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1. 食品技術士センターはお手伝いします
2011年8月6日
 私の所属しています食品技術士センターは、公益社団法人日本技術士会に所属する農業、生物工学、水産、総合技術監理、化学、経営工学、機械、衛生工学、上下水道、応用理学等の各専門分野の技術士・技術士補約160名が部門横断的に結集した登録グループで、各種活動を通して食品業界の技術向上(安全や法令順守を含む)に寄与することを目的にしています。
 食品の開発・製造加工、衛生管理、設備、機会、バイオ、環境対策、省エネ、マーケティング、知的財産管理や食品製造機械やHACCP適合の新工場建設などの専門家が所属しています。コンサルティングや技術協力のご要請があれば、専門技術士が厳格な守秘義務などを厳守の下に、責任を持って問題解決に尽力致します。
 当事務所にお問い合わせくだされば専門家をご紹介できます。
(ホームページより部分抜粋)
リンク先 http://fpcc.jimdo.com/

2. 特許の紹介「脂溶性有機化合物の分離方法」
2011年8月7日
 廃液や土壌に含まれる有害な脂溶性有機化合物や重金属を効率的に除去できる方法として、ラムノリピッドと呼ばれる天然界面活性剤の性質を利用したものがあります。
 排液、排ガス、燃焼灰等の有害な被処理物中に微量含まれる、例えばダイオキシン類等の有毒な脂溶性有機化合物や、鉛やヒ素などの重金属を、微生物の生産する界面活性剤であるラムノリピッド水溶液によって吸収、捕捉して乳化分散して回収し、回収された乳化液を塩化カルシウム塩添加、もしくはpH4.0調整などの簡単な処理で脱乳化して、ラムノリピッド水と分離することにより脂溶性有機化合物を分離除去するものです。
 この方法は重油・石油・食用油などに汚染された水層を浄化する際にも応用できます。ラムノリピッドという物質の界面活性力が大きく、さらには条件により大きく変化する性質を利用したものです。
リンク先 http://www.patentjp.com/13/F/F100656/DA10004.html



3. 特許の紹介 「共生系を利用した植物成長促進剤」
2011年8月8日
 クレブシエラ属細菌には窒素固定をする微生物が知られ、植物の根に共生することにより、相手の植物が容易に利用できる窒素化合物を提供します。根粒として有名です。
 クレブシエラ属に属する微生物を、エタノールを炭素源にして培養することにより得られる細胞外多糖類は、植物の根圏への微生物吸着に効果がありました。この多糖類は、植物と微生物の組み合わせをいろいろと変えでも微生物の根圏への吸着に有効であり、植物の育成に新たな手段を提供することができます。
 シュードモナス・フルオレッセンスはいくつかの広域性の抗菌物質を作っていますが、この微生物と多糖類との組み合わせで、植物体の病原菌や腐敗菌の感染防止効果を発し、優れた成長促進効果が得られます。カルシウムやマグネシウムなどを添加することにより、共生状態を強固にすることもできます。
リンク先; http://www.j-tokkyo.com/2001/A01N/JP2001-106608.shtml
および   http://www.j-tokkyo.com/2001/C12N/JP2001-352973.shtml

4. 上州牛を食べよう
2011年8月12日
 このたび群馬の温泉に行く機会があり、こんな時こそと牛肉のステーキを堪能しました。世間は、放射性セシウムで汚染された稲わらを食べた牛の牛肉が市場に流出したと大騒ぎで、上州牛も被害にあっているようです。それにしても今回の騒ぎにはわからないことが多く、真相から乖離した風評が蔓延しているように思われます。
 私には疑問点として、1)本当に稲わらが原因なのだろうか、2)正しく放射能が測定されているのだろうか、3)牛肉に検出されたという放射能は健康に影響を及ぼすレベルなのか、があり、放射能の恐ろしさを軽視してはならないまでも、問題のない物に間違った判定を下してはいけないという自戒の念を思わずにはいられません。
 例のひとつとして普通、牛のエサの稲わらはサイロ等で外気に触れぬように嫌気発酵したものであり、野外に放置乾燥したものではありません。福島県南相馬市の場合稲わらから検出された放射性セシウムは、1キロあたり最大約7万5000ベクレルだそうですが、どのような経緯で(危険が明瞭な?)屋外の稲わらを牛が食するに至ったか、それも多くの農家がそうしてしまったことへの説明が欠けています。配合飼料や水、牧草からは放射能は検出されなかったとされていますが、これらについては稲わらとは違い、適正に管理されていたのでしょうか。
 報道によると、そのわらを食べた肉牛から最大1kgあたり4350ベクレルの放射性セシウムが検出されたといいます。汚染牛肉を200g食べると、0.01ミリシーベルトの計算になります。胃のバリウム検査1回が4ミリシーベルト、胸のCTスキャン1回が7〜20ミリシーベルト、自然界の世界平均被ばく量2.4ミリシーベルトに比較すると危急存亡という数字ではないようです。



5. 新聞記事の紹介 「田んぼ発電、微生物による発電の回収」
2011年8月13日
 東京新聞に田んぼ発電の記事が載っていた(2011/8/13夕刊)。東京薬大の渡辺一哉教授は、水田で稲の根から流出する有機化合物を微生物に資化させ発生する電子を回収するという研究をしているそうである。光のエネルギーを燃料電池として回収するシステムである。発想としては、太陽光電池のような高価な設備と設置場所を用意することなく、田んぼで農家が耕作機械を節電利用できる、そんな簡易型の発電装置を意図しているのであろうか。
 ただ、1)燃料電池は下水処理でかなり完成されているが、水田で同じように高濃度の微生物濃度を確保し、発電を効率化できるのか、2)水田という解放された場に電信柱をたくさん立てて電気を回収して、何に電気を利用すればいいのだろうか、3)水田の薄い微生物濃度ではなく、微生物を根に効率的に共生させて、効率的な電気発生系をつくれるか、4)電極の劣化など、自然解放系で、装置を維持管理するのは大変ではないかなど、いくつかの疑問を感じた。
燃料電池の原料にはメタンガスや水素ガスなど気体が圧倒的に有利ではないだろうか。



6. 特許の紹介;抗活性酸素障害活性と細胞増殖促進活性を有するグリセロ糖脂質
2011年8月13日
 自然界において、細胞はしばしば有害な活性酸素にさらされている。活性酸素障害としては、皮膚の日光障害、虚血再潅流障害、発癌、白内障、炎症など様々な病態が知られている。活性酸素障害は、生体内での酸素ラジカル物質とラジカル消去物質のバランスが崩壊し、生体内で前者が優位になったことにより発生すると考えられている。より具体的なメカニズムとしては、前記バランスの崩壊により、生体内において活性酸素ストレスが増加し、あるいは活性酸素保護システムが阻害されて、細胞膜脂質、タンパク質が酸化され、且つ膜の構造機能が低下し、細胞膜の透過性の変化や細胞内物質の流出が起こり、その結果として活性酸素障害は起こると考えられている。
 ミクロバクテリウム・スピーシーズ(Microbacterium sp.) M874株及びコリネバクテリウム・アクアティカム(Corynebacterium aquaticum) S365株の生産するグリセロ糖脂質に、細菌、酵母、動物細胞において生じた活性酸素による障害を修復する顕著な作用(以下、抗活性酸素障害活性)が存在することを見出した。グリセロ糖脂質は、弱った細胞の代謝及び増殖を活性化する作用を有することを見出した。
リンク先 http://www.patentjp.com/12/L/L100321/DA10009.html


7. 温泉まんじゅうの力
2011年8月15日
  上州草津温泉に初めて行って来ました。草津温泉の温泉饅頭は余りにも有名ですが、今ではどこの温泉に行ってもあります。
 我々食品を商品開発しようとするとき商標化による権利化と類似品による追随防止を図ることになりますが、温泉饅頭はどこでもご自由にというのがいいと思います。Wikipediaによると温泉饅頭にも本家本元はあったようで、生地を練りこむ際に温泉水を使うこと、蒸しの過程で温泉の蒸気を使うことというのが、製法上のそもそもの規格だそうです。
 この規格を守るとすると、温泉饅頭屋さんの多くは倒産することでしょう。草津はどうでしょう。ふくらし粉として使うためには重炭酸泉である必要ですが、草津温泉では重炭酸泉は聞いたことがなく、本家の温泉饅頭すら失格になるかもしれません。草津温泉の源泉の温度は高いことで有名で、高いものでは90度といわれており、蒸す方の規格はパスしそうです。
 温泉饅頭はどこに行っても同じと思いきや、そうでもないらしくて、草津温泉での食べ歩きでは温泉饅頭の多彩さに驚くことになります。皮と餡の材質、形・大きさという数少ない変更可能場所を探して多様性を追及しています。多様さを許容することの重要性を温泉饅頭で発見してきました。



              8. 特許の紹介;凍結変性防止剤および凍結変性防止方法
2011年8月20日
 トレハロースは環境ストレスに対する優れた保護作用を有する。食品中に単にトレハロースを添加しただけではその効果はあまり高いとは言えないので、食品に添加したトレハロースが食品の組織あるいは細胞内に充分移行しないことにその原因があると考え、トレハロースと併用することにより、その効果を飛躍的に高める物質について検索した。その結果、トレハロースおよびエタノールを含有する水溶液が顕著な食品の凍結変性防止効果を発揮するのみならず、食品が本来持つ風味、呈味を変えないことを見出した。トレハロースはそれ自体甘味を有するのでその添加量が多くなると、甘味を食品に与え、食品の種類によっては、その食品が本来持っている風味、呈味のバランスを崩してしまう。そのため添加量はできる限り抑える方がよい。本発明は、トレハロースとエタノールを併用することにより、食品の凍結変性防止剤として効果を著しく高めたものであり、トレハロースの使用量を抑えて同等以上の効果を達成したものである。
 本発明の凍結変性防止剤が適用できる食品は、魚介類などの水産物、野菜、果物、穀類などの農産物、肉類などの畜産物およびそれらの加工食品、調理食品が挙げられる。リンク先;http://www.patentjp.com/08/A/A101788/DA10001.html