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サロン及び翻訳城
| 今月の言葉 <「私はだれが私をこの世界においたのかを知らない。この世界がなんであるか、私がなんであるかを知らない。私はあらゆることについて、恐るべき無知の中におかれている。私の肉体とはなんであるかを知らないし、私の五感、私の魂、いま私が話していることを考えている、この私の部分、すべてについて、またそれ自身について、反省を行なうが、それ自身についても、その他のことについても、同様に知らないこの部分が、なんであるかを知らない。私は、私をつつみこむ、この宇宙の恐るべき広がりを見る。そして、このとてつもない広がりの片隅に、つなぎとめられている私を見いだす。他の場所ではなく、なぜこの場所であるかを、私は知らない。さらには、生きるために私に与えられた、このわずかな時間が、それに先だつ永遠の時間と、それにつづく永遠の時間の中で、なぜこの時点であって、他の時点でなかったのか、私は知らない。いたるところにある無限が、一原子のような、一瞬間つづいて、もどることのない、影のような私をつつみこんでいるのを、見るばかりである。私が知るのはただ、ほどなくして私は死なねばならないということであり、しかも、このさけがたい死こそが、私がもっとも知らずにいることなのである。 私はどこから来たのか知らないのであるから、どこへ行くのかも知らない。私がただ知るのは、この世から去るときに、無のなかか、あるいは怒れる神の手中にか、この二つの状態のどちらに永劫にあずかるかを知らぬままに、永遠に落ちていくことである。これが、弱さと不確かさにみちた、私の状態である。これらすべてから、私が結論するのは、わが人生の日々を、わが身に起こる定めなどは、あれこれ考えようとせずに、過ごすべきである。たぶん私の疑問が、幾分か明らかにされることもありうるであろう。しかし、私はその骨折りをしようとも思わないし、探究の歩を進めることもしたくない。そして、このような骨折りにあくせくする人たちを軽侮しつつ、前もって考えもせず、惧れもなく、運にまかせてこの一大事にのぞみ、わが未来の永劫の状態になんらの確信もなく、無力なまま、わが身を死におもむかせようと思う。」 このような語り口の人を、だれが友人に持ちたいと思うだろう。おのれの問題を相談するために、人もあろうに、だれが彼を選ぼうとするだろうか。苦しいときに、だれが彼に頼ろうとするだろう。結局、人生において、彼のような者は、なんの援けになろうか。> ―― ブレーズ・パスカル 「パンセ」�V194より |
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