4. ベクトルで考える戦術(サービス)

4.3 サーブのコースと力加減

君は長いサーブや短いサーブを使い分けることが出来るだろか。

既に、1.9節 「球と振りの関係」で述べた様に、球の飛距離を制御するには、ラケットの接線方向の力成分Fφは、ラケットの振り抜き半径と比例関係にあるので、ラケットの振り抜き半径で調整するのが合理的であった。この場合の振りの半径とは卓球台に投影した半径を指しているのだった。

振り抜き半径は、ラケットや肘を立てることでも出来るし、手首と腕関節の中間点を中心として回転させて行うこともできる。

ここでは、サービス時に繰り出す典型的な飛距離に則した例を見ていこう。

Youの卓球台の右コーナーを原点Oとする。
OpponentのバックサイドN点は卓球台の長辺に当たり、O点とN点の距離を、球の基準飛距離=1.0とする時、接線方向の力Fn=1.0が必要であり、スイング半径rn=1.0が、その条件を満たした時。

相手のバック前のS点を狙うには、スイング半径rs=0.6で振ると、接線方向の力Fs=0.6となり、球の飛距離は0.6となる。
相手のフォア前のT点を狙うには、スイング半径rt=0.75で振ると、接線方向の力Ft=0.75となり、球を飛距離は0.75となる。
相手のフォア側サイドライン深くM点を狙うには、スイング半径rm=0.9で振ると、接線方向の力Fm=0.9となり、球を飛距離は0.9となる。
相手のフォア側深くL点を狙うには、スイング半径rl=1.1で振ると、接線方向の力Fl=1.1となり、球を飛距離は1.1となる。

ラケットの振りと飛びの関係

注意点

球の飛距離は、球の進行方法の振りの半径で調整するが、 球の回転については、長い球にも、短い球にも同じ回転速度を与えるには、擦るスイングの方向、即ち球に飛行方向に対する垂直方向の振り半径は同等に取らねばならない。

また、短い球を出す場合は、打球点は高すぎると飛距離が出てしまうので、台からの高さはネット高さ位が良いだろう。

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