2. ベクトルで考える戦術(基礎)

2.4 下回転をドライブで返球

下回転(カット回転)をドライブで返球する方法だ。これは、カットマンのカットボールを容易にドライブで返球出来、また 下切りサーブに対しはフリックとして使える。下切りボールの万能対策だ。
回転の合成図から分かる通り、この打ち方はドライブ回転の回転速度の遅い極付近に、前後軸回転や横回転を弱め加える。

2.4.1 前後軸回転でカット回転をドライブ回転で返球

ドライブ回転の回転速度の遅い極付近を、FコークやHコークの前後軸方向を与えてカットをドライブで返球する。 加える軸方向の回転は、フォア側は弱めのFコーク回転を、バック側は弱めのHコーク回転を加える。

言うまでも無いことだが、軸方向の回転が弱く掛かればドライブに近い回転で戻り、強く掛かれば軸方向回転が強く反映した回転となる。

(A)フォア側のカット回転をドライブで返球

フォア側のカット回転サービスをドライブで返球

では、打球の順番を追って見てみよう。

① 相手がフォア側にΘカット(ΘB)でサーブを出した。

② 自分のコートに入ったⅠの回転に弱めのFコーク(F)を加える。

③ 相手のコートにはⅡのドライブ(T)で返球される。

方程式は以下の通りとなる。
ドライブ ≒ Θカット + 弱めのFコーク
Θカット = ドライブだ。したがって、
ドライブ ≒ ドライブ + 弱めのFコーク
英語の頭文字で表記すると,
TΘB + weak F

FコークΘカット並みの大きさだと、
Fコーク・ドライブ = Θカット + Fコーク
英語の頭文字で表記すると,
FT = ΘB + F

下回転に対してドライブで返す振り方は、
台上の振り方は3.6.1節 「台上の振り」を参考にして欲しい。
台外の振り方は3.6.2節 「台外の振り」を参考にして欲しい。
カットマンに対する繋ぎの振り方は3.6.3節 「カットマンとの繋ぎ」を参考にして欲しい。

(B)バック側のカット回転をドライブで返球

バック側のカット回転バックサービスをドライブで返球

① 相手がバック側にΘカット(ΘB)でサーブした。

② 自分のコートに入ったⅠのΘカット回に弱めのHコーク(H)を加える。

③ 相手のコートにはⅡのドライブ(T)で返る。

方程式は以下の通りとなる。
ドライブ ≒ Θカット + 弱めのHコーク
Θカットドライブだ。したがって、
ドライブ ≒ ドライブ + 弱めのHコーク 英語の頭文字で表記すると,
T = ΘB + weak H

HコークΘカット並みの大きさだと、
Hコーク・ドライブ = Θカット + Hコーク
英語の頭文字で表記すると,
HT = ΘB + H

下回転に対してドライブで返す振り方は、
台上の振り方は3.6.1節 「台上の振り」を参考にして欲しい。
台外の振り方は3.6.2節 「台外の振り」を参考にして欲しい。
カットマンに対する繋ぎの振り方は3.6.3節 「カットマンとの繋ぎ」を参考にして欲しい。

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2.4.2 横回転でカット回転をドライブ回転で返球

ドライブ回転の回転速度の遅い極付近を、カーブやシュートの横回転を与えてカットをドライブで返球する。
加える軸方向の回転は、フォア側は弱いカーブ回転を、バック側は弱いシュートを加える。

言うまでも無いことだが、横回転が弱く掛かればドライブに近い回転で戻り、強く掛かれば横回転が強く反映した回転となる。

(A)フォア側のカット回転をドライブで返球

フォア側のカット回転サービスをドライブで返球

では、打球の順番を追って見てみよう。

① 相手がフォア側にΘカット(ΘB)でサーブを出した。

② 自分のコートに入ったⅠの回転に弱めのカーブ(R)を加える。

③ 相手のコートにはⅡのドライブ(T)で返球される。

方程式は以下の通りとなる。
ドライブ ≒ Θカット + 弱めのカーブ
Θカット = ドライブだ。したがって、
ドライブ ≒ ドライブ + 弱めのカーブ
英語の頭文字で表記すると,
TΘB + weak R

FコークΘカット並みの大きさだと、
カーブ・ドライブ = Θカット + カーブ
英語の頭文字で表記すると,
RT = ΘB + R

(B)バック側のカット回転をドライブで返球

バック側のカット回転バックサービスをドライブで返球

① 相手がバック側にΘカット(ΘB)でサーブした。

② 自分のコートに入ったⅠのΘカット回に弱めのHコーク(H)を加える。

③ 相手のコートにはⅡのドライブ(T)で返る。

方程式は以下の通りとなる。
ドライブ ≒ Θカット + 弱めのシュート
Θカットドライブだ。したがって、
ドライブ ≒ ドライブ + 弱めのシュート 英語の頭文字で表記すると,
T = ΘB + weak L

シュートΘカット並みの大きさだと、
シュート・ドライブ = Θカット + シュート
英語の頭文字で表記すると,
LT = ΘB + L

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2.4.3 カット回転をドライブで返球の法則

したがって、以下の法則が成り立つ。

<下回転をドライブで返球の法則>
相手からの下回転をドライブで返すには、回転速度の遅い極付近に、HコークやFコークの軸方向回転や、カーブやシュートの横回転や、Hコーク・カーブやFコーク・シュートを、弱めに加える。

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2.4.4 カット回転をドライブで返球の応用

もっと、インパクトが欲しければ次を試してほしい。この図では自分のフォアー側に来た球の処理方法の説明となっているが、バック側に来ても同様の回転を加えれば良い。

カット回転フォアサービスをドライブで返球

① 相手がバック側にΘカット(ΘB)でサーブした。

② 自分のコートに入ったⅠのΘカット回転にHコーク・カーブ・ドライブ(HRT)を加える。

③ 相手のコートにはⅡのHコーク・カーブ・ドライブ(HRT)で返る。

方程式は以下の通りとなる。
Hコーク・カーブ・ドライブ ≒ Θカット + Hコーク・カーブ・ドライブ
英語の頭文字で表記すると,
HRT = ΘB + HRT

振り方は3.6.3節 「下回転のドライブ返球技術(C)フャアの振り(カット回転を打ち抜く)」を参考にして欲しい。

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