2. ベクトルで考える戦術(基礎)

2.2 横回転をドライブで返球

この打ち方は、最初の具体例で示したものである。この打ち方には思い出がある。 始めて、机上で回転を予測して、試した打ち方である。理論通りに横回転を上回転で返球出来、 感動したのを覚えている。

ラケットの振り方は、一つの例である。球に、ラケットでこの回転を加えれればどんな打ち方でも良い。 横回転には右のカーブ回転(R)と左のシュート回転(L)の二種類がある。 回転方向が逆なので、返球方法も逆の回転を与えることになる。

杓子定規に、あるいは律儀に横回転で無ければ使えない訳ではない。45度傾いたって同じだ。 下回転サーブに近づいてもそんなに違わない。王子サーブだって、ほぼ下切りだってかまわない。 極めて応用力が大きいのに驚かされるだろう。

2.2.1 カーブ回転をドライブで返球

相手からの球の回転は同じではあるが、配給によってバック側かフォア側で受けることになる。 ラケットでの球への回転の与え方は、いずれも球の上半球に左回転(L)を与えるシュート・ドライブ回転となる。

(A) バック側のカーブ回転をドライブで返球

カーブ回転バックサービスをドライブで返球

では、打球の順番を追って見てみよう。

① 相手がカーブ(R)でバック側にサーブした。

② 自分のコートに入ったⅠの回転にシュート・ドライブ(LT)を加える。

③ 相手のコートにはⅡのドライブ(T)となって返球される。

方程式は以下の通りとなる。
ドライブ  = カーブ + シュート・ドライブ
英語の頭文字で表記すると,
T = R + LT
R = - L なので、 T = T

振り方は3.2.1節 「横回転(カーブ回転)のドライブ返球技術:バックの振り」を参考にして欲しい。

(B)フォア側のカーブ回転をドライブ

カーブ回転フォアサービスをドライブで返球

① 相手が カーブ(R)でフォア側にサーブした。

② 自分のコートに入ったⅠの回転にシュート・ドライブ(LT)を加える。

③ 相手のコートにはⅡのドライブ(T)となって返球される。

方程式は以下の通りとなる。
ドライブ  = カーブ + シュート・ドライブ
英語の頭文字で表記すると,
T = R + LT

振り方は3.2.2節 「横回転(カーブ回転)のドライブ返球技術:フォアの振り」を参考にして欲しい。

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2.2.2 シュート回転をドライブで返球

相手からの球の回転は同じではあるが、配給によってバック側かフォア側で受けることになる。 ラケットでの球への回転の与え方は、いずれも上半球にカーブ回転を与えるカーブ・ドライブ回転となる。

(A)バック側のシュート回転をドライブ

バック側のシュート回転サーブをドライブで返球

① 相手がシュート(L)でバック側にサーブした。

② 自分のコートに入ったⅠの回転にカーブ・ドライブ(RT)を加える。

③ 相手のコートにはⅡのドライブ(T)となって返球される。

方程式は以下の通りとなる。
ドライブ  = シュート + カーブ・ドライブ
英語の頭文字で表記すると,
T = L + RT

振り方は3.3.1節 「横回転(シュート回転)のドライブ返球技術:バックの振り」を参考にして欲しい。

(B)フォア側のシュート回転をドライブ

フォア側のシュート回転ザービスをドライブで返球

① 相手がシュート回転(L)でフォア側にサーブした。

② 自分のコートに入ったⅠの回転に②のカーブ・ドライブ(RT)を加える。

③ 相手のコートにはⅡのドライブ(T)となって返球される。

方程式は以下の通りとなる。
ドライブ  = シュート + カーブ・ドライブ
英語の頭文字で表記すると,
T = L + RT

振り方は3.3.2節 「横回転(シュート回転)のドライブ返球技術:フォアの振り」を参考にして欲しい。

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2.2.3 横回転をドライブで返球の法則

前述2.2.1では、Θカーブシュート・ドライブで受けると、 Θカーブとシュートが相殺して、ドライブだけが残るのだ。
前述2.2.2では、Θシュートカーブ・ドライブで受けると、 Θシュートとカーブが相殺して、ドライブだけが残るのだ。

したがって、以下の法則が成り立つ。
<横回転をドライブで返球の法則>
 横回転をドライブで返すには、相手からくる横回転に対抗する側の上半球を前方に擦る。

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