフ自作キャビネット+パイオニアPT−150
今はこれだが、次の予定は、
フォステクス FE163En×2=音場型ツインドライブ・トールボーイバスレフ自作キャビネット+パイオニアPT−150になるのだ。
これで、いちおう完成。
けっこう、長かった。

ラジオのスピーカーは高音質である説

「ベイシーの選択」を読んで、あらためてラジオからオーディオに入ってしまったおじさんは多いのではないかと感じた。
そこでラジオについて思い出してみて思いついたのが、この説だ。
携帯用のラジオ、10cm級スピーカを装備したようなものの音質は優れているのではないか?という私の説です。
ただし、いまどきの重低音再生を可能だとする、重装備っぽいラジカセのスピーカーに当てはまるかどうかは、わかりません。

根拠は以下のとおり
1. ラジオ用スピーカーは高能率である。非力なアンプで駆動できる事が条件なので高能率なはず。
 一般に高能率スピーカーは高音質である(*)。
2. ラジオ用スピーカーは後面開放型であるので、背圧の影響を受けずに音波を発生する。ゆえに入力信号に忠実に音声を発する事が出来る。
 従って高音質である。
3. また、後面開放型は、後方にも音波を発生するので、周囲の環境で間接音(反響音)を生じやすい。現実の音声の間接音に近いため、高音質に聞こえる。
4. ラジオは、生活の場にセットされる事が多い。使用者が普段、生活音を発生させ、それを聴いているのと同じ環境におかれるので、間接音の性質も現実の音と近くなる。(そこで生活している者・ラジオの使用者にとって)一番使用者の耳がなじんだ音の環境という事ができる。従って、使用者の耳には高忠実度な音(高音質)に聞こえる。
5. ラジオのスピーカーは広帯域再生よりも、明瞭性を重視した作りに成っているため、高音楽器や低音楽器の再生能力は低いが、人間の声の再生能力が高い。
 人間にとって、もっとも身近な音声は人間の声であるので、ラジオの音は実際より高音質に聞こえる。
 事例としては、車のリアにFMラジオ(電池駆動、10cmスピーカー内蔵)を置いてアナウンサーの声を聞いていたところ、ラジオの音声がリアウインドウに反射して、アナウンサーが車に乗ってしゃべっているかのように聞こえた事がある。これはラジオのスピーカーの位置が、車に乗っている人物の顔の位置に近いため、反射音の性質が現実の人物の音声の反射音と同じパターンになり、リアルに感じられたものと思われる。

 以上の、ラジオ用スピーカの特徴のいくつかは、FEシリーズに当てはまる。もともとFEシリーズはアナウンス用に開発されたスピーカーユニットである。
 オーバーダンピングなので、低音再生能力はそのままでは低い。高音再生能力も、音声中心なのでそれほどではない。しかし、能率は高く、振動系が軽く、入力信号に忠実に電気信号を音声に変換するところは、ラジオスピーカーに近い。

バイ・ワイヤリングはしない。
バイ・ワイヤリング 配線
接点が増え、大穴をあけてる。 バイワイヤリングはヤバイ。 私はハンダ付けです。


1万Hzの彼方へ

 公称55KHzまで再生 ところで、今週はオーディオ・テストCDのスィープ信号チェックを使って、可聴周波数帯域のテストをした。
 娘と一緒にした。
 俺の耳は、1万Hz超は聞こえなくなっている。昔は、テストレコードの上限(12500Hz)まで聞こえていたのに。
 あるいは、ツィーターから音が出ていないのか?それを調べるためだ。
 娘にテストの意図と仕組みを説明してスィープ音を流した。
 1万Hzをだいぶ超えた所で外来ノイズが来たが、それでも娘ははっきりと「最後まで聞こえた」と言ったので安心した。
 ツィーターの方が俺の耳(1万Hz超の部分)より長持ちしたわけだ・・・。恐るべし、PT−150!

 今までの週末は小学生の娘とテレビ漫画(DVD)を見る時間をこっそり作っていた。
 先々週、「仮面の忍者赤影」が最終回になったが、娘は「最初からもう一度見たい」と言ったっけ。
 しかし、娘はピアノの面白さに目覚めてしまった。
 土曜日は、日曜のレッスンに備えて自分から練習。
 日曜はレッスンから帰ってくると自分からおさらい。
 そのあと、シューベルトの即興曲のCDを一緒に聞いた。
 というわけで、今週はテレビ漫画のビデオを見る事は無かった。成長の1過程かもしれないね。


アマンダを三たび訪問した。

 今度は、本川越の駅からバスに乗っていった。5番乗り場で02〜03系統にのり、バス停の名前は忘れたが時の鐘の近くで降りた。
 「市民会館へはこちらが便利です」って停留所だ。
 時の鐘通りをまっすぐ行って広い道路を渡り、学校の手前を左に曲がるとアマンダだ。アマンダ2F
 店に入ったら、誰もいないようだったが、おじいさんが出て来て「いらっしゃい」と言った。昼時だったので、煮込みハンバーグとコーヒーを注文した。
 おじいさんに2階まで持ってきてもらうのは気がひけたが、しかたがない。
 ハンバーグを食べ(胚芽米のご飯が良かった)コーヒーを飲んで山本周五郎を読んで、すこしウトウトした。
 それから下へ降りて会計をしたら今度は女店主に代わっていた。レコードもカバーをはずして値段が出ていたので、700円の箱をチェックしたら、あった、あった。
 ルドルフ・ケンペ指揮・ミュンヘン・フィルハーモニーのベートーヴェン交響曲第1・8・6・9番だ。これで3枚。3枚だと2000円。
 なに、ベートーヴェンの交響曲くらいは、全部アナログのを持っていたいと思ったのだ。1,2,4,8番というあまり有名でない曲も、実は聴く価値の大きい作品ではないかと最近思い始めたこともあるし。
 他にクーベリック・ベルリンフィルのエロイカ(700円)も購入した。9、7、6、5、3番は既にクレンペラーかジュリーニのLPを持っているが、これらは超名曲だから2枚持っていてもバチは当たるまい。
 他にもフルトヴェングラー、ワルター、トスカニーニなど掘り出し物がたくさんある。
 俺の場合、それらは古すぎて敬遠だがね。
 あとは4番だけだな。いずれ「ディスクユニオン」でものぞきに行ってみよう。
 で、うちに帰ってからベートーヴェン田園第1楽章だけ、ヘッドフォンで聴いたが、本当!に「清らかな泉の水を掬って飲む」ような味わいだった。
 アマンダのアナログLPはすばらしい。中身は新品のようだし、こんな値段で売っているなんて。しかし、人気なのか好みなのか、どういう基準かわからないが、1枚2800円のものもあるのだ。これらも同じくジャケットは古びているのに。
 あと欲しいアナログディスクは、やっぱりリムスキー・コルサコフのシェエラザードだなあ。アマンダにあるのは古いモノラル盤だったからなあ。
 第1〜2回アマンダ訪問で購入したのは、マルティノン指揮、サン・サーンス交響曲第3番、クリップス指揮LSOのシューベルト9番、ジュリーニ指揮、ロッシーニ・ヴェルディ序曲集、同じくシューベルト未完成、ハイドン驚愕などだ。ジュリーニのは700円だった。

 ああ、ところで、この日のアマンダはレコード演奏していなかったけな。調整中だったのか?音楽喫茶なのに。

 アマンダで購入したLP、まだ全部は聴いていないが、今まで聞いた分はいずれもOK。
 特にベートーヴェン8番は、「こんなに激しい、厳しい面のある曲だったのか」と認識を新たにした。ジュリーニの演奏は、柔らかかったのでね。どっちも良いけど。

連続演奏会&中古LP

東村山オケ・グレート 昨日は家族と東村山オケのシューベルト「グレート」を聞きに行った。大編成のオケのライブはいいなあ。中野で聴いたときも良かったし、グレートはライブがいい?
 プロのオケで聞いたらどうなるか。
 次は戸田交響楽団のブラームス交響曲第3番。ちょうど今はまっている曲。演奏も良かった。マリンバ協奏曲も良かった。

 今、毎週吉祥寺か新宿を通過しているので、オーディオ・ユニオンへ行った。アナログレコードの相場を見るためだ。安いのは700円からあった。
 ベートーヴェン交響曲第4番、コンヴィチュニー指揮・LGOのを買った。シェエラザードは、メータ・LAPOか迷ったが、1400円の61年録音、アンセルメ指揮SROにした。
 聴いてみると、どちらもパチパチノイズがすごく多い。中古だからね。アマンダで買ったのより多い。
 しかし、コンヴィチュニーのは、音は古いけど「ドイツ音楽の重厚さ」とはこういうものか、という音がした。古色蒼然だ。
 アンセルメのは、聴いてびっくり。なんと生々しい音だ!そこで鳴っているような。他のサウンドとは異質な音だ。現実感がある。恐るべしデッカ。
 恐るべしアンセルメ・SRO!某評論家が「もはやアンセルメ盤には価値はなかろう」などと言っていたが、とんでもないことだと思った。
 それに、ケンペ・ミュンヘンフィルの田園もやはり、よかった。このようなレコードたちが聞けるのは実に楽しい。これはオーディオの、レコード鑑賞の、醍醐味ではなかろうか。(2012/11)

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