今度は、回転して向かって来る球にラケットを進行方向に垂直に動かして当てた時の球の動きを見てみよう。
下の図は上から見た図である。球は横回転している。四角い裏ラバーのラケットで受けるとする。
横回転している球を自分のラケットで振っていると仮定して読んで欲しい。たぶん、予想と違った動きをする。
Fig-1.6.1
球は飛び速度Vyと回転Vωで静止しているラケットに当たると、ラバーの摩擦によって回転が飛びに変換し、 飛び速度-Vyと-Vωの合力となって返球される。
弱く振った時
Fig-1.6.2a
強く振った時
Fig-1.6.2b
球の回転速度Vωがラケットの速度Vxより速いと、その相対速度の差は、横方向にずれとなって返球される。
球の回転はラケットの速度まで減速する。
球の回転速度Vωがラケットを速度Vxより遅いと、球の回転はラケットの速度まで加速されるが、
横方向へはずれずに返球される。
弱く振った時
Fig-1.6.3a
強く振った時
Fig-1.6.3b
球の回転の絶対速度|Vω|がラケットの絶対速度|Vx|より早いと、球はラバーの摩擦によって、
スピンの絶対速度の差は横方向にずれとなって返球される。球は回転を止める。
球の回転の絶対速度|Vω|がラケットの絶対速度|Vx|より遅いと、球の回転はその絶対速度の差まで反転加速されるが、横方向へはずれずに返球される。
なぜ、そうなるのか? もっと、本質的な説明が欲しい。
そんな人の為に、1.11節 「方程式からみた球とラケットの回転速度」としてまとめたので、是非、そちらを参考にしてほしい。