御鷹匠同心村越家の人々


作成2007年1月17日

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主題:「御鷹匠同心片山家日常襍記抄」に見る御鷹匠同心の生活と野先


 副題:御鷹匠同心村越家の人々

一、村越才助(敬称略)

 現在伝わっている吉田流及び江戸流の伝承者と言う側面を持ちながら、この一族の系譜には多くの謎が隠されている。現存する資料の中からこの一族の歴史(家系)を探って行きたい。

 戦災で家系図を焼失してしまい、真実を知るには親類の家系図頼るしかなかった村越家だが、国立公文書館に残る鷹狩り関係者及び鷹狩り関係の全ての資料の中に親類の家系図を見つけた。この中に山崎文蔵が才助に名前を変更したことを証明する張り紙を発見した。

下級武士である同心はほとんど公式記録に残らず、実際の記録を発見出来たことは幸運であった。しかも文蔵と才助が同一人物と判明したとたん、「御鷹匠同心片山家日常襍記抄」に出て来る山崎文蔵との繋がりが明確となり、お互いが此の事実を認める事になり、さらに詳細な事まで分かって来た。但し、ここでは簡単な紹介に留め、別な機会に詳しく紹介したいと思います。

 さて、ここからが本題だが、越才助が雑司ヶ谷部屋の御鷹匠同心で有った事は、渋沢栄一の「徳川慶喜公伝」に書かれているので、間違い無い事だろうが、雑司ヶ谷で幕末まで続いた村越家は存在しない。宮内省式部職編「放鷹」によれば、紀州より来た鷹匠同心の中に村越半七と村越半三郎の二名(親子又は兄弟と思われる)が居るが、村越半七の家系は代々半七と名乗り、雑司ヶ谷部屋に勤務していた。明治維新を向かえる30年前の天保8年(1837)頃には役目変えで、鷹狩りとは無関係な仕事に付き、長男の増次郎も鷹匠同心から別な仕事に付いている。片や村越半三郎の家系は千駄木部屋の同心となり、代々半十朗を名乗り幕末まで続いたと思われる。

 この村越半十朗の家系で、幕末から遡って2人目の半十朗(父親は十左衛門)という人物は、正妻との間に少なくとも八人の男子を設け、その八人目が森覚之丞殿である。さらに、また 妾に男子二人を設けている。長男は吉蔵と言い、次男を仙太郎と言った。この仙太郎だが、森覚之丞 殿の次男(覚之丞とは異母兄弟)として養子に入り、それからすぐの天保11年3月23日(1840)山崎家に婿養子に入っている。妻をちよと言い、養父は山崎彦右衛門と言った。この時仙太郎32歳で、名を文蔵と改める。

仙太郎(一般庶民)森仙太郎(森家養子)山崎文蔵(山崎家養子)山崎才助(改名)村越才助(村越性を名乗る)

※森家の養子になったのはあくまで、山崎家に婿養子に入る為で、それ以前に苗字(村越)を名乗っていた可能性は非常に少ない。と言うより、名乗っていないと言った方がいいだろう。

 この時、やっと鷹匠同心になる道が開けた。それまで全く鷹と関係ない生活をして来たが、天保13年(1842)頃には才助と名を改め、鷹匠同心見習いになっていた。江戸時代、親が長男に自分の幼名を付ける習慣が有ったが、才助が自分の長男 を仙太郎と命名するのは理にかなっている。(2007年1月17日記)

 さて、なぜ山崎姓を捨ててまで村越姓を名乗ったのか。しかし、彼が村越姓を名乗るには常識的に考えて明治維新を待つしかないだろう。

 結婚後、18年経った安政5年(1858)長男の仙太郎が生まれ、23年後の文久3年(1863)8月に次男、文次郎が生まれている。本来ならばここで村越家の口伝に基づき、徳川幕府成立頃からの系譜を書く積りだったが、考えてみればこの村越家は才助氏より始まり、鷹の家としての系譜は山崎家のものである。ここで村越家の系譜を書いたところで無意味な気がして来た。そこで、過去に遡って村越家に付いて発表するのは別の機会にして、才助氏以降の村越家の人々に付いて書く事にする。

 なお、現在伝わっている吉田流の祖はこの村越才助氏で有り、この吉田流を村越門流と呼んでいいだろう。(2007年1月26日追記)>

 この村越才助氏で有るが、民間に長くいたせいか、商才もかなり有った様で、この村越姓を名乗るに当たり徳川本家に付いて駿府に移動した村越本家の屋敷を引き継いだ様である。

つづく (2010年4月26日追記)


※村越家及び関係者の方々の情報は下記よりお願い致します。

参考文献:「徳川慶喜公伝」、「文化六年雑司ヶ谷職員名簿」、「放鷹」、「御鷹匠同心片山家日常襍記抄」、その他古文書類


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