アドリブな日々 Back Number 2013
 

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  2013.12.15    師走も押し迫ってきたある日、4、5年お世話になっているICレコーダーちゃんの外装をリニューアルしようと思い、ヨドバシカメラに電話したときのとことです。ひと月前に電話で確認した時にはまだ辛うじて修理が出来るということだったので、今回は見積もりを聞こうと思ったのですが、なんと今回聞いたところこの商品は非分解なため、修理が出来ませんとのことでした。

 前回とまるっきり違う回答だったのと、家電量販店で電子機器の分解修理が出来ないなんで聞いたこともなかったので、詳しい解説を求めたところただただ、非分解扱いになってるので分解出来ませんの一点張り。いや、そうじゃなくてね、非分解の家電品ならそもそもどうやってそれを組み立てれるのか、そこからまず理屈に合わないでしょ。それに僕以前、ICレコーダーは何度も修理出しましたよ、と問いただしても、これはメーカーの方で非分解なので修理は出来かねますと答えるだけです。こういう人、心の底からため息がでますよね。あなたは誰ですかと聞いたら今日は月曜日ですと答えるロボットみたいな人。当たり前の質問にマニュアルでしか答えない、一昔前の市役所の役人みたいなの。

 まあ、相手するのも無駄なので、じゃあ直接質問しますからソニーさんの番号を教えてください、と言い、ソニーにかけてみました。

 テレフォンアポインターの方は、チマチマと喋る若い女性でした。文章でそのニュアンスが伝えられないのがとても残念です。お仕事ぶりはほぼ完璧、このIC機器の修理の実情はどうなっているのかという問いに、すでに部品がなく修理は受けてもほぼ実費で現行機種に交換になるとのこと。要は、商品サイクル促進のなかでパーツのなくなった商品の修理不能については、修理として受けるが、その実、新商品との差し替えという方向みたいですね。これが『非分解』の意味だったようです。ヨドバシ店員の非分解説明より1000倍判りやすかったです。

 その彼女の説明が、まあじつに何と言いますか、『萌え』でした。「すでに、メーカーに部品がない状態がためにですね、、、」「一旦修理をお受けします。そすと(そうすると)今度は現行の機種にですね、コウカンになるのですよ」終始こんな感じで、訥々と東北なまりで、じわーっっと語られるのをじっと聞いてて、ヨドバシ非分解店員ですっかりとがった気分になっていたナベ心は、いつのまにかマシュマロのように溶けていきました。

 「いや、大変よく、わかりました。とても理解出来ました。お電話さしてもらって良かったです。ありがとうございました。」「いえいえ、お役に立てて恐縮です。こちらこそありがとうございます。」「あの、、お話し出来てとってもとってもなごみました!ありがとうございました。」と、こういうと、彼女はびっくりして弾けたように、いえいえ、とひたすら照れながら逆にお礼をおっしゃっていました。

 こういうのが人間らしい会話ですよね。人として対峙するっちゅうことの大切さを、またもや年末に若手に教えられました。(昨年はたしかオートバックスのおねーちゃんだったな)また、ヨドバシマニュアル君に当たっていなかったら彼女に辿り着くことは出来なかったので、ちょっと不快な気持ちにはなりましたがこれも大事な巡り合わせのための布石だったんだなー、と思いました。

 そんなこんなドタバタとすごしていたら、田舎の読者様より無伴奏ですが素敵な曲が送られてきました。タイトルは『明日はピアノの発表会なのに』慌ただしい師走になごみのひととき。特に忙しすぎて不眠症に悩まれる方とかはこの作品は共感出来るのではないでしょうか?

今年もあと僅か。みなさま、体調に気をつけて良い年をお迎えください!

 『明日はピアノの発表会なのに』http://www.youtube.com/watch?v=wZ2jeLFePJQ&sns=em
 
     
 
  2013.12.01     冬も近くなってくると、バイク乗りのメッカの保土ヶ谷パーキングでもめっきりバイカー達の姿を見なくなります。

 そんなある日、わたしのしびこ(ホンダCB650LC)が今年12月車検なので、車検月の先月11月に運輸局で車検を通してきました。でも車検と一般整備は内容が違い、車検では問題ないオイル洩れが気になったので、帰りしなの保土ヶ谷パーキング駐輪場でエンジンを吹かしながら、漏れ箇所の特定をしていたところ、ピカピカの250ccに乗ったタンデムのカップルが横にバイクを停めました。

 基本的に他のバイク乗りとは会話を交わさないので、作業に没頭していたのですが、その若いカップルの二人が話しかけてきました。

男『ホンダですか?』 なべ『そう、ホンダ。めずらしいでしょ』 男『ええ、見たことないっす。シービーってんですか』 なべ『30年前のバイクだからね。ラグジュアリーカスタムていうんだけど』 男『初めて見ました。レトロでカッコイイっすね』 女『色がカワイイ〜』 なべ、心の中で(ありがとう!!)

 それじゃ、となべがしびこにまたがって去ろうとしたら、彼氏が『ホンダ!イエーイ!!』といい、親指をクッと立てました。なべはメットから伝わるよう満面の笑顔で答え、挨拶をしてその場を去りました。

 若いヤツって、日常的に普通にイエーイなんて言うんですね。知らなかった。もし普通に会話を交わそうとするならこっちはテンションの維持に苦労しそうですが、爽やかなお二人さんでした。


 ある時、東京タワー前のでっかい道の真ん中で小さい影がチラチラしていたので、気になってバイクを停めたところ、路上で雀が何か必死に鳴いていました。

 たまたま車が途切れていたので急いで駆け寄ったところ、小さい一羽がすでに事故に遭い絶命していました。かたわらで鳴いていたのは、友達なのかつがいなのかは判りませんが、とても仲良しだったんでしょう。無惨に横たわった仲間に『ねえ、ダイジョウブ?ねえったら。返事してよ』と必死に話しかける(実際はチュン!チュン!です)様子が心に痛いほど伝わってきて、何とも哀れでした。自分の身の危険も顧みず、小さいながらも仲間のことを必死で心配するんですね。

 もう何も出来ないですが、ここじゃあんまりなのでせめてものと思い、その骸を近くの植え込みのところに持っていき静かに横たえました。ここならお友達ともゆっくりお別れも出来るだろう。よく頑張った!えらいぞ。元気で成仏しなよ。


 横断歩道。ここは歩行者優先ですが、車は速度が出ているのでたいがいは歩行者が車の通過待ちをしています。ですがバイクは視界が車より良好なので歩行者を発見しやすく、見つけたらナベは極力停止することにしています。すると何とまあ、たいがいの歩行者さんはとても有り難いとばかりに感謝してくれ、丁寧に頭を下げられます。いやいやそこはあなたがたが優先ですがと思いつつ、この知らない人にありがたがられる、感謝されるっつうのが最近もう快感で快感で快感で、横断歩道を見つけたらいつでも止まれるよう注意しております。

 バイクに乗っているとクルマでは遭遇しないいろんなことがあります。最近ボケが進行しているので備忘録がわりにつれづれに書いてみました。

今年ももうすぐ終わりですね。今年みなさんにはどんな素敵なことがありましたか?
 
     
 
  2013.11.15    原宿。20数年前に当時のヤングとして現役として歩いた記憶はあります。はい、当時はタケノコ族が原宿には棲息していて、なぜかタケノコ族の友達もいたりして、今考えるとそれなりに流行ものに身を染めていたんだなあと思いますね。

 その20代から30になるまでの自分というものが存在した記憶は消し去りたいのですが、まあ現在の肥やしになっていることは確かなので不問に付しましょう。で、なぜ原宿なのかと言いますと、こないだライヴで原宿行ってまいりましたのよ。

 細かな所はいろいろと変わったのでしょうが、やはり原宿は不変でした。まず第一に歩いている者どもが軽薄である。前髪を目の下まで伸ばししかもそれが斜めの目隠しヘア。男なのに何故かロングスカートをなびかせてシャラシャラ歩くヤツ。尖った目つきで不健康そうな青白い化粧バッチリのネーちゃん。信じられないのは、とある有名なクレープ屋の前に昼間っから長蛇の列が出来ていて、それがすべて高校生ぽいギャルで固められている光景。女子校みたいななんだか圧倒的なパワー。そしてすべての者どもに共通なのは、皆ピチピチである。

 そんな通りにリハーサル疲れを引きずったオヤジ4人が無防備に紛れ込んだもんだから、もうエネルギーを吸い取られて吸い取られて、駅前一周30分間歩いただけですがクタクタになってしまいました。ステージでは頼もしいパーカッションやドラマーが、これらの店先では妙に浮いてみえました。というかキョロキョロとして見えたのが妙に印象的でした。と言ってる自分が一番ソワソワしてて風景にそぐわなかったろうとは思います。

 女性との相性は良いと思います、原宿は。いくつになっても結構溶け込みやすい街でしょう。だた、オヤジがウロウロするもんじゃないですねあの街は。オヤジが御用を達すものがないから仕方ないのですが、歩いていて興味を示せるものが皆無だったのが何か空しかったです。ただひとつだけ、ちょっとかっこいい紳士靴っぽいのがあって、オッと思ったのですがよく見るとやたらにラメラメで、ちょっとやっぱりダメだ、と思った次の瞬間、ワンテンポ遅れてパーカスの仲間がそこにスウーッと寄ってじっと見てまた歩き出したので、あっカブった!同じこと考えるなよお、と心に影が一瞬差しました。また同時に、僕らが唯一楽しめたのはこの街であの靴だけだったのかあ、と物悲しくしみじみ思いました。

 で、はい、ライヴは大盛況でした。オヤジはいつまでもショボくれてなんかいませんよ!忘れっぽいのもオヤジの武器ですから。
 
     
 
  2013.11.01    世田谷通り、多摩川沿いの土手に公園があり、帰り道によくふらっと立ち寄ります。

 立ち寄るのはたいがいバイクで出掛けた時で、車両進入禁止のバリケードの前にバイクを停め、エンジンを切りヘルメットを脱ぐと急な静寂が訪れ、夜の冷気と秋の匂いが顔に当たります。

 横の瀟洒なお家にはネコがいて、たまに擦りガラスに立ってこちらを見ているシルエットが浮かんでいます。手を振ると微動だにもせずこちらをジッと見ています。さらに手を振るとますます微動だにもせずこちらをジッと見つづけます。でも今日はいません。

 そのまま歩いて土手に上がるとお気に入りの場所があり、その場所は土手の上の車両進入禁止のぶっといパイプの上です。静かに星を眺めるには最適の場所です。でもなんだかどこの河川敷に行っても、いったいに進入禁止多過ぎ。というか、これは一般ドライバーのマナーが悪いせいなのか、行政の面倒くさがり体質のせいなのか。まあその両方でしょう。

 そういった無機質な黄色と黒のバリケードにも花は公平に咲くようで、こうしてたまに星でも眺めにといった特等席、あるいは仲良し連れの止まり木や、犬のお散歩のマーカーがわりなど、いろいろと重宝はされている様子。

 まあそうはいっても長居はしません。せいぜい、川の音を聞きながらぼやける視力でオリオン座とか、木星だかなんだかよくわからないやたら目立つ星を眺めておしまいです。

 それでもやはり頭の上には宇宙があるんですね。ある時それらのあるいはすでに消滅したかもしれない星の輝きを眺めながらふと、アルタイル支店のホンダ工場から今月ようやくとっておきのバイクが届くのを楽しみに待つ、といったような数億年も先に得られるかもしれない感覚を想像して小さい光を眺めたことがありました。

 まあバカバカしい感覚なんですけれどそれ以来、そうやって想像で実生活に繋げてみて、なんか星の輝きを近しいものに感じたり、あるいはあんな遠くまでわざわざ工場の皆さん単身赴任ご苦労さんといったような、空虚な浮遊感にさいなまれたりして一人で頭の中で遊んだりしています。

 実際のところ、確かに鉱石とかは取り放題かも知れませんが、星が輝いている時点でそこは超高温だから工場建設には不向きですし、社宅等の建造も難しいように思えます。せいぜい周回する惑星に目を向けるしかないのではないかと。でも、まず人間が呼吸出来るコロニーを作り、工場プラントを作り、鉱石を掘り、錬成してパーツを作り、とっておきの新車が地球に届くまで何億光年かかるんだろう。

 といった、不毛な考え。これがある時、一瞬間ですべてストーリーとして脳裏をかすめたんです。さすがにびっくりしましたが。

 疲れているんですかね。でもそれ以来いつも止まり木に座っては、今頃あっちはちょうどお昼どきかなあ、なんて考えています。あの星の裏側に人がいる、なんて考えただけでもちょっと楽しくないですか?
 
     
 
  2013.10.15    食べ物に関しては、人間は別の人格を有していると思われます。

 こないだ講師控え室の扉を開けたら、そこでスタッフの女性がカップラーメンを今まさに食おうとしているところに出くわしました。なので、『オッ、美味しそうですね〜。今お昼ですか?』と聞いたら『そうなんですよ。今日忙しくって。やっとなんです。』『それは何ラーメンですか』『秋限定の○○がコンビニで売ってたから思わず買っちゃいました〜。』と超嬉しそうにニコニコニコとおっしゃいました。

 なので冗談で『どうもすいません、わざわざ僕のために』と言ったら、急に表情が強張って『いや、それは違うと思います!!』『、、、』『絶対に違うと思います!』と言い放つと、ズルズルズルルー!と一気にラーメンをすすりだしました。超恐かったです。でもこれは僕がきっと悪かったんですよね。判ります。この冗談は万死に値する発言だと思います。

 一回仕事帰りだか何だかでまだ一回も行ったことのない[ステーキガスト]なるものに入ってみようとした時のことです。結構パーキングは満杯で警備員が入り口に立っていたので、空きがあるかどうかだけを聞こうと思って、何も考えずに反対車線から入り口に車を入れた瞬間、視力を失ったがごとくの眩しい光が左からナベを襲いました。

 ビックリしてみて見ると、よく見るとそこにはズラーッと空き待ちの車の列が長蛇の列をなしていて、その先頭車両の主婦がナベにハイビームを浴びせていたんです。よく見ると車内ですごい形相で何か叫んでいます。『ゴルァアア!貴様なに横から割り込んできとんじゃい!ふっザケんじゃねーぞ!貴様をステーキにして食うたろか、このアホンダラァ!』くらいは叫んでいそうなすざまじい剣幕でした。直後に警備員が寄ってきて、すみません右折入庫は出来ませんお並びいただけますかを言われたんですが、いえいえそれどころか、はい二度とこのシマには立ち寄りません、わたしが紛らわしくて皆様ゴメンナサイの勢いで、ほうほうの態でそこを立ち去りました。

 昔、バンド練習後のミーティングで飯を食いながらあれこれ今日の出来を話していたんですが、隣の女子がこれとこれ交換しよー、とか言いながら今で言うシェアみたいなことをやっていたので、隣のドラムのやつに『これ半分やるからそれちょっと頂戴』と言って、ハンバーグを差し出したら『オウ!』とかいったくせにぜんぜん分けてくれません。なので『それやったからちょっと頂戴や』と催促したら『オウオウ!』とかいいながら結局ナベが上げたハンバーグも平らげ、分けてもくれずそいつは涼しい顔をして飯を食い終わりました。今だにそいつには殺意を抱いています。何となく大阪が嫌いで、大阪から東京に出てきたのには実はこういうことが背景にあったのかも知れません。

 秋ですね。食べ物がおいしい季節になってきました。なってきたからこそ、だれかとお食事とかに出掛ける時は気をつけてくださいね。いつ何時、相手の目に殺意が宿ってかも知れませんので。クワッ!
 
     
 
  2013.10.01    宮崎のおっちゃん達はなかなかアクが強いというか、癖があるというか、こちらの人みたいにサラッとはしてないような気がします。いや、人間本質は同じなのでしょうがやはり風土によって、その爽やかさの純度というものの度合いも多少違う気がします。まあせっまーい人生経験の中で勝手に言ってるだけだから気にしないでね。今日のお話はそんなとあるおっちゃんのお話です。

 チビナベの頃はベビーブームの団塊の世代で、小学校も一学年40人クラス6組とまずまずの豪勢さでございました。で、子供達のソフトボールチームも内の小学校内だけでも地区対抗で太田北、太田南、京塚、大坪、江南その他いろいろと結構な数でした。うちは太田南でその地区の子供のお父さんが持ち回りで監督を務めておりました。

 その監督の中で大谷君のお父さんがなかなか子供心にもめんどくさい感じで自分的にはちょっと苦手でした。当時うちのチームには名投手がいて、彼のおかげで我が太田南は強かったです。彼はピッチャーだったので『P』とニックネームがついていて、子供うちでは、『ピー!』は気さくでカッコイイ超人気者でしたが、この大谷君のおやじは試合とかで『ティーのやつ、なかなかやりよる』とか『おい!ティー、いい加減本気出せよ』とか、なーんか耳障りな発音をしてました。年長の『ピー』は太田南ソフトボールチームの男の子達のアイドル的存在だったので僕らの『ピー』のことを、かっこつけて『ティー』と発音するこの大人がなんかやな感じでした。

 この大谷君の家業は電気店で、ウチもご近所さんのお付き合いから電化製品は大谷君とこでよく買ってたと思います。そういう地域ぐるみのお付き合いのせいか大谷君とこはなかなか羽振りが良くなってきて、すぐ近くに新しい物件を買いました。3階建ての新築で1階が店舗、2階3階が住居と、当時この界隈で3階建てなんつったらチョー金持ちクラスのお家でしたから、まわりはみんな唖然としていました。一介の電気屋のオヤジが3階建てですからね。ほー、なかなか儲けたんだなー、といった妬み系の感情がまわりの大人達にはあったように思います。

 まあようするに、大人達からもちょっと敬遠されていたようです。
ティーですわ。違和感です。気さくな人は好かれますよね。自然体でなんかおかしみのある人も愛嬌があって人気者になりますが、無害なかっこつけも程度を超えると敬遠したくなります。で、その日がやってきました。

 ドーン!、ドドーン! ある日曜日の朝、にわかに盛大な花火の音が聞こえました。「あらー、あれは大谷君とこじゃ」うちの道子さんが言いました。「チラシが新聞にはいっちょったが、そういえば」ナベ父ちゃんもなんかゴソゴソ言ってます。聞いてみると大谷君とこのお父さんの新築開店セールの花火の音でした。運動会の朝のドッカン花火とおんなじでなかなか盛大です。でもその肝心のチラシを見てみると、子供心にも、オオッこれは安い!と思えるような金額の商品がまったくないんです。○○型カラーテレビ12万9800円→12万7800円 とか 日立ラジカセ44.800円→44.000円 とかせいぜいそんな感じでした。これは寂しすぎる!幼いなべ心にもキューッと突き刺さるような寒さでした。

 一週間ほどした曇りの日。なべがたまたま新築の大谷君の家の前にさしかかった時、新しい店舗の店先に大谷君のお父さんが立っていました。大谷君のお父さんは店先に転がっていたプラスチックのちり取りを拾って手に持っていましたが、いきなり『ちくしょう!』とちりとりを道路に叩き付けるように投げました。角の欠けたちりとりは縦に飛び跳ねるように転がっていき、道路の反対側で小さな小片に割れて分散しました。

 なべは身近な大人の豹変ぶりにとてもびっくりしたのですが、大谷君のお父さんは悪びれることもなくナベを見て、ナベが「こんにちは」と小声で挨拶するとウムとばかりに無言でうなずきました。

 ご近所さん同士で助け合って共栄している分には良かったのでしょう。昭和50年代と言ったら高度成長期です。地元商店街の電気屋さんでも電化製品も超売れたことでしょう。ただそれを自分は地元の人気者だから、みんな自分ところで買ってくれてるんだと思っちゃったのではないでしょうか? チラシのあの値引きの薄さが何よりの証拠です。大谷さんとこが新装開店じゃが。カラーテレビ12万9800円が2.000円も値引きしちゃるが!あんらまー、ちゅうてみんなびっくりして買い替えるじゃろう。花火を聞いたらそわそわしてみんなチラシを持って今頃いそいそと来よるっちゃないとかね。大谷電機のタオルが粗品であるからみんな有り難がるじゃろうなあ。

 大谷君のお父さんは夢を見て勝負に出たんだと思います。ただ時代は量販店の薄利多売に移りつつあった時期。多少の値引きではたとえご近所さん付き合いでもそうそう買わなくなり、町の電気屋さんはこれから苦戦を強いられていこうとしていた時期でもあります。またそれとは別に、思いのほか自分は人気者ではなかった、と気付かされたことのショック。その悔しさがあの『ちくしょう!』に表れていたように思います。

 このお話は別に何かを語ろうと思って書いたのではないです。ただあの時代にも身近な大人達が小さな町の一角で、成功しようとしていろんな駆け引きをしたたかにやっていたんだなあ、と今考えると懐かしさの中にもちょっとした新鮮さを感じる思い出です。

 それから月日がながれ、母道子さんのお通夜の晩に30年以上ぶりに会った大谷君のお父さんは、信じられないくらい小さいオヤジさんになっていました。お久しぶりですの一言二言だけでしたが、最初はこちらが誰だか分からず腰を低くして挨拶を返してくれ、ワタナベの息子と判った辺りで態度がちょっとぞんざいになり、きびすを返した小さな背中は夜の下町に消えていきました。
 
     
 
  2013.09.15    8月のお盆休み明けに田舎からメールが来ました。バブル期のチョコレート作りの本からの引用だそうです。

テンパリングってなあに?
『テンパリング』というのは、温度を調節しながらチョコレートを溶かし、よい状態のまま固める作業のこと。おいしくてきれいなチョコを作るには、ゼッタイに必要なテクね。 テンパリングがうまくできていないと、固まらなかったり、型からぬけなかったり……。ウェーン、泣き出したくなるようなことばかり。こんな失敗をしないために、チョコレートのことをちょっぴり知っておいてね。

 メール送信者はこのウェーン!のあたりで卒倒しそうになったそうです。なんでも最近クッキーを作る必要が出来たので、昔の本を引っぱり出したところ、この強烈なバブルの亡霊に憑衣されたそうです。メール送信者からはさらに次の警告と別の添付文章が添えられておりました。

 (バブル時代の日本人は調子にのり過ぎていたなんて言いますが、こわいもの知らずなほどの元気なあのテンションとノリ、何だか時代のエネルギーというものを考えさせられました。とはいうものの、これらの文章を読むとやっぱりパワフルすぎて玉砕します。皆さん、心の準備をしてゾゾ立ててください。)

ジャズと深夜と、あの人と、
トリュフ』
テレ屋の彼は、ちょっと怒ったような顔をして小さな包みを受け取りました。
中は、わたしメイドのトリュフです。
ほんとうは、とってもうれしいはずなのに、どうして素直に喜べないの?だけど今ごろ『アイツもやるナ』って微笑みながら、口にしてるにちがいないわ。
ワイン片手に、彼は何回『おいしい』って言うかしら、、、

 うーん、女子の気持ちはなかなか難しいもんだとはかねがね思っておるのですが、ホンマにこんなこと考えながら手作りチョコレートを作ったりしてたんでしょうか?これは女子向けの本ですから、当時の女子にはフツーに受け入れられていたと言うことですよね。ということは日本人の適齢期女性の10人に1人がそうだったとしてもかなりの勢力になります。それらの人達が深夜台所でなんかコネながら、ウフフッとか言ってたんでしょうか?

チョコレートのフリルでドレスアップしたロールケーキ。
この日のために編んだセーターといっしょに、彼の元へと届けます。
気持ちはいつも、オンリーユー。
愛しているから贈ります。
マイ・ハートチョコレート
チョコに託した気持ちと味は、ほかの誰にも負けません。
アダルト派の彼とのお茶の時間は、ノン・シュガーのカフェ・オ・レと、ハートメイドのお菓子です。
早くあなたに食べてほしいような…いつまでも眺めていてほしいような…
二人だけのバレンタイン、彼の部屋で、甘く温かくすごします、、、

 このあたりになるともう日本人のハートにダイレクトに響くリズム的な何か、そう5・7・5調の調べに乗せた、ピンクピンクなハートマーク満開なラブラブ攻勢を感じます。やはり大和撫子は現代でも意外に古風なのか?
かわず飛び込む水の音、気持ちはいつも、オンリーユー。
夢は枯れ野を駆け巡る、ほかの誰にも負けません。
殺してしまえほととぎす、愛しているから贈ります。

 ほらね。流れが一緒でしょ。松尾芭蕉の時代より熟成に熟成を重ねたゴーシチゴー(ラップ調に発音)はバブル期に一気に花が咲いたがごとくです!あとはオマケで感銘を受けたとかいう文章が来てました。

文例集。。。彼の腕の中へスロー・イン。。。指先に思いをこめて、ハートも一緒にロール・オン。。。ス・マ・イ・ル。。。だ・い・す・き・よ 等々

 いかがでしたでしょうか?気絶せずに読めましたでしょうか?わたしも書きながら幾度となく気が遠くなりかけて、、、

チュンチュン、チュンチュン、
いかんいかん、気絶してた。もう朝だ。。。
 
     
 
  2013.09.01     皆さん、今年もめちゃくちゃ暑い夏になりましたがお元気にしてますか。寒いのは着込めば凌げるけど暑いのは逃げ場がないから辛いですね。聞いた話によると金星だか木星だかは日中の気温が400度とからしいから、こんな猛暑でも地球に生まれて心から良かったと思います。

 まあ暑い話からスタートになりましたが、9月に入るあたりから秋の風がちらほら感じられるようになり、いよいよ夏も終わりに向かってる実感が湧くにつれ、ちょっと寂しくなりますね。

 こないだ寝苦しい夜にウトウトながらも眠りについていた午前3時くらいでしょうか。突然耳元で“ニャアー”という鳴き声がして、びっくりして目が覚めました!もちろん家では猫は飼っていないのですが、熟睡状態から一瞬で目が覚めるほどのリアルな鳴き声に、ハッ!と開いた目は真っ暗な天井を見上げ、覚醒したての意識は虚空をさまよいました。ただその鳴き声の主はすぐに解りました。

 しびななバイク置き場を縄張りにしていた猫で、いろいろと昔から親身になってくれていたオス猫のうーちゃんの声でした。

 これまでもふらっと1、2ヶ月居ない時はありましたが、最近別の猫がシマをとりしきるようになり、いったいうーちゃんはどうしたのか気になっておりました。そして3ヶ月ほど前のある晩、隣の棟のおばさんの後を追うようによたよたと歩いてきたうーちゃんに再会しました。

 虹ヶ丘の虎として異名を馳せていた頃の面影はなく、すっかりやせ細りその足下もおぼつかないうーちゃんは、それでも呼びかけると再会を喜んでくれているようで、ふらつきながらも喉をグルグル鳴らして以前のようにまとわりついてきました。

 おばさん(飼い主)の話によると、口内炎を患ったうーちゃんはすっかりものを食べれなくなってしまったとの事で、それでも漢方かなんかのお水で症状が少し回復しようやく喉を食べ物が通るようになり、ちょっと元気(これでも!)になったので運動がてらお散歩に出たという事です。

 食べるという事は、すべての基本。普通の猫ならこの口内炎に罹ると一命を落とすらしいのですが、さすがにうーちゃんはタフでした。医者も見放したようですが、飼い主とうーちゃん自身の執念で見事復活です。久しぶりのうーちゃんは以前にも増して浮浪者のような風情(病気でメヤニ、ヨダレ関係が著しいのです)でしたが、嬉しくてなでなでを繰り返し繰り返しやってあげると、全身で喜んでくれているようでした。でも何が一番嬉しいってうーちゃんがちゃんとなべを覚えていてくれて、「うーちゃん!」と声をかけたら、弱っていたにもかかわらず『ニャー!』とお返事してくれた事です。

 その鳴き声でした。深夜、部屋の中で覚醒した意識にはもうその鳴き声は2度と聞こえてきませんでしたが、何かこうわざわざ挨拶しに来たような、そんな柔らかい一言話しかけるような印象の声色でした。

 その飼い主さんのお家は把握していないので、今のところうーちゃんにはあれから会っていません。あるいはさらに復活してまたモリモリエサを食っているのかもしれません。そんな気もします。またあるいはもしかしたら本当に来るべき時が来て、逝く前に仲良くした日々を懐かしんで、ちょっと挨拶しにきてくれたのかも知れません。思い返すと猫としては、とても威風堂々とした賢い猫で、反面仲良くなると親しき仲にも礼儀を忘れない、やんちゃで不器用なとても愛すべき健気ないいヤツ
だったなー。きっとまた秋口あたりバイクをいじっていたら、いつものように背後から『ニャー!』と声をかけてくれるんじゃないかな、とそんな気がしてしてならない、うーちゃんはそんな自由な猫でした。
 
     
 
  2013.08.15    あづいですね。。。皆さん熱中症だいじょぶですか?あれって急に頭がモアーってなるらしいですから気をつけましょうね。

 朝玄関を出ると、昨日一晩中らんちき騒ぎをしていたセミの男女が廊下に寝ています。きりがないので放ったらかしでもいいんですが、まあひと夏だけの付き合いなので指にとまらせて行きつけのセミ人気No,1の木にとまらせて上げます。中にはその搬送中に急に目が覚めて『アンタ誰!ギャー!』とばかりにブーンと飛んでいったりしますから、結構迫力があります。

 まあそんな日々を過ごしていたある日、団地内をお散歩していたらヴンというかすかな音がしたので、ふと見てみたらなんとセミがジーパンにとまっていました。『親分!おひさしぶりです。セミの助でござんす!せんだってはアブナイところを助けていただきやして、へい、どうもありがとうございました。おかげであれからおいしい木の蜜をたんまりいただいて、すっかりこうこのように元気になりやした。いえ、ちらと親分のお姿を見かけましたもんで、ちとご挨拶をと思いまして。へい。セミの身にもこう暑くっちゃやってられませんが、親分も体にはくれぐれもお気をつけなすってください。それじゃ!』とばかりにブーンと飛んでゆきました。

 歩いてんのにとまりにくるかね〜、と思ってふと逆を見たら右の足にもなんとセミがとまってました。『へい。ダンナ。あっしです。セミ次郎でがす。あっしもすっかりお世話になりっぱなしで。何か恩返しが出来ればとはつねづね思うところではござんすが、なにぶん悲しいかなセミの身分。せめて夏の風物詩のアッシの鳴き声で今年の夏も満喫しておくんなさい。だんな、ご恩は忘れませんぜ!』とこいつも飛んでゆきました。

 みなさんはセミにとまられたりしますか?しませんよね。暑くてフワフワ歩いてるから木にみえるのかなあ?まあ気分的にはこないだ搬送したセミ達だと思いたいんですが。でも実はラッキーなセミばかりじゃないんです。

 今ナベ家には要介護度5のセミがいます。脱皮したてのセミの成虫だったのですが、セミは土の中の期間が圧倒的に長いので、成虫の時点で年齢的にはもう後期高齢者レベルでしょう。彼女はこの不安定なお天気の中、脱皮には成功したものの激しい風雨の中、すでにそこで力尽き地面に転がっておりました。乾燥も不十分で羽根もくしゃくしゃのまま伸びきっておらず、このままだとアリさんに群がられるだけなので自宅に引き取る事にしました。 とはいっても、もうこの状態では何も出来ないんですよね。でもせっかく脱皮に成功したので飛べないまでもご飯が少しでも食べれたらと思い、皿に黒砂糖をうすく水に溶かし、綿に湿らせてその上にセミを置きました。

 結局3日ほどウチに滞在しました。木の蜜を吸う管も折れ曲がった状態だったのでたぶん砂糖水は吸えなかったと思いますが、くしゃくしゃの羽根を僅かながら振るわせ、頑張って羽ばたく仕草をしていました。そして徐々に体力が落ちてゆくのですが、少し休んでは僅かずつでも皿のなかで動き回り、しっかり生きてくれていました。最終日は猛暑も和らぎ、程良い気温までお天気も落ちついてきたので皿ごと外の光の中に出してあげると、やはりセミは太陽の光に反応しますね。ジッとしていた体に生気が蘇り、また急に元気に動き出しました。そしてそのまま最後は仲間の大合唱を聴きながらいつしか静かにその生を終えました。
 よく頑張った!!

 うーん、いつも考えさせられます。生きる理由、そんなものはないんです。生まれてきたから生きる。生き抜く。ただそれだけの健気な生き様。

 今年の夏は、まだまだあっついですよ!しっかり水分補給をして頑張って乗り切りましょう!ちなみに落ちているセミを指にとまらせたら、たまに奴ら指を木と勘違いして口の導管を刺そうとするので、そういうのはプロに任せましょうね。セミプロ、なんちゃって。
 
     
 
  2013.08.01    ここ一年くらいよく廃線跡を辿る夢をよく見ます。山野を深くVの字に切り通した窪地に線路の路盤が埋まっている風景だとか、深沈たる深い沼のふちを草に覆われた廃線が続いている風景だとか。ひどいのになると薄暗いカンテラの光だけが頼りの岩の洞窟のなかに続く錆びたレールを辿る夢だったり。

 昨日もまた見ました。山奥の鄙びた集落跡に続く林道近くの半ば土に埋もれたレール跡を辿る夢でした。いずれの夢も、レールを辿れば辿るほど土くれに埋もれた軌跡が網の目のように至る所に分岐し、草薮のはるか遠くまでそれらは延びていて、それでいてひとつとして生きている線はないわけで、時刻は夜のようでいて夕方のような、くたびれた朝のような、明るすぎない陽の光がいつもまわりに満ちていて、そう何と言いますか、なぜか胸が締め付けられるような辛い感覚を伴った夢です。

 個人的には廃線巡りとか好きでよくあちこちに行きますが、夢の中に出てくる彼らは一様に寂しすぎるというか悲しすぎるというか。こんなところにいたんだ、的な忘れ去られ感が辛いのか。とにかく朝起きた時のダメージたるや結構なものがあります。で、これは鬱に違いないと前回思ったんですがどうやらそれとも違うようで、でもだいたい10日に一回はこんな夢を見てるような気がします。

 こうして書きながらわかった、、、更年期障害だ。ある意味、脳の。と、思います。先日ライヴをやったあとに仲間内で、体力の維持が辛くなってきた、という話題で盛り上がったんですが、どうやらそれは新たな壁のようです。いきなりガクンと来るよ、とよくいわれてたんですが、まさしくこれかと。でも、それは上手く乗り越えたら逆に今度はそうそう疲れない体になるようで、でも乗り越え方が人によって違うようで各々それは課題となるようです。

 なのでこの廃線巡りの夢は、精神が次へのステップへと昇華する時期に来たという前兆、虫の知らせではないかと思います。そうこの夢見後のかったるさはまさしく年齢的に体力が続かなくなってきた肉体的な辛さのそれと酷似しています。きっと精神が積もり積もったいろんなものを排出している途中なのではないかと。きっと人生を振り返ってのネガな一面なのでしょう。なので精神もこれらをポジに切り替えて乗り越えなければならん時期のようです。うーん、今回はちょっと話柄が深いような気がする。でももしかしてただ単に寝相の悪いせいだったりして。


 追伸。4/1のなべ日記、オカマちゃんカミングアウトの話。あれ疑うことなく素直に信じてる人がいるようですね。その人達が、『消防署の方から来ました』とか言う業者に消火器とかを買わされないか心配です。
 
     
 
  2013.07.15    人生も後半に入るとなーんだかいろいろ考えちゃいますよね。ホント最近目は見えないし肩も上がんないし関節は固まるしで、急な焦燥感から最近保険に2つも入っちゃいましたよ。

 それでも忙しすぎてガツガツ何かに一直線に突き進んでいる時は心が太陽のように燃えてますから、たとえ体はしんどくても気は張ってて英気ハツラツなんですが、いったん落ち着いちゃうと何だかそこから気持ちの起き上がりに時間がかかってしょうがなくなってきました。なのでこれはもしかしたら、『うつ病』の兆候かも!と思いググッと調べてみました。(最近ではネット検索をググってみました、と言いますが、そこまでチャラい言い回しは嫌いなので、でもググるを使ってはみたい、という四十路の寂寥感で、ググッと調べてみました!と言ってはみたものの、かえって無駄に長いセンテンスになった、かつ明らかに言い回しがダサくなっただけというまさに老人性の何かですな)

 調べたら、ググったら、ありました。『うつ』の兆候が取り合えず9項目程。鬱病とは、から始まって興味の喪失、食欲障害、睡眠障害、気力の減退、自殺への思いなどなど。で、チェックしてみたんですが、なんだか1つしか私は当てはまりませんでした。よくよく考えたらライヴ、イベント等ではよっしゃやったるでーという自分がそこにいますし、飯はぜんぜん食う、寝たらいつまでも起きない、死ぬのは寿命以外ヤダ!、と全くもって『うつ』に無縁の大雑把雑草人間なのが露呈されました。

 当てはまった1つと言うのは、注意散漫、記憶力減退ですが、よく調べるとリアルな鬱病はそんな程度ではなく症状がかなり深刻みたいですね。服を着る気力さえ湧いてこないというのがそのレベルらしいですから、実際かなりな深刻度を物語っています。しかもこの病気は誰にでも起こりうる、原因はしっかりとは解明されてない病気のようなのでこわいですね。やはりストレスが一番の大敵でしょうか。現代社会でストレスフリーなとこってないですけど油断せずにしっかり息抜きが大事ですね!

 いよいよ夏。皆さん暑いですがかき氷の食べすぎとかでお腹壊したりしないよう気をつけましょう。で、夏バテにならないようしっかりゆっくり噛んで美味しく食べましょうね。食べてると元気も湧きます。病気にもなりにくい。体力もついて花火大会、夕涼み、キャンプとイベント満載な夏は楽しいですね。事故に気をつけて楽しい美味しい夏をお過ごしくださいね。あ、なんかほのぼのコメントだ。
 
     
 
  2013.07.01    『ちょっと! 今日誰よ!!』 突然の怒り声に、駐輪場でバイクを引きずり出そうとしていたナベはビクッと振り返りました。声の主は斜め上の階に住んでいる奥さんでした。

 この方、奥さんと言ってはなんなんですけども、平素から茶髪で黒ラメ&メタリックの超ミニスカートキメキメの香水プンプンお化粧ハデハデの実にヤンキー色の濃い、見たところ暴走族のあねさんと言った感じの60代の方で、その痩せた目から発する眼光の鋭さといったら、もう前回ビブレで遭遇した笑わない主婦の恐さの百倍程です。

 『もう朝からずうーっと待ってるの!だれよ!今日は?』平穏な団地内に響き渡る罵声に不意に責め立てられたその相手は宅配のお兄さんでした。トラックのお兄さんもうビビリまくり。『すいませんっ!急いでたんですけど遅れてしまいました!』『もう今日は用があるから朝イチでって頼んでおいたじゃない。もう何よ!あなた誰!!』もう強烈な怒りの雷が降り注いでおります。『すいませんでした。石川です。。。』

 お兄さんがトラックから降りてきたこの瞬間にヤンキー主婦は豹変しました。『あ!イシカワさんかあ。いっつも仲良くしてくれている。そっかそっか。今日遅くなったんだ。ゴメンゴメン。いやほら、今日これから出掛けなくちゃなんないからさ、急いでたのよ。いいよいいよ。まだ間に合うから。あ、それとさ、明日も頼んでるのね。ひとつ。で、それはさ着払いだからゼーンブ計算してお金はポストに入れとくね。だから玄関置いといて!うちはさ、誰も取ったり悪さしたりしやしないからダイジョーブよ。(そらそうやろ)で、もし足りない時に多めに入れとくから、で、もうそれはお釣りいいから取っといて。返さなくていいから。そっか、石川さんか、いつもアリガトね。これ待ってたんだ。今日急ぎだから営業所に頼んでおいたの。いいのいいの。大丈夫。間に合う。で、明日も石川さん。あそう。んじゃそんなして玄関においとくからさ。また明日も頼んだね。ん、ありがとありがと。』

 じつに気のいいお姉さんに変わりました。この奥さん、普段は廊下ですれ違っても挨拶が返ってこない(なべのあいさつ運動対象外)実に不機嫌そうに見える恐ろしいイメージだったのですが、豹変したその素顔は質に爽やかにこやかな女の人でした。それでも眼光は織田信長みたいに強烈に鋭いんですが。

 生活の場で正当なクレームがある時はガーッと最初にまくしたてて相手を圧倒し、でもって充分相手を押しまくってからその怒りを収めつつ最後に笑顔を見せて今後を見据えて仲良く終わる。そうすると相手も次回から細心の注意を払うようになり、かつ遺恨を残さない。この主婦、ただもんじゃないと思いました。ナベには到底出来ない。きっといろんな人生の修羅場をこれまでさんざんくぐり抜けてきた結果、この人なりに身につけた人間操縦ヤンキー法なんでしょう。今回はちょっとフーンと思った身近なお話でした。みなさんいろんな一面があるんですな、と最近つくづく思います。世の中、いろんな人がいてとても勉強になります。でも今日のはチョー恐かったけど。
 
     
 
  2013.06.15    夏ですね。いよいよ。それに先駆けて何と身も凍るような 恐怖体験をしてしまいました。今回恐い話がダメな人は見ない方が良いかもです。

 先日ライヴがあったのですが、最近ライヴで着るお洋服が少々ネタ切れになってきましたので近くのデパートに買いに行きました。行ったのは紳士服売り場のデカ目サイズ売り場コーナーです。なべは腕がちょっと長いので、フツーのLLだとツンツルテンな感じになってしまうもので、デカい規格のLLを求めてそこに行きました。

 でも夏場なので長袖シャツはなく、しかたなくジャケットコーナーで2.3着良さげなのを選んでいろいろ試していたその時の事です。右端の視界に入ってきた女性が、なぜかスウーッと急接近してきたかと思うと、あろうことか今ナベが試着中の横の鏡に掛けたジャケットをいきなりワサワサと漁り始めたんです。

 あまりのとっぴょうしもない行動に一瞬ワケが分からんかったです。しかもナベが一番気に入ったジャケットを持って行こうとするので、この人どうしたんだろうと思って、でもきっと束で鏡に掛けてたから商品の吊るしと勘違いしたんでしょうか。『あ、それ今、ボクが見てるとこなんで。はい、このジャケットはそちらのコーナーにありますよ。』と教えてあげました。すると、『あ、あらそう。ホホホ。コッチのコーナーね。ごめんなさいね。』なんてにこやかにおっしゃいました。
ちょっと天然かも?

 おっしゃいましたが、なーんか絡んでくるんですよね。『うーん。やっぱりイマイチねえー。すいません。この色にカーキのズボンで合いますでしょうか?』『これはデザインがねえ、ちょっと合わないのよねえ。』『これいいんだけどサイズがないわねえ。』とかブツブツ。しかも『ちょっとこれとこれ持って頂けます。』とかいってファッションショーをやらされるハメになりました。

 ちょっと僕も選んでんだけど〜とちょっと迷惑に思いながらも、まあなんとも愛想の良い初老のご婦人だったので、こちらも愛想よくしながらそのファッションショーに付き合っていたんですが、その方ニコニコしながらさっきナベの手から持って行こうとしたお気に入りジャケットをチラっと見て『それ、お買いになるんですか?』と言ってきました。

 あ、やっぱこれ狙いだったか。さっきのは知らなかったんじゃなくて確信犯!と、急に危険信号がともったのでガードをあげました。『ハイ!これは買います!』ハッキリハキハキと宣言しました。きっとそれはご婦人が少し前に目をつけていたジャケットなんでしょう。でちょっと目を離した隙に、たまたまナベがそこにきて試着し始めたものだから、あっ!と思ったんでしょう。でも大事なライヴ衣装ですからこればっかりはね。するとご婦人、『そうですか。失礼しました。ホホホ。』と素直に引き下がりました。笑顔がとても品があって、でもぜんぜん悪そうな人じゃないんですね。

 でも、なぜかそこからファッションショーはヒートアップしてきて『あ、もう一度これ持ってもらえません。』『あなただったらこちらとこちら、どっちを選びます。』『主人がカーキのズボンしか履かないから、これだと合わないわねえ。こちらはどうかしら。』なーんてニコニコ。でも直後に『こっちだとデザインが合わないのよねえ。』とブツブツ言い出します。で、例のお気に入りジャケットと同じ型のジャケットを探し出して『あ!コレいいわ!素敵!』とビンゴ!が来たんですが(でもさっきからそれ見てますよね?) 急にガックリと『あ、これLか。Lなんだー。Lだと主人お腹出てるからどうしても合わないのよねえ。』と言ったので、こっちも必死で負けず劣らず愛想よくニコニコして『いやボク、腕が長いんでLLなんですよ。それにこのジャケットは前のボタンは締めない方がカッコいいからお腹は大丈夫ですよ!』と、目線を上げてご婦人の顔を見た時です。

 目が合ったそのご婦人の顔は、、、、ニコリともしていませんでした。そうその眼力たるや、まるで誰もいない部屋なのになぜか何処かからジッと見られているような負の視線、といったような目線。ブラックホールというものがあるとしたらまさにこんなんじゃあないんだろうかと言った感じ。クオッ!と一瞬でその目の中に吸い込まれそうになりました。いやマジで。

 よく幽霊は怖い、と言いますが、、、、、、、生きている人間の方がじゅうぶん恐いと思います。もう恐くて早々に選んでいたジャケットを思わず鷲掴みにしてレジに向かいました。あそこでじっくり選んでいたらヤバかった。あのままあそこにいたら何が起こるか分かりませんでした。きっといいように丸め込まれてジャケットを取り上げられていたでしょう。おかげでしたくもない大人買い3着をやってしまうハメになりました。お金ないのに。

 でもレジを終え、通路を歩き、ビブレの建物を出た後も、そのご婦人にうしろを付けられているような、みょうな違和感がありました。(譲らん、これは譲らんよ!)と心の中でずっと唱えていましたが、やはりそう、どこかの物陰からジッッッと見られているような気配と言いましょうか、『負の執着』という目に見えない気なんでしょうか。いやそれはきっと真の恐怖を味わった人間にしか分からない怯えからくる妄想なんでしょう。でもボクもひと一倍煩悩・執着心は強いはずなのですが、あの執念の宿ったご婦人の顔つきには絶対に勝てませんな。特にあの目、には。。。。。ひいいーーっ。

 でもジャケットは、せっかく買ったのに結局夏ライヴでは着ませんでした。いや正確に言うと着れませんでした。どんな天変地異が起こるか分からなかったので。なのでしばらく寝かして曰くがとれた秋頃に着ますね。
 
     
 
  2013.06.01    最近の変化なんですが、みなさんはご飯はどのように食べてますか?なべは俗にいう犬食いというやつで、パク、ムシャ、ゴックン、以上!といった食べ方をしてました。なので時間のない時にはとても重宝しておりまして、あーあと5分か、ぜっんぜん大丈夫!といった食人生を送ってきておりました。

 ですが、あるちょっと風邪気味になったとき、食べられなくなったんですね。食事が重くて。で、食欲ないしなあ、でも食わんとどうしようもない。そんな状況でカラダもダルいので、ダルダルチマチマと食ってた訳です。弱っていたから咀嚼飲み込みもじつにスロー、やる気ゼロの食い方だったんですが、これがなんとですねえ、あとあとじつに体に良い感覚だったんです。正確に言うとお腹のもたれ感が全くない!

 すごい発見だったですねー!人生をここまで生きてきてようやく食べることの楽しさっちゅうもんの奥深さが分かった気がします。遅すぎますかね?でもしっかり噛む、時間をかけて食事する。これはかなり体に取って良いお薬なんじゃないでしょうか。そういえばチャングムでもナウリーが「食事はしっかり噛め!時間をかけてしろ!そうすれば胃腸の病気にはかからない。私が保証する!」と医女達に指導していたシーンがありましたが、今頃になってなるほどなーと思いましたよ。(何のこっちゃか分からん人多数)

 これの効能はダイエットにも効果があるようです。(またかよ、と思った人多数)なんせ、ゆっくりしっかり食べるから味わいがしこたま堪能できますな。なので満足時間が長いので、空腹中枢をやさしく癒してくれる訳です。で、しっかり噛んでいるから消化がスムーズ、またゆっくり食べているから量も少なめで胃の膨満感、もたれがない、ということは胃散が張り切って働く時間が短いので胃壁にも優しい。高い山ほど谷は深い、以前やってた一気のドカ食いはのちの空腹感が尋常じゃなかったです。ですが、このゆっくりしっかり型だと波も穏やかなので、空腹サインも急激には来ないような気がします。

 これは実は最近のアンチコンビニダイエットのなかのオニギリ術(しっかり噛んで味わう)ということにも反映させた臨床結果です。いやあ、我ながらじつにすごい才能です。節約快感をダイエットひいては健康管理にまで発展、応用させるというこの将来性と言いますか、造詣の深さと言いますか。しっかりゆっくり食べることの重要性に気付いたこの明晰なる頭脳。才能は忘れた頃にやってきたとふと思いましたね。(私すでに昔からそうしてますの人多数)
 
     
 
  2013.05.15    女子会と男子会の違い。うーん、よく解りませんが想像ですが。まあ大して違いはないのではないかと。ただ持久力および瞬発力は圧倒的に女子会の方が強いと思います。

 最近、オヤジの可能性を探求すべくオヤジ研究会なるものをひっそりと立ち上げたんです。活動内容はというと、オヤジの群れに身を投じ、可能な限りいかに溶け込みかつ楽しく盛り上がることが出来るか、というもの。なぜこんなことに興味を持ったかと言うと、なぜかオヤジは群れますな。それも実に超楽しそうに。毎回同じメンツなのに。まあこの辺は知り合いのある特定の人々を頭に描いていっている訳ですが。

 女っ気もないのにとっても楽しそうなんですね。まあ自分的にはこういう類いの群れはけっして嫌いではなく、いやむしろ男酒はかくあるべき、実に正しいとまで思っている訳ですが、なべはどっちかと言うと一人でチマチマと遊んでいるタイプなのであまりこういう群れに属したことはないんですな。

 でも今回この会を立ち上げて、あらためて観察してみたところ、一見毒にも薬にもならないこととかでも、でも本人さんたち的には結構大事な事だったりもするわけで、酒の力もあってか、なぜこんなんでそこまで盛り上がれるの?というとこまで行っちゃってる訳です。すでに話もかなりループしてるし。それでも飽きないんですな。じつに超はしゃいじゃって嬉しそう。

 そこいくと以前関西在住時に目撃したマダム達の女子会。あれは強烈だった。たまたま喫茶店のランチを食いに寄っただけなんですが、むこうの円卓に8人くらいのマダムが集合してまして、何と一斉にスズメの巣をつついたように喋りだしたんです!一人が熱く語って周りはフムフムと聞くなんてもんじゃあなく、一斉にヨーイドンで同時にワーーーッ!!とですよ。隣の話は一切聞かず、自分の話すら誰が聞いていようがいまいがお構いなく、とにかく隣より大声でワーーー!って感じで、もうあれは一種の心の叫びのようでした。

 それからいくとこちらの女子会は上品なもんですな。周囲で見聞きする範囲ですが、ちゃんと会話のキャッチボウルが出来てて、ルールをちゃんと守ってる感じ。それでもやはり一般男子会に比べて耐久時間はかなり長そうです。まったりと延々と言った感じで、エンドはレスな風情です。関西のそれは弱肉強食感を足した感じ。土地風土お国柄によって、女子会も強弱度が変わるのでしょうか。でも詳しいことはよく解りません。まあいずれにしても、それに比べて男子会は無邪気なもんです。女子会VS男子会イコール大人VS小学生位の質、内容、パワー共にかなりの差があるような気がします。子供の頃に遭遇したオヤジ(実父)の10人くらいの男子会は異様なだんまりがかなりの時間を占め、まさに沈黙会。あれは子供心にもかなり辛かった、、、。オヤジの可能性を追求すべく立ち上げたオヤジ研究会ですが結論として、やはり女性の方が社交上手と言うかどこまでも大人なんでしょうかね。
 
     
 
  2013.05.01    隣の芝生はよく見える、とよく言いますが。

 3年前にホンダのバイクを買ってからというもの、ずーっとずっとハマリっぱなしのこの40代後半。何がいいかって、うーんいろいろあって一概には言えないのですが、一言でいうとバイクに跨がりエンジンをかけて発進してすぐに感じる感覚。そうこれ、この音と匂い、走りのフィーリング。どこに行きたいとかじゃあなく、ただただコイツに乗りたかっただけよ、という感覚でしょうか。

 その後、近似車のナナハンも手に入れ、駐輪場の確保に苦労しましたが、サビだらけの放置自転車の山となっていた駐輪場の一角を掃除整頓し、なんとか2台置けるスペースを確保しました。

 団地内にはなべの顔を見ると、なぜか傘を投げつけてきたり、生ゴミをぶちかましてきたりする変なオバハンが一人おりまして、まあ普段からブツブツ独り言を言うおかしなお人なのですが、実はナベの確保した駐輪場は、その人が自分の乗らなくなったサビ自転車をチェーンで柱に巻き付けて停めているとこだったので、嫌がらせ関係が非常にセンシティヴな状態でした。のですが、ナベも対抗措置として張り紙をしたり、すれ違いの際は目をそらさず睨み合いのまま後には退かなかったので、正面きっての戦争ともなればお互い血みどろになるとそのオバハンも分かったのでしょう。ロシア対アメリカですね、何とか平和に冷戦時代の3年間が過ぎました。

 ですが最近不用自転車一斉撤去の作業がありまして、そのお人も自転車を撤去したようです。で、ここからが本題。自転車のあったスペースは狭い狭い幅ですから、撤去されたあとはなんとかなべバイクたちが横に若干の余裕ができたかな程度なんです。せいぜい30センチ幅。そこにですねー、第二弾の強敵が現れまして。レジとかバス停とか改札口とかで、チャンと並ばずに横から何となく割り込んでくるちゃっかりした人っていますよね。まあいいんだけどなんかムカつく〜、という感情を抱かせる人。多分そんな人。その30センチ幅にある日、原付の鼻っ柱が突っ込まれておりました。

 一難去ってまた一難。ここが不用自転車の山の時はあなたいなかったよね。ここ綺麗にしたの言いたかないけどボクだよ。いままで一体どこにいたの?そっちに停めなさいよ。なんでこんな狭い場所に突っ込んでくるの?そりゃあ、駐輪場は共用だから停める場所の指定はないけれど、生活空間だから先住者が常態的に停めてる場所に割り込んでくるのはマナー違反でしょ。スペース空いてりゃもちろん開けるよ。それあ当たり前です。けどさ、物差し30センチの場所に原チャリが入る訳ないじゃん。現に鼻先しか入ってないじゃん。お尻は道路上に出っぱなしだよ。交通の邪魔でさえあるし。アンタちょっと詰めなさいよってか?悪いですけどウチのバイクはサイドスタンドなので原チャと違って停めるとどうしても斜めになるんです。見りゃ分かるじゃん。と心の声が叫んでいました。

 でも言うこと聞かないんですね〜。アタシャここに停めたいから停めるのヨ。ホラ、どいて、とばかり次の日にはさらに鼻っ柱が突き刺さっておりました。ヘタに出し入れするとタンクに原チャリの前カゴがガシガシ確実に当たる位置にあります。そりゃそうです、30センチしかないとこに突っ込んできてるんだもん。何とか入らないかとも検討しましたが、やはりどう見てもギリギリなんですね。ということはヘタに入れてあげたらこのタイプの人は次からどんどんのさばってきて、今度はこっちが置く場所がなくなるのは確実です。

 最終手段に出ました。原チャリ移動です。最近の原チャリはハンドルではなくセンタースタンドがロックされて上がらなくなるんですね。だから原チャリを持ち上げないと移動出来ない。かなり苦労しました。が、愛する2台の子供の死活問題なのでお父さんは頑張りました。憎きその原チャを抱きかかえ、隣のマスの端っこに強制移動です。となりもまた定員いっぱいですから、そのさらに端の邪魔にならないところに置きました。どこのどちら様かは存じませんが、元の場所に置いてくださいまし。見て分かる通りこちらは両マスともにいっぱいですので。の気持ちを込めて。

 そうしたらなんと次の日、そのお方は隣のマスの先住者のバイクが留守の隙にちゃっかりそこのスペースに入り込み、占領してしまいました。私がそうしむけた訳ではもちろんないのですが、実に後味の悪いことになりました。10メートルも離れていないバイク置き場はスカスカに空いているのに。確かにこちらは屋根がついているから雨は若干は凌げるというメリットはありますが。周りの不用自転車がなくなって一見スッキリとしたこちらの駐輪場が急に羨ましくなったんでしょう。でも人を押しのけてでも置くこたあないでしょーが、まったく。

 そう、人生とは闘いですねー!ちょっとした心の隙間と自転車置き場の隙間には皆さんも気をつけてくださいね!
 
     
 
  2013.04.15    いままで行ったことのない場所でした。そこは沢山の家族連れで大賑わいの広場というか芝の生える丘陵地のようでしたが、特にサクラとかの花が咲いてる訳でもなく、ただひたすら大勢の人々で賑わっているようでした。

 チビナベは親に連れられてここで早くからお昼ご飯とかを食べていました。遠くにちいさく見えるそれの近くには太平洋の大海原があったように思います。あるいは海に突き出た半島にそれはあったのかも知れません。ただ到着した時間が結構早く、子供のことですからもうすっかり退屈してなんだかダダを捏ねていたような気がします。お天気は快晴で気温もそう寒くはなかったように思います。ただすごい人の数が芝生の丘にところ狭しとゴザやシートを敷いてたむろしていた不思議な光景だったのは覚えています。

 そうこうするうちに、遥か彼方のそれ、突っ立っている銀色のペンシルみたいなのが動いているような景色が見られました。周囲はなんとなくザワめいています。が、それも暫くすると全く止まってしまい、再び周囲の大人達もまたワイワイと話し始めました。

 ちょっと前に父親から『じゅんいち、ロケット観に行こや!ロケット、ロケット!』と煽られていたような気もしますが、後付けの記憶かも知れません。でもそこに来た目的は子供心に理解していたような気がします。ロケットがどんなもんかはもちろん分かりません。ですが犬と一緒で、親がはしゃいでいるとこちらも嬉しくなって興奮が伝染する心理でしょうか?タダでさえ娯楽に乏しい昭和の田舎町での日々です。ですから当日まで充分にロケットを観に行くという一大イベントでワクワクな幸せが続いていました。

 でも期待と反してそのロケットという奴はいつまでたっても、ただ斜めに突っ立っているだけで面白くも何ともありません。もうずっとそんな感じで充分に飽きてきたのでもう帰ろう〜帰ろう〜とでも言っていたと思います。その時、親に注意換気されたのでしょう、見ると一斉に丘の人々全てがはるか彼方のその銀色のシャーペンに釘付けになった直後でした。

 ズガアアアーーーン!!! ペンシルの大きさの30倍程のもうもうとした白煙をすざまじい勢いで、まるで入道雲のごとく周囲に吹きだしながら大音響とともにそのロケットという奴は青空に向かってまさに一直線! 信じられない早さで突き刺さってゆきました。いやそれは本当に青天の霹靂とでも言いましょうか、4、5歳児だから晴天のナントカなんて思いませんが、もう4、5歳児の予想を越えた世界観とでもいいましょうか。唖然呆然。もうびっくりくりくりでした。

 いやもうそれから寝ても覚めてもロケットロケットです。ねえーまたロケット見に行こう、行こう、と何万回親に言ったことか。板ブロックで作るおもちゃもこの日からロケットです。ただあの鋭い丸い尖った質感を、幼児用おもちゃで再現するのはなかなか難しかったのを覚えています。どうしても三角屋根みたいになっちゃうんですね。当たり前だけど丸い円錐状にはならない。ですがあれだけ感動したロケットをもう一度再現したい!

 この一度ハマったら一直線な性格はこの頃にすでに構築されていたようです。どうしてもロケットが見たい!ロケット大好き!寝ても覚めても相変わらずロケットです。相当感動したみたいですね。ですからこのロケットがなんと近くの田んぼにあったのには大興奮しました。

 その黄色いロケットは丸い円錐状で、向きこそ上下逆でしたが今にもまたズガーンと大空に飛び出しそうで、まあそのロケットは逆さでしたから空から戻って休憩しているんだろう、今度はいつ頃また飛び出すのかなあ〜、とその田んぼを通るたびにウキウキして見ていた記憶があります。でもそのロケットはいつまでたってもあの日のように空に向かってビックリするような大音響とともに飛び出すことはなく静かにそこにいるだけで、チビナベもいつしかロケット熱も冷め、小学校に上がる年齢になってその田舎町を後にしました。

 これはいつか前にも書いた記事です。ですが最近郷里の方よりお便りを頂き、ご丁寧にもそのロケットを送って頂き、再びの投稿と相成りました。これがまさにチビナベがワクワクして見ていたロケットです。あれから40年以上、ロケットは今でもその場所で大空に飛び出すことなく往年の勇姿のまま、ひっそりと佇んでいます。
 
       
     
 
  2013.04.01    人には誰しも大切な秘密というものがあります。でも一番大事なのはその人そのものなのではないかと私は思います。

 この激しい競争社会においては、常に切磋琢磨、あるいはつねにライバルと向き合いながら先へ先へと進まざるをえません。好む好まざるに関係なく。そこに生き甲斐を感じる方も多くおられるでしょう。否定している訳ではありません。ただ、そうでない生き方、そうでない走り方というものもあるのです。

 自分と違った生き方を選ぶ人、考え方をする人、もちろん社会的に許されないことはNGですが、そうでないただちょっとこの人変わってる、というだけで、人は排他的になりがちです。でも外見にとらわれることなくその人の本質というものを尊重するということがいかに難しいか。言い換えてみれば外見というもので人は誤った判断を下しがちです。

 近々わたしは海外で手術を受けてこようと思っています。20代の頃より今までずっと長い間迷っていましたが、人生を充実させるために迷った末に敢えて決断しました。フィリピンで性転換をしてきます。

 術後には新しい自分の再出発を兼ねていつもの楽屋で再出発記念ライヴを秋頃に行う予定です。この日は今までお世話になったミュージシャンの方々もお呼びして盛大にセッションライヴを行いますので、是非皆さん本当の、本当の渡辺順一を観にいらしてください。心よりお待ち申し上げます。

さあ、今日は1日ですか。4月になって気分も一新!みなさまも大切な人生、授かった人生を1日1日大事に生きてゆきましょう。では。
   なべこ。
 
     
 
  2013.03.15    ナベ式ダイエットシリーズ。うーん、自分で書いててこのシリーズは最近どうも説得力がないなあー。まあ、でも直近のネタとしてはこれかなあ。

 今までに私の提唱してきたナベ式ダイエットには、カロリーダイエット、問いかけダイエットなるものがありますが、どうもお魚と一緒でダイエットも旬のものが良いようです。何が旬かと言いますと、その時その時の生活環境や季節、気分に応じたダイエット法こそが旬と言うことです。

 カロリーダイエット法は、カレーパン等を買う時にチラッとカロリー表示を見て少しでもカロリーの少ない方に目を向けさせるという方法でしたが、これには致命的な欠陥がありました。それはそのちょっとのガマンというものは、言うなればフィリピン海プレートに沈み込む太平洋プレートみたいなもんですね。この蓄積された時のリバウンド力、関東大震災並みのリバウンド力をもって理性を跳ね飛ばしてしまう訳です。なので最終的な勝者は中性脂肪という訳です。

 問いかけダイエット法は、当初は良いんです。でもいつしか(開き直り)という人間の性が災いして、どうもダイエットがはかどらないと言う欠点がありました。それは、『ホントにそれを今食っていいのか?』という問いかけに対し『うん、かまへんよ』と答える自分がいつの間にかそこにいるという事実です。これも最終的にはリバウンドを伴ってしまい、かつそれに対しても開き直る新たな自分も育ててしまうという二重の欠陥がありました。

 そこで究極のダイエット法をご紹介します。それは『快感ダイエット!』一体何の快感か?それは、貯金です。うーん、実は今書きながら、なんかこのネタいつか書いたような気がするなあ、と思っていますが、まあ人間と言うものは本質はそう変わらんですから仕方ないですね。そう、あのときは貯金を趣味とする生き方を提唱しましたが、今回はそれとダイエットのタイアップです。

 どういうことかと申しますと、オニギリをね、作る訳です。2コぐらい。自分ちで。中にしそ昆布とかを入れるとグーです。あとスーパーで買ったフィリピン産バナナとかも安いのでデザート用にプラスすると良いです。お茶もね、自分ちでペットボトルに入れていったらほぼタダでしょ。で、毎回職場に持っていく訳ですよ。そうすると、基本的にコンビニに寄る必要がなくなりますからお金が飛ばないです。

 今回気付いたことは、コンビニおにぎり。あの物どもは確かに安くて美味しいのですが、じつに食欲ツボをドキューンと貫くような美味しさですから、食欲がエスカレートします。そうするとあれもこれも目移りして買ってしまい、結局一回あたりに少なくとも4〜500円は使っちゃいますよね。で、お腹いっぱいになるもんだから胃袋がそれに慣れてしまい、次から多少の量じゃ満足出来なくなる訳です。味も濃ゆいから、全体的に体が刺激の強い物を好むようになります。

 でもね、食欲の満足感を得るためには美味しい物は必要ないんです。空腹時にはオニギリ1個2個あれば充分に満足します。ただ、コンビニに入ってあれもこれもと目移りする状態、はいカロリーダイエット法の弊害ですね。これだとついつい美味しい物に目がいっちゃう訳ですよ。で、ついつい多く買っちゃったりして後悔する訳ですが、それが習慣ともなるとだんだん後悔しなくなってきます。はい、問いかけダイエット法による開き直り状態ですね。

 そう、ですからダイエットの敵はお昼時のコンビニにあり!私はこう断言出来ます!もちろんコンビニ自体はとても便利で良いお店のシステムです。ただそこに現代人の無駄使い、健康の落とし穴があると言うことも事実です。今回私の開発したこの『快感ダイエット法』は、オニギリ2個と余裕があればバナナ。お茶は必須です。これだけで約400円の節約。年間にしたらいくらでしょう。どうぞ計算してくださいね。で、これに慣れると胃袋も程良く小さくなり、かつしそ昆布オニギリはとてもヘルシー、いわば粗食ですからいつの間にか体の体質がそう食欲に敏感にならなくなります。

 なので、お腹は空腹にはなりますが、いつもオニギリ食ってるとこれが基本形ですから、空腹時にはオニギリ1個でまず満足するようになります。そんなに旨い物でもないですし淡白なお味ですから1個で充分な訳です。これがコンビニおにぎりみたいに旨すぎたりしたら次々バクバク食っちゃいますからね。で、そうすると、夜ご飯もヘタしたら残りのオニギリとバナナでもう満腹状態とかになる訳です。晩ご飯代も浮きましたね。そうすると一日約1000円も節約できて、で、食欲は充分満たされていますから体も軽い。空腹時にコンビニに寄らないから誘惑もないからリバウンドも無駄遣いもない。貯金欲とダイエットが合体した究極のダイエット法『快感ダイエット』!!読者の皆さんは無料ですので是非お試しください。でも手元に夜食用おやつとか置いてたら次の朝、胃がもたれて調子出ないからダメですよ〜。
 
     
 
  2013.03.01     若い頃には出来なかった事がある程度の年齢になって出来るようになって、またこれから先にもさらに実現可能な事が待っているのかと思うと、あながち年を重ねる事も悪くないと思うようになったこの頃。

 人生をこれまで生きてきて、いつが一番良かったですか?いつ頃に戻りたいですか?と問われたら皆さん、なんて答えます? あるいは10年前と、いや20年前と今とではどっちがいい?と問われたらなんて答えますか。ぼくは絶対的に『今』なんですが、皆さんはいかがでしょう。ただこないだこんな不思議な夢を見ました。また夢話で恐縮ですが、いやこれは体験ですかね。

 とある夢の中で、なべは高校生に戻って宮崎の実家にいました。で、暑い夏休みになんか勉強かなんかしている訳です。で、ちょっと眠くなったからうたた寝をして、ふと気がつくと朝日が昇ってきてました。ああ、朝かあ!すがすがしいなあ、と本当に清々しい高校時代の感覚で朝の空気を感じました。でもすでにここで実際に覚醒している訳です。で、なぜか東京にいるから不思議で、あれ、宮崎で受験勉強してたのになんでここにいるんだろう、と。早く準備して高校行かんとかん、と気はせくのですがなんか空気感が違います。待てよ、あれ?高校はとうの昔に卒業したんじゃなかったっけ?と。まだ気がつかないんです。つい今しがたまで感じていた、未来への希望に溢れていた高校時代の瑞々しく若々しいエネルギッシュな感覚がまとわりついて、目が覚めた状態でも今自分は少なくとも20代としか思えないんですな。でも徐々にそれらのなつかしい感覚は薄皮が剥がれていくようにスウーッと消えていき、ようやく10数秒で現在のおっさんなべに精神が着地致しました。

 はっきり言ってあの感覚は全く忘れていた感覚でした。若さ故に物事がすべて希望に満ちあふれて見えていたとでも言いましょうか。エネルギーに溢れた感覚。その10代の世界から、10数秒かけて徐々に現在のリアルナベに戻った瞬間。。。正直に申します。その瞬間は、、、超ガックリしました。ああ、もうあんなに若くはないんだな、と。

 ただ、若いその頃もいつがいいと問われたら、『今』と答えたでしょう。そんな気がします。なぜなら今が楽しいからだと思います。現なべが『今』と答えるのも今が楽しいからであって、もし楽しくなかったら楽しくなろうと頑張ってはいると思います。で、そんな頑張っている状態が楽しいからこれまた『今』と答えるでしょうし。

 だからガックリする必要はまったくないのですが、なぜガックリしたのか。たぶん自分にとってその感覚を感じていた時代がかけがえのない時間だったからでしょう。その時間を経ていきなり現実世界に戻った、いわば急激な精神ワープです。人生の懐かしいゴールデンアワーから一気に引き戻されたらそりゃあちょっとショックも大きいです。人間お隠れになる時に走馬灯のように記憶が遡ると言いますが、それのまさに逆バージョンでした。つかの間の精神のタイムスリップ、ちょっとした脳細胞にいたずらでしょうか。

 思うに、これから順調に生き続けるとして20年後あたりに、『夜な夜なこうしてくだらん日記をセコセコ書いて、それを皆さんにわざわざ見ていただいて、』と言う夢でも見るのでしょうか。で、目が覚めて我に帰って、あのころは無駄にエネルギーを発散しとったわいなあ!懐かしいのう。とでも思うのでしょう。で、やっぱり今が一番良いわい、とも思っているんでしょう。

 でも、高校生のナベにみるみるシューッとオッサンが帰ってくるあの感覚は、、、悲しかったよ!
 
     
 
  2013.02.15    P&G、エステー化学、サンスター、モランボン、、、20代の若かりし頃、昔デパートの特設売り場にて声を張り上げて売り子のバイトしておったです。an(日刊アルバイトニュース)のド短期バイトコーナーでもよく時給のいいバイトしておりました。時給が良いといっても、今の派遣社員さんとかのそれよりはるかに下で、せいぜい時給900円とかで喜んでいましたね。

 ちょっと音楽の仕事が舞い込むようになっても、バイトは続けていました。というか、音楽の仕事は一回あたりは額はデカくてもなにぶん不定期でしたから、結局バイトをやらざるを得なかったです。で、今でもこの頃の夢をよく見ます。というか最近よく見るようになりました。

 当時は夜の3時くらいまで車の中で楽器練習をしてたりして、結局次の朝起きられずにバイト遅刻しては、呆れた目で見られておりました。というかしょっちゅう怒られていましたがよくクビにならなかったものだと思います。今思えばそんなボクでスイマセンでした、何ともありがとう!感謝!です。まあ当時はバブル経済の最中で、人が足りなかったということもあるでしょう。今ならソッコークビ!ユーアーファイヤー!です。

 で、そんなでしたからバイト仕事自体には全くと言っていいほど情熱を出さず、行き当たりばったりで毎日を過ごしておりました。というか正直に申しますと、連絡便で社用車で出先に行ったついでに、楽器店によって楽器を漁ったり、高速高架下にクルマ止めては忍ばせて持ち込んだフルートの練習してたり、そりゃあもう酷いもんでした。で、道混んでましたー、とシレッとして帰るんですよ。どことなく社員さんの目が冷たかったです。ホントよくクビにならんがったです。

 ですから、仕事先に居場所はまったくなかったですね。まるで浮遊霊のように毎日顔を出してはなんかお茶を濁したような仕事をして、目の届かない車仕事では楽器を買いに行ったり滞納家賃を振り込みにいったりとメタメタな日々でした。そんな夢を今頃見るんです。

 夢の中で、『他のバイトさんは当分やってもらうけど、ナベ、お前にはもう仕事ないから今月限りね。』と年下の社員に冷たくあしらわれるように言われる訳です。で、とても生活ヤバイから、そんな時だけ年上の威厳も何もなく、『なんか仕事ないですかね?バリバリやりますよ!』とニコニコと調子のいい、景気のいい事を言って年下社員の情に訴えて、根負けした社員が『なら、あと3ヶ月だけ延長しとくからこれからは遅刻せんとちゃんとやってな。』とクギを刺される夢だったり、またある時は他のバイトさん達が一斉にガーッとやっている書類仕事が全く理解出来ず、呆然としていたら『ナベ、おまえなにしとん?書類は?』と後ろから社員に咎められ、『定期便がまだ来ないからそのあとでやります。』と訳の解らない適当なことを言ってその場を去る、サメのようにスルリとすり抜ける夢だったり、またある時は倉庫現場の夢で、社員さん達がいそがしくリフトを動かしているなかに生活に困ったナベがフラッと顔を出したら『あれ、ナベ、お前音楽やるからもう来ません、言って辞めたんちゃうんか?』と咎められて『いや、まだ籍はありますから続けますよ。』と無理矢理バイト仕事を手伝ったり。。。

 これらの夢をこうして分析してみると、その頃の時代、僕は社会に存在する場所がなかったようですね。で、どうやらそのトラウマな夢のようです。だから皆さんの昔の頃のお話を聞くにつれ、まあ若いのにしっかりしてるのねー!とオバチャンみたいに感心してしまう訳です。それが実は当たり前、至極当たり前なのですが、自分はこずるく立ち回って小銭を稼いでおこぼれで生き凌いでいた感がありますから、正統派なプロセスを踏んでない、要するにちゃんと仕事せず音楽以外はサボってばかりいたのが正直なところです。

 ですからこれはなんなんでしょう。自分でも判りません。懺悔なのか、悪夢なのか、後悔なのか、恐怖なのか。少なくとも音楽活動以外で消費した膨大で不毛な時間群については、それらは生きるのに恥も外聞もなく必死すぎてて、正直思い出そうとするたびに頭にフィルターがかかるような、遠い記憶状態になります。いや、記憶はあるのですが、そんな生活をしていた自分がちょっと信じられない、よく生き延びれたなー、としみじみ思います。その頃の延長上に今の自分が立っている訳ですから、しみじみともなりますが、でもいったいなんの反動で今頃夢に出るのでしょうか?まわりに感謝せいと言う事か?それはもう心から感謝してますが。。。
 
     
 
  2013.02.01    こないだ深夜、仕事帰りに家の近くで車を止めて録音チェックをしていたら、不審車がナベキャロルの横にスーッと来たかと思うと何を思ったかいきなりバックして後ろに停車しました。

 はい、お分かりの方おられますね。そう、夜遅くに車の中でゴソゴソしているナベの方が不審人物と思われたらしいです。その泣く子も黙る白と黒の車から降りてきたのは、やたら無線の声が肩から漏れ聞こえるお巡りさんでした。

 一人は4、5年次くらいの先輩巡査。もう一人は入りたての高校生みたいな女の子の警察官でした。『すいません。こんな夜遅くこちらで何をしてらっしゃるんですか?』『ええ、今日の仕事の録音のチェックです。音が聞こえると近所に申し訳ないんで。』『何のお仕事をされてるんですか?』と女の子はなかなかいろいろボクの事を知りたいみたいです。もういやですねぇ!ナンパですかあ?とか言ったら怒られそうだったので、身の上をいちいち説明してあげました。で、結局のところ車の中も見たがるので見せてやりました。そんなにボクの事知りたいんだ。

 どうやらパトロールついでにその先輩が、その新入りの女の子に職務質問のやり方を練習させているような感じで、小声で『まずは免許証拝見だろ』とか『そっちも開けなきゃ。』とか指示しています。なんか誰にでも最初ってありますが、ヒナにエサの食べ方を教えている親鳥みたいで微笑ましかったですね。

 でもそのひな鳥がちょっと問題でして、一生懸命になりすぎて、結構ナベキャロルの中を笑っちゃうくらいの勢いでひっくり返すようにあれこれ見るのには閉口しました。テレビのFBIとかの手入れじゃないんだから思わず『まあ練習なんでしょうけど。。』とつぶやいたら、さすがに先輩巡査も気になったのか、『おい、もうその辺でいいよ』と指示してくれました。

 最後にトランクチェックだったんですが、ここで凶器が出てきたんですね。多分先輩ちゃんもお宝発見!と思ったと思います。それは泥まみれのスコップでした。『これはなんですか?』ときたから『スコップです。』と答えました。(見りゃ判るって)

 『どうしてこれをお持ちなんですか?』ときたから『はねられたネコちゃんを埋める用に積んでます。』と答えたから、さぞかし不審人物全開に見えたでしょうね。先輩ちゃん、おおっ、これはイケるぞ!とお手柄確保寸前の面持ちで『どうもおっしゃっている意味が判りかねますが。普通そういうのは役所でやるもんでしょ。』とだんだん詰問口調になってきました。

 で、ここからはなべが楽しませて頂きました。『路上でね、可哀相なネコちゃんとかにね、よくね、遭遇するんですよ。車移動が多いもんで。で、そういうときどうします?僕はそういうのはなるべく端に寄せて、埋めれそうなら埋めてあげるコトにしてるんですよ。以前ね、交番でこういうのは受け付けられないって冷たくいわれたもんでね。そう、なんにもしてくれなかったものでね。それはどう思います? それにまあ、お役所とか行政は夜中は動かないでしょ。お巡りさん、お願いしたらやってくれますか?してくれないでしょ。いや別にそれはいいんですよ。どうせ管轄外っておっしゃるだろうし。ただでも自分は、もし遭遇したらこれも何かの縁でしょうから、出来る範囲で埋葬とかはしてあげようと思ってるんですー。ほら、泥ついてるでしょ。こちらはネコちゃんを移動する用のビニールで、こちらがお祓い用の粗塩。』

 キャロルちゃんに秘かに積んでいる埋葬キットを道に広げて人に説明したのは初めてでしたね。お巡りさんもそんな人見たのは初めてだったでしょう。まあ粗塩とかは珍しい積載物ではありますが、でも元々ちゃんと必要に応じたものなので、不審人物としてのうたがいは晴れたようでした。新米婦警ちゃんもちょっと唖然としていましたね。さぞかし世の中広い事がわかった冬の夜だったでしょう。

 ようやく全ての疑いが晴れ、先輩の『どうもご協力ありがとうございました!』で無事、新人ちゃんの初の(多分)深夜の職務質問は終了ーとなりました。いやー日本の警察も頑張ってくれてますね。エライエライ。お二人ともどうも寒い中、大変大変おつかれさまでした。おつかれさまだったけれど、新人ちゃんはあなた可愛い顔してその実、かなりガサツね。先輩ちゃんにはおかれましては、かなり面食らった顔をしていましたが、最後に『ちょっと変わってらっしゃいますね。』と正直なコメントを頂きました。余計なお世話じゃ!
 
     
 
  2013.01.15    毎年この時期になると、皆さん今年の抱負とかを決めて気持ちも新たにされることと思いますが、今年はなにを思われましたか?
 私は、ここ十数年来『健康第一!』が最大目標であると悟ってしまったので、以降は特段かわりばえのない人生を生きるハメとなってしまったのですがそれでも否応なしに、ちょっとだけ気持ちが引き締まるというか、気分一新となることがあります。

 大掃除?初詣?いやいや、私の場合、メモ帳の更新です。一年間使い倒してすっかりくたびれたヘロヘロのメモ帳に変わって、あたらしいピンピンのメモ帳を調達するんですが、ここ十数年愛用し続けていた能率手帳「エクセルカジュアル2」というシリーズを今回品切れにて買いそびれてしまいました。メモ帳もいろんな種類があって、最近はケータイとかipadとかに予定を入れる方が圧倒的に多うございますね。

 なべはそれはほぼ当分先なので、手書きメモ帳を重宝しておる訳ですが、スリムで持ち運びに便利な「エクセルカジュアル2」がとても気に入っていてずーっと使っていたんですよ。ですが行きつけの本屋さんで今年はそれが品切れとなっていました。あるいは毎年探すのにかなり苦労して残り少ない状態でいつも見つけるので、もう今年は廃盤となってしまったのかもしれません。なので分量の薄いペラペラの予定のみで充分人生を生き延びていたなべの伝統が今年は途切れてしまいました。

 なので仕方なく代わりに買ったのが「エクセルカジュアル1」です。ん?何がちゃうの?ハイ、分厚さです。往年の「〜2」の2倍は分厚くなりました。でもそれが一番今までのに近かったんです。保守派無党派層のなべは、波乱万丈な人生は向いてないので、書き込み欄は全然要らないんですがそれでも今回のメモ帳はなんか空欄というか書けるとこが沢山あるんですよねー。

 ジンクスではないのですが歴代のメモ帳だと必ず書くとこが満杯になってキリのいい所で世代交代してましたから、今年はこの分厚さだとちょっと忙しくなるのかなあ?なんてボンヤリ考えてます。なので、いいことで忙しくなれるように頑張ろう!とちょっと思いました。新年早々ヒゲの生育もなかなか宜しいし、今年も一年、皆さんとともに「健康第一!」を切に祈念していきたいと思いますので、よろしくお願い致します!!
 
     
 
  2013.01.01    皆様明けましておめでとうございます!今年も元気によろしくお願い致します。

 何か目出たいことでも書きたいんですが、全然何も浮かびません。元気にお正月を迎えられてること自体が最高に幸せっちゃあ幸せでもありますからそれでいいんですが、イザ目出たい系の内容を無理くり書こう書こうとすると、マイナーなことばっかり頭に思い浮かびます。こないだなんかゾンビが街にあふれて、それを見たナベは泡食ってトイレの個室に逃げ込んだのですが、一歩遅れた夢の中の誰かしらない友人がドアの外でゾンビに追いつかれて、断末魔の悲鳴とともに友人がリアルに食われる音が聞こえてくる、という夢を見てしまい超怖かったです。

 以前もお話ししたと思うのですが昔、ドラキュラが流行った時期がありました。その時なんかは夜だけでなく昼間も超ビビっていました。その時見た本によると、吸血鬼に血を吸われて自分も吸血鬼になった人間は目が赤いそうです。なので、街のデパートとかに遊びに行っても行き交う大人の目が赤くなってやしないかビクビクしてました。もし吸血鬼が街中に溢れてきたらコワいから痛くない程度にさっさと血を吸われて、そっちサイドに行った方が楽だなあなんてことも一時期真剣に考えてました。

 これも以前お話ししましたが、口裂け女!これもなかなかきましたねぇ〜。あれなんかマジで信じていましたからね。またタチの悪い同級生が『昨日俺の家の近くで、警察がトランシーバーで、(どうやらこの辺りに出没した模様〜、)とかしゃべっちょったぞ。』なんて真顔で言うもんですから、ナベはすっかり恐怖のどん底に落とされ、次の日から護身用にオヤジどのの登山用ナイフを借りて登校してました。

 また昔アフタヌーンショーというのが宮崎ではお昼の3時から放送されてまして、この番組で夏の心霊特集、コックリさん等々盛んにやってました。昼の3時なのにあの牧歌的なオープニングソングに恐怖を覚えるようになり、そう初めてですね、自分の家にひとりいるのがめっちゃ怖かったのは。

 地獄絵図というものがあります。悪いことをした人間が釜茹でにされたり、引き裂かれたりという光景を描いたものですが、これは昔から日本には伝えられていますね。子供心にはもう気絶しそうになるくらい怖いものです。ただそれを、とある会社がわざわざ現在絵本として出しており、こちらがその会社の社長さんの弁です。
 
 『かつて自殺が急増した時代に「いのちを粗末にしたら地獄だ!」という緊急メッセージを込めた絵本です。「子どもが悪夢にうなされたりしたら」と躊躇する親御さんの意見もありましたが、2〜3日なら悪夢もいいかと。今は昔話も過激なシーンは改訂されてしまう時代。でも恐怖のトラウマが子どもの心に倫理観を育てることもあるんですよ。』

 外界を知らない子どもの頃、恐怖にさいなまれていた月日の思いがナベの心に正しい倫理観を育てたかどうかははなはだ疑問ですが物事には表と裏があるように、光と影の、影の部分。そのゆらゆらと妖しい蒼い世界の存在が、ナベ人生に少しは奥行きを持たせてくれたのは確実なようです。ただ今だにうなされるのは倫理観がまだまだ足りてない証拠でしょうか?

 というわけで、影の世界から今度は光溢れるお日様が昇って目が覚めたら快晴の元旦!!!みなさま、2013年もよろしくお願い致します!!!
 
     
 
   
 

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