エポス文学館 改め 

 マリネコ文学館


今月の言葉

 <そこで私の考えでは、まず次のような区別を設定しなければなりません。すなわち、常にありて、生成を持たぬものは何であるか。また、常に生成していてけっしてあることなきものは何であるか。理性的な説明を伴う思惟によって把握されうるものは変わることなく、同一性を保っているものであり、これに対して非理性的な感覚と協力する判断の対象となるものは、生成消滅の過程の中にあって、けっして真にあるものではないのである。さらにまた生成するものは、なんらかの原因によって生成するのでなければならない。というのも、いかなるものにしても原因を抜きにして生成することはありえないからである。ところで、いかなるものを製作するにしても、その製作者(デーミウールゴスdemiourgos)が常に不変である自己同一的なものに目を注ぎ、何かそうしたものを典型(パラディグマparadeigma)として用いながら、製作品の形態や機能の仕上げにのぞむ際には、そうした作品はすべて必然的に善き美わしき(カロンkalon)作品として完成する。だが、これに反してその製作者がすでに生成したものに目を注ぎ、そうした既成のものを典型として用いる際には、結果としての作品は劣悪になる。
 さて、主題は全宇宙(ウーラノスouranos)、あるいは秩序ある宇宙(コスモスkosmos)であるが――あるいはその他いかなる名で呼ぶにしても、その当のものにとって最も受け容れられやす名でこの際呼んでおくことにしたい――とにかくその宇宙についてまず第一に考慮しなければならないのは、すべての考察において初めに取り上げなければならない共通の基本的事柄である。すなわち、宇宙にはいかなる意味での初めもなく、常にあったのか、それともなんらかの初めがあって、それから生成してきたのか。宇宙は生成した(ゲゴネgegone)したのである。なぜならば、宇宙は我々が見たり、触れたりすることのできるもの、身体を備えたものであって、この種のものはすべて感覚的なものであるからである。感覚的なものは判断と感覚とによって把握されうるが、それが生成するものであり、生み出されうるものであることは、すでに見たように明らかなのである。だがまた我々の主張では、生成するものであるからには、ある原因によって生成するのでなければならない。ところで、この宇宙の作り手、この宇宙の父を発見するのは一仕事であり、また発見したとしても万人に語り告げるのは不可能である。しかし、それはともかくとして、再び宇宙について考察をめぐらす必要がある。そもそも宇宙の建設者は、いずれの典型にしたがって宇宙を形成したのか。自己同一的であり不変であるものにしたがったのか、それとも既成のものを典型にしてしたがったのか。さてこの宇宙が美わしく(カロス)、その製作者が善き者(アガトス)であるとすれば、明らかに製作者は永遠的なものに目を向けたことになる。・・・
 そして事情が以上のようであるとすれば、この宇宙が何かの複製品(エイコーンeikon)であることは、またまったく必然的であることになる。>

   ――プラトン「ティマイオス」27−29(斉藤忍随「プラトン」p.313-314)より

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