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動脈硬化症
どの様な病気なのか
動脈硬化とは、広義では「血管壁の肥厚、硬化、再構築、機能低下を伴う動脈病変の総称。」をいい、粥状硬化、中膜硬化、細動脈硬化の3者を含む。前記3者のうち、臨床的に最も重要な粥状硬化を狭義では、動脈硬化と呼ぶ。この場合の動脈硬化は「血管内膜における細胞増殖、脂質の沈着、結合組織の蓄積をきたした巣状の病変」である。
 動脈硬化の最大の危険因子は年齢であり、加齢とともに有病率は増加する。特に45歳以上の男性、閉経後の女性は動脈硬化予備軍である。他の危険因子として、高LDL-コレステロ−ル血症(140mg/dl以上)、低HDLコレステロ−ル血症(40mg/dl以下)、高血圧(140以上/90以上mmHg)、喫煙習慣、耐糖能異常、(日本糖尿病学会基準で境界型、糖尿病型)、早発性冠動脈疾患の家族歴が挙げられる。危険因子が多くなると有病率は加速度的に増加する動脈硬化に結びつく新たな病態として、内臓肥満、インスリン抵抗性を背景にしたメタボリックシンドロ−ムが注目を浴びている。
実際に動脈硬化病変の頻度を正確に示すことは困難であるが、60歳代で約60%、90歳以上では80%の例で病理学的に認められた。
原因
本症の成因については種々の学説が提唱されてきたが、現在有力視されているのがRoss(ロス)らの、傷害反応説とそれを発展させた炎症説である。高血圧、乱流などの血行力学的因子や、高LDL-コレステロ−ル血症、過酸化脂質、喫煙などにより内皮細胞が傷害されて活性化すると、細胞表面に接着分子か発現され、単球やTリンパ球が内皮下に侵入する。単球は種々のサイトカインの作用でマクロファ−ジに成熟・分化すると、酸化LDLを取り込んで脂質に富んだ泡沫細胞を形成する。種々の炎症性サイトカインがこれらの過程で重要な役割を果たすこうしてできた脂肪斑からさらに平滑筋細胞増殖、結合組織増生により、プラ−クが形成され潰瘍、血栓、石灰化を伴う複雑病変にまで進行する。
臨床的に重要なのは、高度な狭窄や閉塞が出現する場合でその機序として不安定プラ−クの破綻による血栓形成が注目を浴びており、特に心筋梗塞や不安定狭心症の主な原因と考えられている。
どのような症状があるのか
動脈硬化は高度の狭窄(少なくとも75%以上)をきたさないと血流障害は起こらず無症状である
 脳・心(冠動脈)・腎動脈の高度の狭窄により血流低下が起こると、これらの臓器の機能不全を起こす。このうち、脳動脈の粥状動脈硬化は主幹動脈の内頚・椎骨・脳底動脈およびその主要分枝に認められ、これを基盤としてアテロ−ム血栓性梗塞や、ラクナ梗塞、一過性脳虚血発作(TIA)が発症する。CT上、血管性の器質性病変を認めなくても、脳動脈硬化症として頭重感、めまいなどの軽い脳循環障害症状か現れる場合がある。
 腹部ないし胸腹部大動脈硬化によりしばしば大動脈瘤が形成され、疼痛を訴えることがある持続性の腹痛や圧痛は切迫破裂の可能性を考える。また、腹部大動脈末梢の閉塞はLeriche(ルリッシュ)症候群(インポテンツ・間欠は行・筋萎縮)を呈する。
 腸骨動脈以下に動脈硬化病変があると、程度に応じて間欠は行や安静時疼痛、潰瘍形成が現れる。[閉塞性動脈硬化症(ASO)]
身体に見られる異常
@血管狭窄・閉塞による徴候として、下肢罹患動脈の触知・血圧の低下、支配領域の皮膚温低下、頚部・あるいは腹部の血管雑音や眼底の変化ががみられる。
A動脈瘤形成によって血管拍動が認められる。
Bその他、脳・冠・腎・各動脈に特異的な徴候があり。脳梗塞・狭心症・心筋梗塞・腎血管性高血圧などを起こす。
どのような検査をするのか
 画像診断は胸腹部単純X線検査(大動脈の拡張、蛇行、石灰化)、頸動脈エコ−、経食道心エコ−、胸部・腹部・CT、MRY、アンギオグラフィ−(MRA)、冠動脈造影(GAG)、などの血管造影による狭窄・閉塞所見、プラ−クの検出がおこなわれている。
 近年、予後不良の脂質に富んだ不安定プラ−クと安定した繊維性のプラ−クの鑑別に血管内エコ−(IVUS)、マルチスライスCT、(MDCT)、MRI、F-18フルオロデオキシルグルコ−スポジトロンCT(FDG-CT)などの臨床応用が進んでいる。
 脈波速度(PWV)、足関節/上腕血圧比(ABI):前者は動脈壁の硬さ(stiffness)を、後者は下肢動脈の狭窄、閉塞を反映している。
診断の仕方
40歳以上で脂質異常症(高脂血症)、高血圧、喫煙などの危険因子をもつ患者が脳・冠・腎・下肢動脈に狭窄・閉塞による虚血症候を示した場合、動脈硬化症を疑い、画像診断にて正確な部位診断、治療方針を決定する。
 鑑別診断として、慢性の血管閉塞をきたす血肝炎[Buerger(バ−ジャ−病)、Behcet(ベ−チェット病)]、血栓塞栓症がある。
どのような治療をするのか
 @高血圧、脂質異常症、耐糖能障害、喫煙など強制可能な危険因子を、生活習慣の改善、薬物などで、できるだけ除く、それぞれの到達目標値については背景となる危険因子によって違ってくるため、高血圧、脂質異常症、糖尿病の疾患別に対処する。
A肥満、特に内臓肥満の抑制、BMIは25kg/m
2未満を目標とし、一回30分、週3〜4回の運動をするように指導する。
Bプロスタグランジン剤などの血管拡張薬やアスピリンなどの抗血栓薬で末梢循環を改善する。
C血行再建、冠動脈硬化、頸動脈硬化、閉塞性動脈硬化、腎動脈硬化などに対して、画像上の適応に応じて経皮的血管形成術、ステントの留置、バイパス術による血行再建が選択される。
鍼灸治療 ※医師の治療との並行が基本方針です。
治療に関しては呉竹学園東京医療専門学校鍼灸科附属施術所、同校東洋医学研究所の御指導・アドバイスと東京大学医学部附属病院リハビリテ−ション部鍼灸部門、明治国際医療大学、埼玉医科大学病院東洋医学科で行われている治療を参考に治療法を組み立てています。 動脈硬化症は老化による退行性病変
であり、眩暈、頭重、不眠、健忘などの症状が多少なりとも現らわれる傾向がある。しかし全身の動脈が同程度に硬化するものではなく、脳、心、大動脈、小動脈の障害により、出現する症状は個体によって違ってくる。鍼灸治療の対象として多いのは間欠は行症である。 間欠は行は非腹筋のみに疼痛があり、足背動脈、後脛骨動脈が微弱触れる軽度の症例では、1・2ヶ月間、週に2・3回の頻度で回復するものがある。大腿筋までの緊張感や痛みを感じるものは、上記同様の治療間隔で半年ないし1年以上の治療を必要とする。  治療としては全身的には易疲労、倦怠感などを対象とする治療に下肢痛に対する治療を合わせた治療を行います。

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