平成11年度猟期


このページの最終更新日は2010/04/13です。

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このページでは平成11年度猟期に於ける狩猟を通じてドイツポインターの活躍をご紹介します。

猟期は平成11年11月15日より平成12年2月15日までです。


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平成11年11月20日


平成11年11月15日の日記より

  解禁日、6時15分が日の出となっていたが10分遅れで猟場に着くといつもの駐車場には先客の車があり少し気を削がれる。さらに小雨と条件が悪い(注、この場所から標高差50メートル位山を登ると一面に畑が広がっていて、ここが今日の本命の猟場です。ここから谷を隔てて同じような畑が3箇所川沿いに並んでいます。)とにかくこの上を攻める事にし、猟場について緊張するなか犬を放してしばらくすると例の車の持ち主が現れ挨拶をすると去年ここでキジバトを撃っていた人で、今年から初めて犬を引いた様子で、あまりキジの付場は分かっていない様なので少し安心。さらに何も出なかったと言っていたので人の後を攻めるのもつまらないし、この小雨では昼頃までは駄目と思いこの場はあきらめて一つ上の畑へ行くことにした。(ここには3年前より狙ってるひねキジが一羽いて中々手ごわい相手で何時もうまく逃げられています。さらに去年は解禁日から1ヶ月間犬が足の怪我で使えなかった時など突然目の前に飛んで現れ、3メートルくらい先の草薮に下り姿が見えないのでどう攻め様か考えている間に何処かえ消えてしまい悔しい思いをしました。)

  キジの臭いは有るもののキジは出ずその上の方でメスを踏み出す。その後ベルがポイントしてコジュケイを出す。ただ今猟期始めてのチャンスで引き金を引きそびれてしまう。

  次に去年キジを獲ったところへ行く。ここも先客がいてベルを違法なわなから外している所に声を掛けられる。今年は駄目で臭いもないと言って山を降りていった。小雨でキジが出ていなかったのだろうか。一回りして帰り際に崖ぞいでベルが臭いを取ったが、怖がって降りれずどうしようもないのであきらめ車に戻りベルに餌さをあげ2時間ほど休む。(何日か後にこの猟場に行ったときの事、ベルが狐を追い出しキジが居なくなった原因が分かった。)


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崖下のキジ(?)に反応するベル。(去年はこの場所で1羽出している。)


  途中で行政センターの見回りがあり、狩猟者登録証等の確認と捕獲の有無を尋ねられる。聞くとろによると獲った人には未だ出会っては居ないとのことである。場所を変えるため車で30分ほど移動する。ここは今回が始めての場所で着くなりコジュケイが盛んに鳴いていて驚かされる。もうすでに犬と人の足跡があり誰かが攻めた後であったが、初めてなので一回りしてみる。さきほどのコジュケイは場所的に矢先が危ないので放って置いて最後に犬に当てようと思って、キジバトが2羽飛んでいった方へ行く。結局キジバトは人を恐れているようで近づけず遠くから飛ばれ、見送るしか無かった。最後にコジュケイの鳴いていた場所にくるとベルがポイントをしてコジュケイを10羽ほど出す。まさに蜘蛛の子を散らすようであった。ここも山間の畑でコジュケイの付いていた場所は背の低い雑草が茂った畑が終わり、谷に切れ落ちているところで崖側は竹やぶになっていてまさにコジュケイの好む典型的な場所であった。一応コジュケイが出たので帰ろうと思って車に向かったら犬が付いて来ないので振り向きざに名前を呼ぶとポイントをしていたベルが前に突っ込むといきなりオスキジが飛び出し、すかさず安全を外し狙いを付けた所で矢先が危なくなったので見送る。オスキジは竹薮を越えて消えていった。竹薮の先の谷を隔てた反対側には国道が通り、駅と人家まで有り、距離にして200メートル。弾が届く距離だったので諦めざるをえなかった。それから車でいろいろ見て周り、午後一番に朝の猟場に戻り飛んできたキジバトを撃つが外す。その後ベルがコジュケイをポイントして出すが、数が多くて狙いが付かず2発共失中する。未だポイントしているので弾を詰め替えているうちに次を出てしまい坊主で初日を終わる。

  結局何も獲れないまま終わってしまった。今年はキジバトが非常に少ないのに対し、キジやコジュケイの繁殖は下見でもかなり良かった。コジュケイの群れも去年までは一群5羽位だったのに今年はどの群れも10羽と非常に多くなっている。

また17日に来る事にして明日は鴨猟場に行く事にする。


平成11年11月16日の日記より

  今日は家から10分ほどの猟場に鴨撃ちに行く、日の出5分過ぎに着いた時にはもうすでに2人のハンターが先を急いでいた。また昨夜期待していた嵐も予報が外れ、解禁日に追われた鴨も戻って来ていないと思いキジ猟に変更する事にする。下見でも今年は当歳のオスキジ3羽を確認しているので1羽なら獲ってもいいかなと思いつつ歩いていると、キジバトが1羽飛んできたので撃ったが外す。このキジバトも昨日連れを撃たれたのか1羽で飛んでいった。キジバトは殆ど2羽単位で行動し、群れも全てこの2羽が基本になっている。その為か片割れを失うと極端に警戒心が薄れてしまい撃たれる確立が高くなる。

  しばらく行くと今度はカラスが飛んできたので思いっきり手前を狙って撃つがこれも外れる。その後中の池へ行くと、奥の方からベルがゴイサギを出すがこればっかりは撃ちたくないので見送る。この時期ゴイサギが出るのはやはり暖冬の影響で落葉が進んでいないせいである。先に入った鴨撃ちのハンターを避け土手際を帰る事にする。途中でベルが行方不明になり、中々戻って来ないので犬笛で呼ぼうと思ったら所、自分より10メートルほど川よりの草むらにたたずんで居るのが解かり声を掛けようとした、所ベルが動いてオスキジを出す。右側から手前10メートル先を高く土手方向へ飛ぶ、キジも人の気配を感じていなかったのか慌てるそぶりも無くゆっくり飛んだので正面にきた時に矢を引く。少し毛花がちり半矢かと思ったらそのまま下に落ちえる。8発目にしのやっとの改心のあたりである。ベルはと言うとキジが出たのを知っているのに同じ所をいつまでも探していてやっと呼びに応じて戻ってきたが、キジが分からずやっと咥えたかと思うと今度は持って行こうとするのでリードを付けて運搬をさせる。

  キジは思っていたとうり今年生まれた若で、後で羽を引いたところ体に5発と片足は完全に折れていた。即死だったようである。


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平成11年11月16日


  その後11月20日には一番上の写真のキジを獲る事が出来た。その日、別な場所で雄と雌が同時に出て雌の陰になって矢が引けず見送りとなったが、気になる場所が有ったので戻って攻める事にした。


平成11年11月20日の日記より抜粋

 一ヶ所気になる場所があったのでベルを放す。そこは河岸段丘に作られた田圃で、川から垂直の崖が10メートルほど競上がり、その上に幅20メートルほどの田圃があり、さらにそこから10メートルほど土手を上がると今度は幅50メートル位の田圃が広がっていて、さらにそこから20メートル土手を上がると県道が走っている。この土手には杉と下草がはえ、さらにその下の10メートルの土手にはススキが生えていてまさにキジの付場としては第一級の場所である。ベルを放すとこの光景を見ていたノネコが一目散に右手にある崖の上の藪へ逃げていった。まず左手側の県道へつながる土手と田圃の境を狩り進む、早速ベルは杉林の中に生えている鈴竹の藪にポイントを決める。しかしコジュケイだったのでそのまま見送り先に進む。ベルは近くに逃げたコジュケイで遊んでいたがそのうち目的が分かったのか田圃の畦に生えた枯れたすすきを中心に探し始める。(解禁当初だと銃声が近くでしてもキジが早立ちすることはあまり無いが、もうこの頃になるとひねキジは人の気配を感じると、とっとと安全な場所へ移動してしまう。その為コジュケイはパス。)200メートルほど狩り進んだところで田圃が終わり崖になる。次に下の段に移り今までと逆方向に狩り進む。すると50メートルほど先を進んでいたベルがススキが一塊になった高さ2メートルくらいの土手を巻き始めた。多分この中心にさっきのノネコが潜んでいるのではないかと思い足早に近づき土手の下側に太陽を背にして立つ。いつ出てもいいのにベルはポイントをしては突っ込むが何も出ない。しかも四足では(ウサギや猫)必ず吠え立てるのに静かである。次第にその範囲が狭くなり、よく見るとポイントの先にはいばらが生えているではないか。きっとここに隠れていたキジが猫が来て逃げた跡を一生懸命探しているのではないかと言う不安がよぎる。しかしキジがいれば必ず出すベルの事を信じようと思い今まで声を出さずにいたが、大きな声で「良し」と言うといばらの中に突っ込み見事なオスキジを出す。しかし雌雄を確認し、安全を切った時にはススキの裏側を飛び、隠れて仕舞う。多分声を掛けたのが災いして姿を見せただけで裏に回り込んでしまったようだ。しかし一瞬崖の上に姿が見えたときすかさず矢を引く。キジの体が一瞬止まって見えた。飛び立ってから距離にしてたった5、6メートルの出来事である。

  多分落ちていれば崖の上にせり出した木の根元の辺りと思いススキの根元を探させるが咥えて来ない。よく見ると下の川原にキジの姿があった。  後で調べたら両翼が折れているだけで体には弾は入っていなかった。多分墜落によって死んだものと思われる。

  それから12月25日は解禁日に最初に狙った本命の場所で、三年前からどうしても獲れなかったキジを手にする事が出来た。このキジの体の中からは毛の塊のようなものに包まれた弾が出てきた。これは去年以前に撃たれた時の弾に色々な物が付着して塊になった様であった。このひねキジの事も書いていると長くなるのでこのくらいにするが、このキジの蹴爪は削れて殆ど跡形は無かった。この畑の隣のやはり三年前より狙っているキジは平成12年度の猟期までお預けとする。


 一月

  さて猟期も年を越すとキジはより安全な場所に移り、中々お目に掛かれなくなる。それでも雌は時々顔を見せてくれるが、足は自然と川に向かい残り鴨とキジバト撃ちに代わってくる。家から10分と言うのも一つの原因では有るが、解禁直後のように10日間も会社を休んで毎日鉄砲を持って歩き回る気力も無くなり、週休2日の身では朝は家のことをしなくてはいけないからである。それに犬の訓練用に飼っているハト小屋の掃除と餌やりをしていると8時近くなって、鴨撃ちのハンターが帰ってからの出陣となる。殆どの鴨撃ちは日の出時間(新聞に載る日の出時間)に川に入り、川岸を歩いて鴨を出す。犬を使って専門に鴨を狙っている人には会った事が無い。それでも人間と犬では犬には勝てないようである。


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駐車場から見下ろした猟場の一部、時々鴨が出る穴場。


  鴨が付いているのは上の写真のような主流から外れたクリークの葦の茂みの中である。中には半矢の飛べない鴨も時々いたりする。犬を先に入れると岸辺にいる鴨に先立ちされ、射程外というのが殆どなので必ず後付けで近づく。人の姿を見て飛び立つ場合は十分に撃てる距離が多い。最初の緊張の瞬間が過ぎるとベルに「よし」と声を掛ける。この時ばかりは左右20〜30メートルの範囲を入念に探す。そして何もいないのが分かると対岸に泳いで渡りまた左右20〜30メートルの範囲を探す。そして何も出ないと戻って来る。それを約100メートルの範囲で3回行い鴨を探しだす。この為、出る鴨はほとんどが射程内である。後は腕次第となるがどうも半矢が多く、下のコガモは12月31日に半矢にしたのを1月1日にベルが探し出し射獲したものである。


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コガモの雌                       カルガモ


二月

  この頃になるとのんびりと出掛ける。もはやあせりも無くなりただ犬を連れ鉄砲を持って出掛けられる事だけで十分楽しい。運が良ければ獲物に出会う事も出来る。冬枯れの河原では時々ベルがのウサギを出す。ノウサギがはねる様子もまた面白い。しかし、ノウサギには矢は引かないことにしている。数年前うちの女房殿にウサギを見せたらさんざ文句を言われウサギは獲らない約束をしたからである。しかしこの時期は意外とキジに出会ったりする。ハンターも減って安心して出てくる事もあるようで来期の参考にしている。特に最終日の日没前には人気のある猟場で出会ったりするが、良くここまで生き延びてくれたと思い見送る事にしている。


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猟場に捨てられた空薬莢


 大変残念だが、多くのハンターが空薬莢をそのまま放置している。出来るだけ捨てられた空薬莢を拾う事にしている。しかし、畑の中に平気で捨てている人もいるのが実情である。農家の人達からハンターが嫌われても仕方がないような気がする。しかし、この空薬莢のサイズや落ちている場所から何を狙ったのかどこから鳥が出たのかがおおよそ見当がつくものである。これによって新たな猟場を発見する事もある。


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